2020.4~20206
【目次】
【お勧め記事】
【「『もう来なくていいよ』が怖い」発達障害、カミングアウトすべきか…悩む19歳】2019/12/27 12:04 (2020/6/5 15:45 更新)西日本新聞
【妊娠中に新型コロナに感染するとどうなる?
― 最新のエビデンスと注意すべきポイント4/12(日) 18:02
【「路上生活するしかない」コロナで困窮シングルマザーたちの「悲痛な声」】現代ビジネス 4/18(土) 7:01配信
【「病院辞めたい」「勤務中に泣き出す人も」 医療現場が悲鳴】琉球新報 2020年4月20日 10:07
【精神医療センターで薬物依存症治療プログラム提供 - 大阪府が再犯防止推進計画を公表】医療介護ニュース 4/14(火) 12:30配信
【8050問題」に一括対応 改正社会福祉法が成立】共同通信6/5(金) 12:54配信
【2日で1食、一家心中を考えた人も──「コロナ解雇」された女性たちの悲痛告白】週刊女性プライム 6/5(金) 21:00配信
【記事一覧】
【当事者1000人超調査にみる ひきこもりにまつわる8つのウソ】
【新型コロナ院内感染、そのとき何が起こったか】東洋経済 4/4(土) 5:31配信
【新型コロナとBCGの相関関係について免疫学の宮坂先生にお伺いしました】より
ー【4月3日、日本ワクチン学会は「新型コロナウイルス感染症に対するBCG ワクチンの効果に関する見解」】
【【図解】免疫の仕組み、体を守る構造と過程の複雑なネットワーク】4/5(日) 6:35配信 AFP=時事
【【休校長期化、見えづらいSOS 子どもの心のケア急務 コロナ疲れ深刻化の恐れも】】毎日新聞
4/7(火) 18:52配信
【障がいを持つ人の新たな「居場所」に・・・ 日々の介護支援 静岡市】4/9(木) 21:15配信 テレビ静岡
【日本でも「60歳以上のコロナ患者」は人工呼吸器を諦めるべきか】プレジデント
4/9(木) 17:15配信 抜粋
【新型コロナ重症化の男女格差 ホルモンや生活習慣が関係か】ニューポストセブン―女性セブン2020年4月23日号 抜粋 4/10(金) 7:05配信
【立ちすくむシングルマザー 新型コロナ感染拡大で収入減】 中国新聞社
4/11(土) 7:30配信
4/11(土) 7:30配信
【医療崩壊を防ぐためには病院や役所の役割分担を柔軟に:集中治療室を守るために機器の整備と人材確保を】石蔵文信 4/12(日) 17:07抜粋
【松山市5人、愛南町2人が新たに感染 新型コロナ】愛媛新聞 4/13(月) 14:47配信
【職場で2次感染か 従業員50人全員検査へ(愛媛・松山市)】あいテレビ
4/12(日) 11:43配信
【新型コロナ高松の保育所でクラスター発生 香川の感染19人に】山陽新聞 4/13(月) 22:52配信
【コロナで1人死亡 新たに2人感染 愛媛で30人に】4/11(土) 18:00配信 テレビ愛媛
【県内で新たに1人死亡、2人の感染確認 新型コロナ】愛媛新聞 4/11(土) 16:05配信
【愛媛県愛南町で2人が新型コロナ感染】あいテレビ4/10(金) 12:52配信
【愛南町で新たに感染者2人確認 新型コロナ(愛媛)】愛媛新聞 4/10(金) 11:05配信
【熊本地震から4年、災害時に重要視される「心のケア」とは】ウェザーニューズ 4/14(火) 6:08配信
【妊娠中に新型コロナに感染するとどうなる?
― 最新のエビデンスと注意すべきポイント4/12(日) 18:02
感染症専門医 忽那賢志:感染症専門医。
【体外式膜型人工肺とは 肺炎重症者救う「最後のとりで」】時事通信 4/7(火) 7:30配信
【ECMO治療受けた重篤患者、少なくとも75人…2週間でほぼ倍増】読売新聞 4/13(月) 23:32配信
【extracorporeal membrane oxygenation】
【7都道県で計19人死亡、1日当たり過去最多…国内の新たな感染確認は485人】読売新聞 4/14(火) 21:18配信
【せきで夜も眠れず、返信途絶えると「容体急変したのか」 最前線で闘う看護師が話した、隔離病棟の今】神戸新聞 4/14(火) 12:25配信
【米、WHO拠出金停止へ 新型コロナ「中国寄り」批判 トランプ氏】4/15(水) 7:37配信 時事通信
【ホームレス殺害の疑い、大学生ら少年5人を逮捕へ 岐阜】朝日新聞 4/23(木) 11:56配信
【碓井真史】21分前 新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授(社会心理学)
【「病院辞めたい」「勤務中に泣き出す人も」 医療現場が悲鳴】琉球新報 2020年4月20日 10:07
【看護師の子ら、園の預かり拒まれる 出勤できない人も 医療に打撃 那覇市立病院 琉球新報
4/21(火) 8:09配信
【人は自宅待機にどこまで適応できる? 心理学者が注目】Natinal Geographic
4/23(木) 17:45配信
【「一般の患者6%陽性」、高い市中感染率をデータが示唆 厚労省が抗体、抗原検査で流行状況把握へ】
【職場で2次感染か 従業員50人全員検査へ(愛媛・松山市)】あいテレビ
4/12(日) 11:43配信
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【コロナで1人死亡 新たに2人感染 愛媛で30人に】4/11(土) 18:00配信 テレビ愛媛
【県内で新たに1人死亡、2人の感染確認 新型コロナ】愛媛新聞 4/11(土) 16:05配信
【愛媛県愛南町で2人が新型コロナ感染】あいテレビ4/10(金) 12:52配信
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― 最新のエビデンスと注意すべきポイント4/12(日) 18:02
感染症専門医 忽那賢志:感染症専門医。
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【精神医療センターで薬物依存症治療プログラム提供 - 大阪府が再犯防止推進計画を公表】医療介護ニュース 4/14(火) 12:30配信
【うつ発症後も職場復帰 休職を防ぐ支援プログラム】NIKKEI Style 4/16(木) 7:47配信
[日本経済新聞夕刊2020年4月8日付]
【ピーク試算は受診者1日42万人 “医師の死”が招く医療崩壊とその防衛策】〈AERA〉
4/16(木) 8:00配信
【「路上生活するしかない」コロナで困窮シングルマザーたちの「悲痛な声」】現代ビジネス 4/18(土) 7:01配信
【コロナによる閉じこもり生活は、人の心を痛めつける】ダイヤモンド 4/19(日) 6:01配信
永田公彦
[日本経済新聞夕刊2020年4月8日付]
【ピーク試算は受診者1日42万人 “医師の死”が招く医療崩壊とその防衛策】〈AERA〉
4/16(木) 8:00配信
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永田公彦
【視覚障がい者に光を与えた父子の凄い就労支援】東洋経済 4/19(日) 11:10配信 坂本 光司 :経営学者、人を大切にする経営学会会長
【「村八分」日本人が意外と知らない本当の意味】東洋経済 4/18(土) 16:01配信 吉川 美津子 :社会福祉士
【月内にも抗体検査実施 数千人対象、保有率調査 新型コロナの感染実態把握・厚労省】時事通信4/22(水) 21:11配信
【死亡後に陽性判明、15人 3月中旬以降 警察庁】時事通信4/23(木) 12:06配信
【保護者が感染、子どもの面倒は誰が?預け先見つからない…対応は】西日本新聞 4/22(水) 10:21配信
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【保護者が感染、子どもの面倒は誰が?預け先見つからない…対応は】西日本新聞 4/22(水) 10:21配信
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【ホームレス殺害の疑い、大学生ら少年5人を逮捕へ 岐阜】朝日新聞 4/23(木) 11:56配信
【碓井真史】21分前 新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授(社会心理学)
【「病院辞めたい」「勤務中に泣き出す人も」 医療現場が悲鳴】琉球新報 2020年4月20日 10:07
【看護師の子ら、園の預かり拒まれる 出勤できない人も 医療に打撃 那覇市立病院 琉球新報
4/21(火) 8:09配信
【人は自宅待機にどこまで適応できる? 心理学者が注目】Natinal Geographic
4/23(木) 17:45配信
【「一般の患者6%陽性」、高い市中感染率をデータが示唆 厚労省が抗体、抗原検査で流行状況把握へ】
サイエンスポータル:国立研究開発法人科学技術振興機構 4/24(金) 18:08配信
【看護師を再び使い捨てにするな 崩壊の危機に国がやるべきこと】47News (女性史研究者・江刺昭子)4/27(月) 10:32配信
【困窮する母子に目を向けて 「こうのとりのゆりかご」開設13年】熊本日日新聞 5/11(月) 14:53配信
【なぜ?北九州で感染急増の謎 第2波へ警戒】西日本新聞 2020.5.29
【労災死傷1490人 4年ぶり減少 県内19年 死者3人増】 愛媛新聞 4/29(水) 11:23配信
【新型コロナウイルス感染症の流行にともなう対策に関する要望書】
2020年4月27日
【心の病 復職支援に力 松山の団体 事業所開設】愛媛新聞6/1(月) 9:22配信
【無症状で登校、手打てず…悩む学校 北九州でクラスター】西日本新聞6/1(月) 9:34配信
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【難病女性が国に勝訴 障害年金受給認める 東京地裁】6/5(金) 19:42配信
【「第2波」備え、障害者支援施設が感染予防策手探り 仮設の専用病室設置も 仙台】6/5(金) 10:46配
信
【北海道最大のクラスターが起きた介護福祉施設 "復興計画"を発表…目標は7月上旬「入所者全員が陰性に」】北海道テレビニュース 6/5(金) 21:25配信
【8050問題」に一括対応 改正社会福祉法が成立】共同通信6/5(金) 12:54配信
【生きづらさ抱える視覚障害者 新しい生活様式、感染防止の取り組み「壁」に】長崎新聞 6/5(金) 11:45配信
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【2日で1食、一家心中を考えた人も──「コロナ解雇」された女性たちの悲痛告白】週刊女性プライム 6/5(金) 21:00配信
【不払い養育費立て替え 兵庫・明石市が全国初 コロナ禍のひとり親に対応】毎日新聞 6/5(金) 19:30配信
【“バルコニーの柵にぶら下がった”高齢女性が転落死…老人ホーム3階の部屋に入居 助けようとするも転落】東海テレビ
6/5(金) 16:04配信
【「発達障害支援ハンドブック」8年ぶり改訂】富山テレビ6/5(金) 16:45配信
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【「『もう来なくていいよ』が怖い」発達障害、カミングアウトすべきか…悩む19歳】
2019/12/27 12:04 (2020/6/5 15:45 更新)西日本新聞
2019/12/27 12:04 (2020/6/5 15:45 更新)西日本新聞
【唾液PCR検査、きょうから可能 安全で簡単に採取、保険適用】共同通信6/2(火) 6:00配信
【「パワハラねつ造された」島尻消防組合の職員が提訴 幹部5人に賠償求める】琉球新報6/6(土) 6:34配信
【保育園のパワハラ訴訟・西条市が控訴へ(愛媛)】あいテレビ6/8(月) 19:38配信
6/8(月) 15:40配信
【責任能力ない加害者に奪われた命「裁判さえなかった」 事件から24年、遺族の声受け条例改正】神戸新聞6/9(火) 14:00配信
【会社のヘイト文書で「精神的苦痛」 配布は違法?争点に】朝日新聞配信
【本文】
【会社のヘイト文書で「精神的苦痛」 配布は違法?争点に】朝日新聞配信
訴状などによると、会長は遅くとも2013年以降、こうした記事やネット上の書き込みなどを印刷し、従業員に配布。多い月では1千枚ほどにのぼったという。
大きな争点は、会社側による文書の配布が違法といえるかだ。
文書が女性個人への差別的内容ならば名誉毀損は成立しやすいが、今回のように民族全体を差別する内容では女性への名誉毀損は一般的に認められにくい。そこで、原告側は女性には「人種差別・民族差別的な言動にさらされない権利」があると主張。会社側は職場でセクハラやパワハラを防止する義務があるのと同様に、従業員を差別的表現にさらすことを防ぐ義務があるのに、それに反してヘイトスピーチなどを含む文書を配り女性の人格権を侵害した、と訴えている。
女性はさらに就業時間中に教科書展示会で教科書採択の参考となるアンケートに動員され、「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部らが編集した育鵬(いくほう)社の中学教科書に好意的な回答を書くよう強いられたとも主張。自らの意思に反する行為を求められ、人格権や憲法で保障された思想・信条の自由を侵害されたと訴える。
一方、被告側は文書は史実に基づく「政治的な意見論評だ」としてヘイトスピーチの該当性を否定。文書を読むことも強制しておらず、会長らの表現の自由を制限してまで原告の法的権利を保護する必要はないなどと反論している。教科書展示会の動員にも参加を強制した事実はなく、展示会への参加を呼びかけること自体は違法にはあたらないとしている。
原告側弁護団長の村田浩治弁護士は「職場にヌードポスターを掲示することが許されないのと同様、ヘイトスピーチにさらされない権利も認められるべきだ。差別解消に向け、裁判所が明確な判断を示してほしい」と話す。(遠藤隆史、山本逸生)
【責任能力ない加害者に奪われた命「裁判さえなかった」 事件から24年、遺族の声受け条例改正】神戸新聞6/9(火) 14:00配信
兵庫県明石市は今春、犯罪被害者支援条例を改正し、心神喪失などを理由に加害者が刑事責任を問われなかった事件の遺族に特例給付金が支払われる道を開いた。きっかけをつくったのは、精神障害の男による通り魔殺人事件で長男を亡くした曽我部とし子さん(74)=同市。9日で事件から丸24年。「裁判さえなかった事件でようやく被害者として認められた」と活動に一区切りを付けたい気持ちと、裏腹には「やり残したことがあるのでは」との思いも尽きない。(小西隆久)
兵庫県明石市は今春、犯罪被害者支援条例を改正し、心神喪失などを理由に加害者が刑事責任を問われなかった事件の遺族に特例給付金が支払われる道を開いた。きっかけをつくったのは、精神障害の男による通り魔殺人事件で長男を亡くした曽我部とし子さん(74)=同市。9日で事件から丸24年。「裁判さえなかった事件でようやく被害者として認められた」と活動に一区切りを付けたい気持ちと、裏腹には「やり残したことがあるのでは」との思いも尽きない。(小西隆久)
【写真】亡くなった長男の雅生さん
長男の雅生(まさお)さん=当時(24)=は1996年6月9日、JR明石駅南の国道2号沿いで男に背後から包丁で刺された。
逮捕された男は精神障害で不起訴。裁判で真実を知る機会は奪われた。悲しみとやりきれなさの中で、周囲の「息子さんが2人いて良かったね」などの言葉にも痛苦を味わった。「遺族の胸の内を知って」と事件の3年後、ミニコミ誌「風通信」を創刊。講演などで体験を語り続けてきた。
明石市の犯罪被害者支援条例は2011年に制定された。市議に必要性を説いて回ったのが、とし子さんだった。条例はその後も遺族の声を受けて改正を重ね、14年には加害者の賠償金を市が立て替える制度が盛り込まれた。
だが、刑事裁判にならず、民事上の責任を問われない事件の被害者は利用できず、昨年9月、とし子さんは救済を求める声を上げた。長男の事件で裁判は開かれず、加害者の情報さえ知らされなかった。「私のような体験を誰にもしてほしくない」との一心だった。
遺族らを交えた検討会を経て、市は特例給付金の支給を条例改正案に盛り込んだ。市議会は3月23日、改正案を満場一致で可決。議場で採決を見守ったとし子さんは支援者の角谷團(まどか)さん(63)=明石市=と手を取り合い、涙を流した。「これまでの活動もひと区切りかな」との思いが胸をよぎった。
毎年、事件が起きたこの時期に落ち込む心を抑えられないというとし子さん。それでも少しずつ「前を向けている」と感じる機会が増えたのは3年前、雅生さんの命日にあったある出来事がきっかけだった。
友人に連れられて行った蛍狩り。手渡されたホタルが手の中で瞬く姿に「雅生が帰ってきた」と直感した。友人の優しさと長男へのいとしさに涙をこらえてホタルを放した夜、一句をしたためた。
「手の中の 蛍を放つ涙かな」
遠のいていた俳句会にも足を運ぶようになった。
今でも殺人事件の報道を目にするたび、「私が伝えられることがまだあるのかも」と心が揺れる。「明石市の条例改正は大きな一歩。全国にも広がってくれれば」。とし子さんはミニコミ誌新号の構想を考え始めている。
長男の雅生(まさお)さん=当時(24)=は1996年6月9日、JR明石駅南の国道2号沿いで男に背後から包丁で刺された。
逮捕された男は精神障害で不起訴。裁判で真実を知る機会は奪われた。悲しみとやりきれなさの中で、周囲の「息子さんが2人いて良かったね」などの言葉にも痛苦を味わった。「遺族の胸の内を知って」と事件の3年後、ミニコミ誌「風通信」を創刊。講演などで体験を語り続けてきた。
明石市の犯罪被害者支援条例は2011年に制定された。市議に必要性を説いて回ったのが、とし子さんだった。条例はその後も遺族の声を受けて改正を重ね、14年には加害者の賠償金を市が立て替える制度が盛り込まれた。
だが、刑事裁判にならず、民事上の責任を問われない事件の被害者は利用できず、昨年9月、とし子さんは救済を求める声を上げた。長男の事件で裁判は開かれず、加害者の情報さえ知らされなかった。「私のような体験を誰にもしてほしくない」との一心だった。
遺族らを交えた検討会を経て、市は特例給付金の支給を条例改正案に盛り込んだ。市議会は3月23日、改正案を満場一致で可決。議場で採決を見守ったとし子さんは支援者の角谷團(まどか)さん(63)=明石市=と手を取り合い、涙を流した。「これまでの活動もひと区切りかな」との思いが胸をよぎった。
毎年、事件が起きたこの時期に落ち込む心を抑えられないというとし子さん。それでも少しずつ「前を向けている」と感じる機会が増えたのは3年前、雅生さんの命日にあったある出来事がきっかけだった。
友人に連れられて行った蛍狩り。手渡されたホタルが手の中で瞬く姿に「雅生が帰ってきた」と直感した。友人の優しさと長男へのいとしさに涙をこらえてホタルを放した夜、一句をしたためた。
「手の中の 蛍を放つ涙かな」
遠のいていた俳句会にも足を運ぶようになった。
今でも殺人事件の報道を目にするたび、「私が伝えられることがまだあるのかも」と心が揺れる。「明石市の条例改正は大きな一歩。全国にも広がってくれれば」。とし子さんはミニコミ誌新号の構想を考え始めている。
【特養入所者11人に縛るなどの虐待か 職員22人が関与】朝日新聞 6/9(火) 12:43配信
岡山県勝央町は、町内の特別養護老人ホーム「南光荘」で、入所者11人が職員から腹部をひもで縛られるなどの虐待を受けていたと明らかにした。関与した職員は22人に上り、虐待は日常的に行われていた。施設側は虐待を認め、入所者と家族に謝罪したという。
町や施設によると、遅くとも2年前から今年3月にかけ、職員が入所者のズボンの腰ひもを強く縛ったまま放置するなどの虐待行為を繰り返した。職員らは町に対し「おむつに触れないようにするためだった」と説明したという。「やかましい」などの暴言や、時間内に終わらない入所者の食事を途中で片付ける行為も確認された。
3月に匿名の通報があり発覚。施設側は主導的な役割を担ったとする職員4人を虐待や調査妨害を理由に解雇した。4人は解雇を不服として労働審判を申し立てたという。
岡山県勝央町は、町内の特別養護老人ホーム「南光荘」で、入所者11人が職員から腹部をひもで縛られるなどの虐待を受けていたと明らかにした。関与した職員は22人に上り、虐待は日常的に行われていた。施設側は虐待を認め、入所者と家族に謝罪したという。
町や施設によると、遅くとも2年前から今年3月にかけ、職員が入所者のズボンの腰ひもを強く縛ったまま放置するなどの虐待行為を繰り返した。職員らは町に対し「おむつに触れないようにするためだった」と説明したという。「やかましい」などの暴言や、時間内に終わらない入所者の食事を途中で片付ける行為も確認された。
3月に匿名の通報があり発覚。施設側は主導的な役割を担ったとする職員4人を虐待や調査妨害を理由に解雇した。4人は解雇を不服として労働審判を申し立てたという。
コメント
どのような対応であったかは現場を見なくちゃわからないけれどオムツはずしがある場合、「利用者の尊厳における清潔保持」と言うケアプランが維持できない。
だがズボンの腰紐で脱げないようにすると身体拘束にて虐待。
このように決まりを作った偉い人に現場でどのように対応するのがベストか模範を示していただきたい。
どのような対応であったかは現場を見なくちゃわからないけれどオムツはずしがある場合、「利用者の尊厳における清潔保持」と言うケアプランが維持できない。
だがズボンの腰紐で脱げないようにすると身体拘束にて虐待。
このように決まりを作った偉い人に現場でどのように対応するのがベストか模範を示していただきたい。
【元女性職員がパワハラ訴え勝訴 西条市が控訴の意向「業務上の範囲」】テレビ愛媛
6/8(月) 15:40配信
西条市の保育所で元嘱託職員の女性がパワハラ被害を訴え、西条市が今月3日に94万円余りの支払いを松山地裁から命じられました。西条市はこの判決を不服として控訴する意向です。
この裁判は、西条市立東予南保育所で調理を担当した元嘱託職員の50代の女性が、日常的にパワハラを受け退職を余儀なくされたと損害賠償を求め提訴。松山地裁は今月3日、同僚職員から『給料泥棒』など人格を否定する発言などを認め西条市に94万円余りの支払いを命じました。
西条市はこの判決を不服とし高松高裁に控訴する意向を固めました。「同僚の指導は業務上必要とされる範囲内のもの。パワハラにあたらない」などとしています。
女性の弁護人は「判決を素直に受け入れるべきだ」としています。
6/8(月) 15:40配信
西条市の保育所で元嘱託職員の女性がパワハラ被害を訴え、西条市が今月3日に94万円余りの支払いを松山地裁から命じられました。西条市はこの判決を不服として控訴する意向です。
この裁判は、西条市立東予南保育所で調理を担当した元嘱託職員の50代の女性が、日常的にパワハラを受け退職を余儀なくされたと損害賠償を求め提訴。松山地裁は今月3日、同僚職員から『給料泥棒』など人格を否定する発言などを認め西条市に94万円余りの支払いを命じました。
西条市はこの判決を不服とし高松高裁に控訴する意向を固めました。「同僚の指導は業務上必要とされる範囲内のもの。パワハラにあたらない」などとしています。
女性の弁護人は「判決を素直に受け入れるべきだ」としています。
【保育園のパワハラ訴訟・西条市が控訴へ(愛媛)】あいテレビ6/8(月) 19:38配信
愛媛県西条市の元嘱託職員の女性がパワハラ被害を訴えた裁判で、市の責任を認めた松山地裁の判決を不服として、西条市は8日控訴することを決めました、この裁判は、西条市立東予南保育所で調理の仕事をしていた元嘱託職員の女性が、同僚に日常的にパワハラを受け退職を余儀なくされたとして、市に損害賠償の支払いを求めていたものです。一審の松山地裁は今月3日、「同僚による人格を否定する違法な言動があった」などとして、西条市に対し、94万円の支払いを命じています。市はこの判決を不服として高松高裁に控訴することを決め8日開かれた市議会でその理由を次のように述べました。
武田仁志副市長
「被控訴人(原告)に対する指導は、業務上の必要な指導の範囲内のものでパワハラには該当しないと認識しております」
控訴する日について市は調整中としています。一方、原告の弁護士は、あいテレビの取材に対し「裁判所がパワハラを認めたことは正当なことであり、西条市は素直に認めるべきだ」とコメントしています。
愛媛県西条市の元嘱託職員の女性がパワハラ被害を訴えた裁判で、市の責任を認めた松山地裁の判決を不服として、西条市は8日控訴することを決めました、この裁判は、西条市立東予南保育所で調理の仕事をしていた元嘱託職員の女性が、同僚に日常的にパワハラを受け退職を余儀なくされたとして、市に損害賠償の支払いを求めていたものです。一審の松山地裁は今月3日、「同僚による人格を否定する違法な言動があった」などとして、西条市に対し、94万円の支払いを命じています。市はこの判決を不服として高松高裁に控訴することを決め8日開かれた市議会でその理由を次のように述べました。
武田仁志副市長
「被控訴人(原告)に対する指導は、業務上の必要な指導の範囲内のものでパワハラには該当しないと認識しております」
控訴する日について市は調整中としています。一方、原告の弁護士は、あいテレビの取材に対し「裁判所がパワハラを認めたことは正当なことであり、西条市は素直に認めるべきだ」とコメントしています。
【「パワハラねつ造された」島尻消防組合の職員が提訴 幹部5人に賠償求める】琉球新報6/6(土) 6:34配信
島尻消防組合(沖縄県南城市)で「職場内でのパワハラ」などを理由に減給処分を受け、その後、県人事委員会に処分を取り消された同組合職員の男性(50)が、幹部5人からパワハラをねつ造されるなどの嫌がらせを受けたなどとして、5人に500万円の損害賠償を求めて、那覇地裁に提訴したことが5日、分かった。提訴は5月29日付。男性は「減給処分の取り消しが決まってからも組合側から謝罪を受けていない」とし、「これまでに誠意ある対応がなかったため、やむなく訴訟に踏み切った」と話した。
訴状によると、男性は2018年2月、幹部5人らで構成された同組合の「分限懲戒審査委員会」の調査で、部下へのパワハラと現場指揮における内部規律違反を認定され、同3月に6カ月間・月額10分の1の減給処分を受けた。男性は処分を不服として県人事委員会に処分取り消しを求める審査請求を行い、県人事委が昨年11月、処分取り消しを命じる裁決をしていた。
島尻消防組合(沖縄県南城市)で「職場内でのパワハラ」などを理由に減給処分を受け、その後、県人事委員会に処分を取り消された同組合職員の男性(50)が、幹部5人からパワハラをねつ造されるなどの嫌がらせを受けたなどとして、5人に500万円の損害賠償を求めて、那覇地裁に提訴したことが5日、分かった。提訴は5月29日付。男性は「減給処分の取り消しが決まってからも組合側から謝罪を受けていない」とし、「これまでに誠意ある対応がなかったため、やむなく訴訟に踏み切った」と話した。
訴状によると、男性は2018年2月、幹部5人らで構成された同組合の「分限懲戒審査委員会」の調査で、部下へのパワハラと現場指揮における内部規律違反を認定され、同3月に6カ月間・月額10分の1の減給処分を受けた。男性は処分を不服として県人事委員会に処分取り消しを求める審査請求を行い、県人事委が昨年11月、処分取り消しを命じる裁決をしていた。
男性は、処分の根拠となった調査で、幹部らがパワハラの証言を得るために男性の部下に「高圧的かつ誘導的な事情聴取」をしたり、男性に「電話による嫌がらせ」をしたりしたと主張。男性の内部規律違反を認定するために規定書の改ざんなどの不法行為が行われたなどとしている。
男性の代理人を務める仲宗根忠真弁護士は「結論ありきの男性への処分のために常習的に不法行為が行われた」と指摘し、「民事訴訟の進展を見ながら幹部の刑事告訴も検討している」と明かした。同組合は「訴状を確認していないのでコメントできない」としている。
県人事委が男性への処分取り消しを決定した後の昨年12月には、同組合の管理者である瑞慶覧長敏南城市長が男性に謝罪した。
同組合では男性の処分をめぐる問題のほか、救急活動に関する報告書の書き換えなども発覚。これを受け、第三者委員会が3月に設置され、専門家による調査が行われている。
【女性に暴行加え連帯保証人に→金利減額で風俗あっせん 容疑の男5人逮捕/徳島県警】徳島新聞6/8(月) 8:39配信
女性を風俗店に紹介して働かせたとして、県警組織犯罪対策課と徳島中央署、徳島板野署、牟岐署は7日、職業安定法違反の疑いで北島町、会社役員の男(42)ら男5人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは、飲食店経営の男(24)=徳島市、無職の男(24)=徳島市、会社員の男(23)=徳島市、無職の男(23)=北島町=の4容疑者で、いずれも顔見知り。
逮捕容疑は、会社役員の男(42)ら5人は共謀し、昨年12月中旬ごろ、20代女性を飲食店経営の男(24)が経営するバーに呼び出し、女性の知人の借金の連帯保証人になるよう迫った。女性の知人に暴行して連帯保証人になることを承諾させ、金利を減額する代わりに徳島市内の風俗店に女性を紹介し働かせたとしている。
女性の関係者から署に相談があり事件が発覚した。県警は認否を明らかにしていない。
女性を風俗店に紹介して働かせたとして、県警組織犯罪対策課と徳島中央署、徳島板野署、牟岐署は7日、職業安定法違反の疑いで北島町、会社役員の男(42)ら男5人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは、飲食店経営の男(24)=徳島市、無職の男(24)=徳島市、会社員の男(23)=徳島市、無職の男(23)=北島町=の4容疑者で、いずれも顔見知り。
逮捕容疑は、会社役員の男(42)ら5人は共謀し、昨年12月中旬ごろ、20代女性を飲食店経営の男(24)が経営するバーに呼び出し、女性の知人の借金の連帯保証人になるよう迫った。女性の知人に暴行して連帯保証人になることを承諾させ、金利を減額する代わりに徳島市内の風俗店に女性を紹介し働かせたとしている。
女性の関係者から署に相談があり事件が発覚した。県警は認否を明らかにしていない。
【唾液PCR検査、きょうから可能 安全で簡単に採取、保険適用】共同通信6/2(火) 6:00配信
厚生労働省は、唾液を検体に使い新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査法を2日から認める方針を固めた。現在主流となっている鼻の奥の粘液を綿棒で取る方法よりも安全で簡単に検体を採取できる。従来より迅速に検査を行えるため、多くの人が受けられる可能性がある。国立感染症研究所が2日に検体採取のマニュアルを変更し、厚労省は公的医療保険の適用対象にする。関係者が1日明らかにした。
鼻の奥の粘液を取る方法は、せきやくしゃみが出やすいため、検体を採取する人がウイルスに感染するリスクが高い。ゴーグルやガウンなどの感染防護策を徹底するよう感染研のマニュアルが定めている。
鼻の奥の粘液を取る方法は、せきやくしゃみが出やすいため、検体を採取する人がウイルスに感染するリスクが高い。ゴーグルやガウンなどの感染防護策を徹底するよう感染研のマニュアルが定めている。
【「『もう来なくていいよ』が怖い」発達障害、カミングアウトすべきか…悩む19歳】
2019/12/27 12:04 (2020/6/5 15:45 更新)西日本新聞
◆19歳の地図~ヒカル㊤
「幼い頃から母親の精神的暴力を受けています」-。福岡県に住む19歳のヒカル(仮名・敬称略)から、西日本新聞「あなたの特命取材班」にLINE(ライン)でSOSのメッセージが届いた。一刻も早く今の状況から逃げ出し、新生活を始めたい。だが、さまざまな「壁」が行く手を遮る、と。記者の私(28)は返信した。「とてもつらい思いをしているんだね」―。
ヒカルは発達障害の診断を受けているという。注意欠陥多動性障害(ADHD)と双極性障害(そううつ病)。そのため、複数のことを平行してやることや計算などが苦手だ。
母親には日常的に暴言を吐かれる。「能力的にダメだ」「頭が悪い」「おまえには無理だ」。毎日のように、行動の一つ一つを否定される。「そのたびに気持ちがビリビリに破かれる」。薬の副作用で食欲不振や吐き気に苦しむが、拒否しても食事を強要される。
家を出たい。だが、専門学校をやめ、アルバイトもしていなかったので資金がない。母は1人暮らしに反対。父は音信不通。親しい付き合いのある親戚もいない。
頭に浮かんだのはニュースで知った児童相談所の一時保護。すがる思いで8月、市役所に向かった。
「児童相談所で保護できるのは18歳未満までです」
市役所の担当者にあっさり告げられた。児童福祉法では、18歳未満を児童相談所の一時保護対象としており、18歳以上の未成年は保護の網にかからない。
地元の社会福祉協議会や市役所の複数の課をたらい回しにされた。心の痛みを懸命に伝えたが解決策は示してもらえなかった。「今の状況を訴えれば何とかなると思ったのに。疲れた」
◆精神的な暴力は理解されない
LINEをやりとりしながら、記者の私は日本司法支援センター(法テラス)ならば、未成年でも無料で相談できると思い付いた。
しかし、発達障害があるヒカルは会話が苦手で、初対面の弁護士に相談するのはハードルが高そうだ。代わりに私が、親から虐待を受けている18、19歳から相談があった場合、どのような対応ができるのか、法テラス福岡に聞いてみた。
教えてくれたのは柿木翼常勤弁護士。民法では、親権者に問題がある場合、親権を喪失させ、未成年後見人を代わりに付けるよう、裁判所に申し立てができるという。20歳未満の未成年者が対象だ。
未成年後見人は親族のほか、弁護士や司法書士などがなることが多い。未成年に代わって、学校の入学手続きや賃貸住宅の契約を結ぶこともできるという。
これならば…。柿木弁護士の言葉が希望を打ち消した。「身体的暴力などと違い、今回の場合は言葉による精神的なもの。親権の停止や喪失に至るほど差し迫った事態かというと難しく、未成年後見人は付けられないでしょうね」
「18、19歳は法的には自立できる年齢と考えられ、支援の網から抜け出てしまう子は少なくないです」と柿木弁護士。「制度上の隙間を埋める『援助』が必要」と強調した。
私は厚生労働省家庭福祉課に電話をかけた。だが、児童福祉法の対象外の未成年対策については「管轄ではない」とにべもない。ただ、有識者会議「地域共生社会推進検討会」で18、19歳への支援の必要性を指摘する声があったと教えてくれた。検討会を担当する地域福祉課へ。「会議の結論が出てから、考えていきたい」と答えが返ってきた。
取材内容を伝えると、ヒカルは悔しがった。「19歳の私を法律は助けてくれない。物理的な暴力は苦しみを分かってもらえるけど、精神的な暴力は理解されない。目に見える傷はなくても、死にたくなるほどつらいのに」
◆
私はヒカルと会うことになった。11月。世間は大阪市の小学6年女児誘拐事件の話で持ちきりだった。(黒田加那
2019/12/27 12:04 (2020/6/5 15:45 更新)西日本新聞
◆19歳の地図~ヒカル㊤
「幼い頃から母親の精神的暴力を受けています」-。福岡県に住む19歳のヒカル(仮名・敬称略)から、西日本新聞「あなたの特命取材班」にLINE(ライン)でSOSのメッセージが届いた。一刻も早く今の状況から逃げ出し、新生活を始めたい。だが、さまざまな「壁」が行く手を遮る、と。記者の私(28)は返信した。「とてもつらい思いをしているんだね」―。
ヒカルは発達障害の診断を受けているという。注意欠陥多動性障害(ADHD)と双極性障害(そううつ病)。そのため、複数のことを平行してやることや計算などが苦手だ。
母親には日常的に暴言を吐かれる。「能力的にダメだ」「頭が悪い」「おまえには無理だ」。毎日のように、行動の一つ一つを否定される。「そのたびに気持ちがビリビリに破かれる」。薬の副作用で食欲不振や吐き気に苦しむが、拒否しても食事を強要される。
家を出たい。だが、専門学校をやめ、アルバイトもしていなかったので資金がない。母は1人暮らしに反対。父は音信不通。親しい付き合いのある親戚もいない。
頭に浮かんだのはニュースで知った児童相談所の一時保護。すがる思いで8月、市役所に向かった。
「児童相談所で保護できるのは18歳未満までです」
市役所の担当者にあっさり告げられた。児童福祉法では、18歳未満を児童相談所の一時保護対象としており、18歳以上の未成年は保護の網にかからない。
地元の社会福祉協議会や市役所の複数の課をたらい回しにされた。心の痛みを懸命に伝えたが解決策は示してもらえなかった。「今の状況を訴えれば何とかなると思ったのに。疲れた」
◆精神的な暴力は理解されない
LINEをやりとりしながら、記者の私は日本司法支援センター(法テラス)ならば、未成年でも無料で相談できると思い付いた。
しかし、発達障害があるヒカルは会話が苦手で、初対面の弁護士に相談するのはハードルが高そうだ。代わりに私が、親から虐待を受けている18、19歳から相談があった場合、どのような対応ができるのか、法テラス福岡に聞いてみた。
教えてくれたのは柿木翼常勤弁護士。民法では、親権者に問題がある場合、親権を喪失させ、未成年後見人を代わりに付けるよう、裁判所に申し立てができるという。20歳未満の未成年者が対象だ。
未成年後見人は親族のほか、弁護士や司法書士などがなることが多い。未成年に代わって、学校の入学手続きや賃貸住宅の契約を結ぶこともできるという。
これならば…。柿木弁護士の言葉が希望を打ち消した。「身体的暴力などと違い、今回の場合は言葉による精神的なもの。親権の停止や喪失に至るほど差し迫った事態かというと難しく、未成年後見人は付けられないでしょうね」
「18、19歳は法的には自立できる年齢と考えられ、支援の網から抜け出てしまう子は少なくないです」と柿木弁護士。「制度上の隙間を埋める『援助』が必要」と強調した。
私は厚生労働省家庭福祉課に電話をかけた。だが、児童福祉法の対象外の未成年対策については「管轄ではない」とにべもない。ただ、有識者会議「地域共生社会推進検討会」で18、19歳への支援の必要性を指摘する声があったと教えてくれた。検討会を担当する地域福祉課へ。「会議の結論が出てから、考えていきたい」と答えが返ってきた。
取材内容を伝えると、ヒカルは悔しがった。「19歳の私を法律は助けてくれない。物理的な暴力は苦しみを分かってもらえるけど、精神的な暴力は理解されない。目に見える傷はなくても、死にたくなるほどつらいのに」
◆
私はヒカルと会うことになった。11月。世間は大阪市の小学6年女児誘拐事件の話で持ちきりだった。(黒田加那
◆19歳の地図~ヒカル㊦
家族からの精神的暴力を訴えるLINEを西日本新聞「あなたの特命取材班」に送ってきた19歳のヒカル(仮名・敬称略)。自立を目指して始めたアルバイトは5カ月になる。ただ、発達障害の診断を受けているために「新たな悩みが出てきた」―。
福岡県内で暮らすヒカルは幼い頃からコミュニケーションが苦手だった。がやがやした場所や大勢での会話では、余計な雑音が頭に残る感じがして、集中できない。自分ではその気はないのに、何げない言葉で相手を怒らせてしまうこともあった。
思春期を迎え、いじめに遭った。次第にうつ症状がひどくなり、中学からは保健室登校に。通信制の高校は週2、3日の通学だったが、次第にうつが重くなり、高校2年の頃には起き上がれない日も続いた。
高校はなんとか卒業でき、声優の夢をかなえようと専門学校に進んだ。最初は張り切ってリーダーシップを発揮したが、「そう」と「うつ」の激しい落差ゆえに、夏頃にはまた心が重くなった。症状は悪化、学校をやめることになった。
うつ症状のたび、病院に行こうと思うが体が動かない。家族も手を差し伸べてくれない。退校から1年。体調が少し回復したのを機に、精神科を受診することを思い立った。「未成年は親の同席が必要」と断られることもあったが、病院を探しだし、なけなしの貯金をはたいた。
診断は注意欠陥多動性障害(ADHD)と双極性障害(そううつ病)。「原因が分かったのでちょっと安心した」。独り立ちした後の助けになれば、と障害者手帳も自ら取得した。
思春期を迎え、いじめに遭った。次第にうつ症状がひどくなり、中学からは保健室登校に。通信制の高校は週2、3日の通学だったが、次第にうつが重くなり、高校2年の頃には起き上がれない日も続いた。
高校はなんとか卒業でき、声優の夢をかなえようと専門学校に進んだ。最初は張り切ってリーダーシップを発揮したが、「そう」と「うつ」の激しい落差ゆえに、夏頃にはまた心が重くなった。症状は悪化、学校をやめることになった。
うつ症状のたび、病院に行こうと思うが体が動かない。家族も手を差し伸べてくれない。退校から1年。体調が少し回復したのを機に、精神科を受診することを思い立った。「未成年は親の同席が必要」と断られることもあったが、病院を探しだし、なけなしの貯金をはたいた。
診断は注意欠陥多動性障害(ADHD)と双極性障害(そううつ病)。「原因が分かったのでちょっと安心した」。独り立ちした後の助けになれば、と障害者手帳も自ら取得した。
◆期待に応えたい、苦手は苦手
診断とほぼ同時に始めた店舗スタッフのアルバイト。だが、BGMの流れる店内で客の話をすぐ理解し、対応するのは難しい。計算や複数のことを並行してやるのも得意ではなく在庫管理などで一苦労だ。
「ちゃんとやればできるようになるって」。指導役の先輩に、嫌な顔をされることもある。いらだちを隠せない同僚もいる。
それでも、めげずに頑張るにつれて任される仕事も増えてきた。期待に応えたい。でも、苦手は苦手だ。
いろいろな考えが頭を巡る。発達障害があることを明かして配慮してもらおうとも思う。だが、周囲に知識があるとも限らない。「後出しで告白するのは言い訳がましい」と反論する自分もいる。
正直、給料もいい。何より「面倒な存在になって、『もう来なくていいよ』となるのが怖い」。カミングアウトすべきか、否か。答えは出ない。
クリスマスのにぎわいを見せる福岡市・天神で、記者の私(28)はヒカルと近況を語り合った。
ヒカルは職場で今でもミスをするし、厳しい言葉をかけられることもある。それでも、バイトのことを語る声には張りがあった。
自立資金として約40万円をためたという。20歳になれば、物件の契約も親の同意書なしにできるようになる。敷金や礼金がかからない安い物件を探さないといけない。「期待と不安が半々です」
うれしいこともあった。ある日、店でうずくまっている高齢女性に気がつき、声をかけた。女性は感謝し、「優しい店員さんだよ」と仲間の前でほめてくれた。「まだまだできない仕事の方が多いんですけどね」。照れくさそうにほほ笑んだ。
毎日、いいことばかりがあるわけじゃない。それでも、19歳のヒカルの地図には小さな自信が刻まれている。(黒田加那)
診断とほぼ同時に始めた店舗スタッフのアルバイト。だが、BGMの流れる店内で客の話をすぐ理解し、対応するのは難しい。計算や複数のことを並行してやるのも得意ではなく在庫管理などで一苦労だ。
「ちゃんとやればできるようになるって」。指導役の先輩に、嫌な顔をされることもある。いらだちを隠せない同僚もいる。
それでも、めげずに頑張るにつれて任される仕事も増えてきた。期待に応えたい。でも、苦手は苦手だ。
いろいろな考えが頭を巡る。発達障害があることを明かして配慮してもらおうとも思う。だが、周囲に知識があるとも限らない。「後出しで告白するのは言い訳がましい」と反論する自分もいる。
正直、給料もいい。何より「面倒な存在になって、『もう来なくていいよ』となるのが怖い」。カミングアウトすべきか、否か。答えは出ない。
クリスマスのにぎわいを見せる福岡市・天神で、記者の私(28)はヒカルと近況を語り合った。
ヒカルは職場で今でもミスをするし、厳しい言葉をかけられることもある。それでも、バイトのことを語る声には張りがあった。
自立資金として約40万円をためたという。20歳になれば、物件の契約も親の同意書なしにできるようになる。敷金や礼金がかからない安い物件を探さないといけない。「期待と不安が半々です」
うれしいこともあった。ある日、店でうずくまっている高齢女性に気がつき、声をかけた。女性は感謝し、「優しい店員さんだよ」と仲間の前でほめてくれた。「まだまだできない仕事の方が多いんですけどね」。照れくさそうにほほ笑んだ。
毎日、いいことばかりがあるわけじゃない。それでも、19歳のヒカルの地図には小さな自信が刻まれている。(黒田加那)
【「発達障害支援ハンドブック」8年ぶり改訂】富山テレビ6/5(金) 16:45配信
発達障がいの特性に配慮した支援の基本についてまとめた「発達障害支援ハンドブック」が8年ぶりに改訂されました。
発達障がいの特性に配慮した支援の基本についてまとめた「発達障害支援ハンドブック」が8年ぶりに改訂されました。
発達障がい児は、コミュニケーションや感覚の問題など特有の困難を抱えており、ライフステージを通してそれらに配慮した個別の支援が必要とされています。
今回の改訂では乳幼児期や学齢期、成人期における身近な相談窓口や医療機関、支援のポイントなどが詳しく紹介されています。
新しい「発達障害支援ハンドブック」は、県内の教育機関や事業所およそ1400カ所で活用されることになっており、5日は県の発達障害者支援センター「ほっぷ」のスタッフが発送作業に追われていました。
県発達障害者支援センターほっぷ 北川忠さん「障がいの特性のある人もない人も、同じ生まれ育った地域の1人として育っていけるような共生社会をつくっていくことが願うところ」
このハンドブックは、ほっぷのホームページからダウンロードすることも出来ます。
今回の改訂では乳幼児期や学齢期、成人期における身近な相談窓口や医療機関、支援のポイントなどが詳しく紹介されています。
新しい「発達障害支援ハンドブック」は、県内の教育機関や事業所およそ1400カ所で活用されることになっており、5日は県の発達障害者支援センター「ほっぷ」のスタッフが発送作業に追われていました。
県発達障害者支援センターほっぷ 北川忠さん「障がいの特性のある人もない人も、同じ生まれ育った地域の1人として育っていけるような共生社会をつくっていくことが願うところ」
このハンドブックは、ほっぷのホームページからダウンロードすることも出来ます。
【“バルコニーの柵にぶら下がった”高齢女性が転落死…老人ホーム3階の部屋に入居 助けようとするも転落】東海テレビ
6/5(金) 16:04配信
愛知県春日井市で5日未明、老人ホームの3階のバルコニーから90代くらいの女性が転落し、死亡しました。警察が経緯を調べています。
5日午前5時ごろ、春日井市下条町3丁目の有料老人ホーム「長寿苑春日井」で、「人が落ちそうになっている」と、近所の男性から警察に通報がありました。
警察官が駆け付けると、90代くらいの女性が地面に倒れていて、病院に運ばれましたが死亡しました。
警察によりますと、女性が3階のバルコニーの柵につかまりぶら下がっているのを通報した男性が目撃していて、施設の職員が引きあげようとしましたが転落したということです。
転落したのは3階の部屋に1人で入居していた女性とみられ、警察が詳しい経緯を調べています。
【不払い養育費立て替え 兵庫・明石市が全国初 コロナ禍のひとり親に対応】毎日新聞 6/5(金) 19:30配信
兵庫県明石市は5日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で困窮するひとり親世帯に対し、不払いになった養育費を市が立て替えると発表した。保証会社による立て替え事業では、離婚相手の資力審査などがハードルになるケースもある。緊急的な措置として、市がひとり親世帯の養育費を立て替え、相手からの回収も担う。行政による養育費の立て替え制度は全国初という。
市によると、ひとり親世帯で、市内在住の子どもに対する養育費が対象。家庭裁判所による調停調書や公証役場の公正証書などで養育費の取り決めがあることが条件。6月や7月の養育費に不払いがあれば、市が相手に支払いを促し、応じない場合は市が1カ月分(上限5万円)に限って立て替える。市は給与や預貯金などの差し押さえも視野に回収する。回収できない場合は市費を充当するという。市内の300世帯を想定しており、6月議会の補正予算案に1680万円を計上した。受付期間は7~8月。
泉房穂市長は「養育費は愛情という色のついたお金で、子どもが頑張る動機になる。民間には限界があり、国が対策に乗り出すべきだ」と述べた。
ひとり親世帯については、厚生労働省の調査(2016年)によると、母子世帯の場合、離婚した父親からの養育費について「(支払いを)現在も受けている」と答えた割合は24%にとどまる。明石市は19年からは条例化へ向けて専門家でつくる検討会を設け、悪質な不払いに対しては氏名の公表や過料を科す対策を検討している。
◇「国が対応すべき」二宮周平・立命館大教授
二宮周平・立命館大教授(家族法)の話 先進的な取り組みで高く評価できる。コロナ禍に限らず、養育費の立て替えと回収に行政が取り組めば、ひとり親世帯は養育費を確実に得られる。住む地域で養育費の確保が不公平にならないように、自治体単位ではなく、国が対応するべきだ。
【2日で1食、一家心中を考えた人も──「コロナ解雇」された女性たちの悲痛告白】週刊女性プライム 6/5(金) 21:00配信
1.
「自分がコロナに感染したらどうしよう、コロナにかかったら最後だなと思っています。倒れたら収入がなくなります。精神的にうつになってもいけないと今も気を張っています。私が病んだら、子どもたちを守れないからです」
新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)する直前、今年2月に離婚したシングルマザーの高橋裕子さん(仮名、30代)は、とにかく感染しないことを最優先に非常事態を生き抜いてきた。
新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)する直前、今年2月に離婚したシングルマザーの高橋裕子さん(仮名、30代)は、とにかく感染しないことを最優先に非常事態を生き抜いてきた。
生活を脅かされるシングルマザー
5月末、緊急事態宣言の全面解除を受け安倍晋三首相は「感染リスクをコントロールしながら、段階的に社会経済活動のレベルを引き上げる」と、経済活動の再始動に舵を切り始めた。
しかし、自粛の要請で商業施設や飲食店などが休業を余儀なくされた4月から5月にかけて、日本各地で経済活動は停滞し、国民が打撃を受けている。
アパレル大手『レナウン』は経営破綻に追い込まれ、大手旅行会社『HIS』は夏のボーナスを支給しないことを決定。コロナ不況がじわりじわりと広がり、非正規労働者が4月に、97万人減少していたことも判明。
踏み止まっている人も6月いっぱいでの「雇い止め」が懸念される中、シングルマザーも生活を脅かされる日々を送っている。
NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ』には現在、メールや電話による相談が、1日20~30件あるという。同会の小森雅子さんは、
「相談に来られる方の特徴としては、経済的にお困りの方が多いです。ここ1、2か月は何とかなるけど、その後に不安を持っている人が多い。子どもが休校になり、家で面倒を見るために仕事に行けないという方がたくさんいます」
と現状を伝え、生活の一端を次のように明かす。
「切り詰めるところは食費しかないので、子どもには食べさせますが、自分が1日に1食だけ、なかには2日に1回しか食べませんとおっしゃるお母さんもいます。
健康を害するレベルの切り詰め方で、体重が4キロ減りましたという方もいます。肉体的精神的にも追い込まれていますが、過去に役所に相談した際に、何の保障も得られなかったこともあり、どうせ助けを求めてもダメだろうと、あきらめている方は大勢います」
先進国で最悪のレベルと指摘されていた、日本におけるひとり親家庭の相対的貧困率が、ここにきてシングルマザーをいっそう苦しめている。
5月末、緊急事態宣言の全面解除を受け安倍晋三首相は「感染リスクをコントロールしながら、段階的に社会経済活動のレベルを引き上げる」と、経済活動の再始動に舵を切り始めた。
しかし、自粛の要請で商業施設や飲食店などが休業を余儀なくされた4月から5月にかけて、日本各地で経済活動は停滞し、国民が打撃を受けている。
アパレル大手『レナウン』は経営破綻に追い込まれ、大手旅行会社『HIS』は夏のボーナスを支給しないことを決定。コロナ不況がじわりじわりと広がり、非正規労働者が4月に、97万人減少していたことも判明。
踏み止まっている人も6月いっぱいでの「雇い止め」が懸念される中、シングルマザーも生活を脅かされる日々を送っている。
NPO法人『しんぐるまざあず・ふぉーらむ』には現在、メールや電話による相談が、1日20~30件あるという。同会の小森雅子さんは、
「相談に来られる方の特徴としては、経済的にお困りの方が多いです。ここ1、2か月は何とかなるけど、その後に不安を持っている人が多い。子どもが休校になり、家で面倒を見るために仕事に行けないという方がたくさんいます」
と現状を伝え、生活の一端を次のように明かす。
「切り詰めるところは食費しかないので、子どもには食べさせますが、自分が1日に1食だけ、なかには2日に1回しか食べませんとおっしゃるお母さんもいます。
健康を害するレベルの切り詰め方で、体重が4キロ減りましたという方もいます。肉体的精神的にも追い込まれていますが、過去に役所に相談した際に、何の保障も得られなかったこともあり、どうせ助けを求めてもダメだろうと、あきらめている方は大勢います」
先進国で最悪のレベルと指摘されていた、日本におけるひとり親家庭の相対的貧困率が、ここにきてシングルマザーをいっそう苦しめている。
2.
コロナ禍に乗じた使い捨てが横行
労働トラブルに悩んでいる人の駆け込み寺として機能しているNPO法人『労働相談カフェ東京』の横川高幸理事長は、
「もともとの生活ベースが厳しい方にとっては、今回のコロナ騒動は致命的な出来事だと思います」
と指摘し、コロナだから解雇もしかたないんだ、という従業員の生活を守る意識の低い経営者による安易な解雇の風潮に釘を刺す。
「シフト制で働いているがシフトを入れず『雇い止め』にして解雇という責任を曖昧にするケースが増えています。
さらに正社員のシングルマザーも追い込まれています。子どもが休校になり面倒をみることになると“君には仕事を任せられない”というケースがありました。
こういう場合は、『小学校休業等対応助成金』(子どもの世話を行うことが必要になった労働者に有休を与えると、事業者が助成金を受ける対象になる制度)があり、事業者は助成を受けられますが、手続きが面倒でやりたがらない。このシングルマザーは申請をしてもらえませんでした」
5月中旬、飲食店の事務の仕事を即時解雇になったという20代のシングルマザー・田所美佐子さん(仮名)は、会社の対応に怒り心頭だ。
「緊急事態宣言が解除になってもお店を開けるかどうかわからない、急きょ人員を減らす、という説明でした。その後の保障は何もありません」
と政府が設定した生活を支えるための支援を活用することさえもしなかったという。
コロナ禍に乗じた使い捨てに田所さんは、
「私と同時期にパートの妊婦の方も解雇になりました。もうすぐ産休に入るというので、切りやすいと解雇になったんです。弱い立場の人を標的にしていることに本当に腹が立ちます」
現在、田所さんは新たなパートの仕事を見つけ、シール張りの内職と兼業で子どもを支えている。
正規雇用でも安泰ではない
パートやアルバイトにとどまらず、正社員にもしわ寄せが。
入社2年目で解雇されたという池上葉子さん(仮名、20代)は、
「私は仕事が好きだったので、生きる目標を失いました」
とがっかり肩を落とす。都内の人材関連の広告代理店が職場だったが、
「3月からテレワークが始まり、4月から休業で、4月末に、5月からもこの状態が継続するという連絡が来ました」
ところが5月1日、国際的に労働者の祭典の日であるメーデーに、
「メールで解雇通知を受け取りました。ほとんどの社員が一斉に解雇されました」
と池上さん。
「売り上げが当初の20%くらいになってしまって、会社の存続のためには人材を削るしかないという判断になったとのことでした。突然だったので焦りました。
貯蓄が80万円くらいありますが、学生の妹と住んでいて、節約しても4か月くらいしかもたないと思います」
新卒で入ったので、退職金はないという。
「失業保険の手続きはしました。今度、『住居確保給付金』(表参照)の申請に行きます。妹はバイトをしていましたが、この春に仕事がなくなってしまいました。最近は、食事の回数を減らしたりして節約しています」(池上さん)
現在、次の仕事を探しているが、再就職もままならない状態が続く。
「実家の家族には、解雇になったことは言っていません。心配かけたくないので、今もずっとテレワークだと伝えています。転職した後に報告するつもりです。
次は、どんな状況でもつぶれない安定した会社で働きたいですね」
未知のウイルスが原因とはいえ、就職2年目で直面するにはむごい現実だ。
池上さんは、
「『緊急小口資金』(表参照)は、返さなければいけないお金なので、あまり借りたくない気持ちがあります」
と躊躇(ちゅうちょ)しているが、あらゆる公的支援を利用してでも、コロナ禍を生き延びることが先決だ。
労働トラブルに悩んでいる人の駆け込み寺として機能しているNPO法人『労働相談カフェ東京』の横川高幸理事長は、
「もともとの生活ベースが厳しい方にとっては、今回のコロナ騒動は致命的な出来事だと思います」
と指摘し、コロナだから解雇もしかたないんだ、という従業員の生活を守る意識の低い経営者による安易な解雇の風潮に釘を刺す。
「シフト制で働いているがシフトを入れず『雇い止め』にして解雇という責任を曖昧にするケースが増えています。
さらに正社員のシングルマザーも追い込まれています。子どもが休校になり面倒をみることになると“君には仕事を任せられない”というケースがありました。
こういう場合は、『小学校休業等対応助成金』(子どもの世話を行うことが必要になった労働者に有休を与えると、事業者が助成金を受ける対象になる制度)があり、事業者は助成を受けられますが、手続きが面倒でやりたがらない。このシングルマザーは申請をしてもらえませんでした」
5月中旬、飲食店の事務の仕事を即時解雇になったという20代のシングルマザー・田所美佐子さん(仮名)は、会社の対応に怒り心頭だ。
「緊急事態宣言が解除になってもお店を開けるかどうかわからない、急きょ人員を減らす、という説明でした。その後の保障は何もありません」
と政府が設定した生活を支えるための支援を活用することさえもしなかったという。
コロナ禍に乗じた使い捨てに田所さんは、
「私と同時期にパートの妊婦の方も解雇になりました。もうすぐ産休に入るというので、切りやすいと解雇になったんです。弱い立場の人を標的にしていることに本当に腹が立ちます」
現在、田所さんは新たなパートの仕事を見つけ、シール張りの内職と兼業で子どもを支えている。
正規雇用でも安泰ではない
パートやアルバイトにとどまらず、正社員にもしわ寄せが。
入社2年目で解雇されたという池上葉子さん(仮名、20代)は、
「私は仕事が好きだったので、生きる目標を失いました」
とがっかり肩を落とす。都内の人材関連の広告代理店が職場だったが、
「3月からテレワークが始まり、4月から休業で、4月末に、5月からもこの状態が継続するという連絡が来ました」
ところが5月1日、国際的に労働者の祭典の日であるメーデーに、
「メールで解雇通知を受け取りました。ほとんどの社員が一斉に解雇されました」
と池上さん。
「売り上げが当初の20%くらいになってしまって、会社の存続のためには人材を削るしかないという判断になったとのことでした。突然だったので焦りました。
貯蓄が80万円くらいありますが、学生の妹と住んでいて、節約しても4か月くらいしかもたないと思います」
新卒で入ったので、退職金はないという。
「失業保険の手続きはしました。今度、『住居確保給付金』(表参照)の申請に行きます。妹はバイトをしていましたが、この春に仕事がなくなってしまいました。最近は、食事の回数を減らしたりして節約しています」(池上さん)
現在、次の仕事を探しているが、再就職もままならない状態が続く。
「実家の家族には、解雇になったことは言っていません。心配かけたくないので、今もずっとテレワークだと伝えています。転職した後に報告するつもりです。
次は、どんな状況でもつぶれない安定した会社で働きたいですね」
未知のウイルスが原因とはいえ、就職2年目で直面するにはむごい現実だ。
池上さんは、
「『緊急小口資金』(表参照)は、返さなければいけないお金なので、あまり借りたくない気持ちがあります」
と躊躇(ちゅうちょ)しているが、あらゆる公的支援を利用してでも、コロナ禍を生き延びることが先決だ。
3.
一家心中を考えている事例が全国で何例も
この春、立ち上げた政策提言組織『生存のためのコロナ対策ネットワーク』の共同代表を務める社会福祉士の藤田孝典さんは、次のように手順を示す。
「家賃の支払いが難しい場合は『住居確保給付金』か『緊急小口資金』の特例貸し付け、それでも厳しい方は『生活保護制度』の利用を促します。住居確保給付金は最低3か月、最大9か月の間、家賃を給付してくれるので、比較的使い勝手がいい。
自治体の福祉課に行けば、自立相談窓口を紹介してくれるはずです。ただ、窓口が混んでいるので、支給まで時間がかかります。
緊急小口資金の特例貸し付けは、最大20万円まで無利子無担保、保証人もなくて貸し付けますよという制度です。窓口は社会福祉協議会です」(下の表参照)
金銭的な問題は、さまざまな支援制度が活用できるが、新型コロナウイルスは生活を壊すと同時に、生活者の心を壊している。
自治体や国も、精神保健福祉センターなどで悩み相談を受け付けたり、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』で情報提供や健康相談を受け付けたりなどしている。
しかし心の問題は、前出・藤田さんのところにも持ち込まれるという。
「一家心中を考えている事例がありました。それも全国から何例もです。
あるケースは、もともと、うつ病があって死にたいという気持ちが出てしまうお母さんだったんですが、これまで何とか踏ん張ってきたところ、中学生になる娘さんとケンカになってしまった。
娘さんも多感な時期なので、何で母子家庭になったんだと責めてしまう。感染拡大しないためにずっと一緒に家にいるので、ケンカが絶えなくなる。お母さんも仕事がなく、両者ともうつうつとしてしまって、このままこの状況が続いたら娘に手をかけてしまうかもしれない、という相談でした」
いつも以上に家族が密接することで、適度な距離を保てずに摩擦が生じることが増えている。
「心の悩みでいちばん重要なことは、話を聞いてあげることです。
『いのちの電話』とか『寄り添いホットライン』などといったサービスを活用して、まずは死にたくなるほどつらいという話を誰かに打ち明けて和らげてほしい。
ただ、それらを運営するボランティア団体は予算が少なく、疲弊しています。コロナの問題の前から団体の高齢化は進んでいますし、これを機に見つめ直す必要があると思います」
前出・藤田さんはそのように提言する。
この春、立ち上げた政策提言組織『生存のためのコロナ対策ネットワーク』の共同代表を務める社会福祉士の藤田孝典さんは、次のように手順を示す。
「家賃の支払いが難しい場合は『住居確保給付金』か『緊急小口資金』の特例貸し付け、それでも厳しい方は『生活保護制度』の利用を促します。住居確保給付金は最低3か月、最大9か月の間、家賃を給付してくれるので、比較的使い勝手がいい。
自治体の福祉課に行けば、自立相談窓口を紹介してくれるはずです。ただ、窓口が混んでいるので、支給まで時間がかかります。
緊急小口資金の特例貸し付けは、最大20万円まで無利子無担保、保証人もなくて貸し付けますよという制度です。窓口は社会福祉協議会です」(下の表参照)
金銭的な問題は、さまざまな支援制度が活用できるが、新型コロナウイルスは生活を壊すと同時に、生活者の心を壊している。
自治体や国も、精神保健福祉センターなどで悩み相談を受け付けたり、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』で情報提供や健康相談を受け付けたりなどしている。
しかし心の問題は、前出・藤田さんのところにも持ち込まれるという。
「一家心中を考えている事例がありました。それも全国から何例もです。
あるケースは、もともと、うつ病があって死にたいという気持ちが出てしまうお母さんだったんですが、これまで何とか踏ん張ってきたところ、中学生になる娘さんとケンカになってしまった。
娘さんも多感な時期なので、何で母子家庭になったんだと責めてしまう。感染拡大しないためにずっと一緒に家にいるので、ケンカが絶えなくなる。お母さんも仕事がなく、両者ともうつうつとしてしまって、このままこの状況が続いたら娘に手をかけてしまうかもしれない、という相談でした」
いつも以上に家族が密接することで、適度な距離を保てずに摩擦が生じることが増えている。
「心の悩みでいちばん重要なことは、話を聞いてあげることです。
『いのちの電話』とか『寄り添いホットライン』などといったサービスを活用して、まずは死にたくなるほどつらいという話を誰かに打ち明けて和らげてほしい。
ただ、それらを運営するボランティア団体は予算が少なく、疲弊しています。コロナの問題の前から団体の高齢化は進んでいますし、これを機に見つめ直す必要があると思います」
前出・藤田さんはそのように提言する。
4.
辞めてくれるのを期待する経営者のずるさ
労働組合などに寄せられる解雇や雇い止めの問題。社会的支援を誰しもが利用できる権利があるが、それさえも頼れない、無責任きわまりないケースもある。
接骨院でパート勤務していた50代の山瀬智子さん(仮名)は、5月25日に解雇らしいことを伝えられた。
「接骨院は濃厚接触になり危険だから、完全予約制にして(院長)ひとりでやっていく。みなさん、それぞれお仕事を探してください、と言われたのですが、雇用調整助成金の申請も『うちでは難しくてできません』と拒まれました。解雇なんですか、と聞いても、はっきり言わない。
休業補償もしないで、なんとなく辞めてくれるのを期待するそのずるさが許せないんです。
5月2日に、緊急事態宣言が解除されないので、このまま自宅待機をお願いします、と言われていたんです。その時点で、保障もできないから解雇です、と言われたほうがよかった。なんとなく期待をもって待ってしまったので、余計にショックでした」
なじみの患者さんに別れの挨拶もできぬまま、2度と職場に戻ることはできなくなってしまった。
労働組合などに寄せられる解雇や雇い止めの問題。社会的支援を誰しもが利用できる権利があるが、それさえも頼れない、無責任きわまりないケースもある。
接骨院でパート勤務していた50代の山瀬智子さん(仮名)は、5月25日に解雇らしいことを伝えられた。
「接骨院は濃厚接触になり危険だから、完全予約制にして(院長)ひとりでやっていく。みなさん、それぞれお仕事を探してください、と言われたのですが、雇用調整助成金の申請も『うちでは難しくてできません』と拒まれました。解雇なんですか、と聞いても、はっきり言わない。
休業補償もしないで、なんとなく辞めてくれるのを期待するそのずるさが許せないんです。
5月2日に、緊急事態宣言が解除されないので、このまま自宅待機をお願いします、と言われていたんです。その時点で、保障もできないから解雇です、と言われたほうがよかった。なんとなく期待をもって待ってしまったので、余計にショックでした」
なじみの患者さんに別れの挨拶もできぬまま、2度と職場に戻ることはできなくなってしまった。
前出・『労働相談カフェ東京』の横川理事長は、
「大企業の方の相談は少数です。大企業は解雇するにしても、ちゃんと退職の募集をするなど手続きを踏んでいて、余力のあるうちにいい条件で辞めてもらったり、解雇を回避する努力をしている。
ところが、中小企業は手続きなんか完全に無視で、突然解雇されるなんてこともあります。それも巧妙に、アルバイトになるか辞めるか二者択一を迫ったり、地方に転勤するか辞めるかを選ばせたり、やり方がひどい。この人は訴えてこないと思われてしまう人は損をさせられている印象を受けます」
と、泣き寝入りにならない姿勢の大切さを訴える。
経営努力を放棄して従業員を使い捨てにする“コロナ解雇”をされないためにも、公的な支援制度や相談窓口の存在などに普段から気を配っておくしかない。
「大企業の方の相談は少数です。大企業は解雇するにしても、ちゃんと退職の募集をするなど手続きを踏んでいて、余力のあるうちにいい条件で辞めてもらったり、解雇を回避する努力をしている。
ところが、中小企業は手続きなんか完全に無視で、突然解雇されるなんてこともあります。それも巧妙に、アルバイトになるか辞めるか二者択一を迫ったり、地方に転勤するか辞めるかを選ばせたり、やり方がひどい。この人は訴えてこないと思われてしまう人は損をさせられている印象を受けます」
と、泣き寝入りにならない姿勢の大切さを訴える。
経営努力を放棄して従業員を使い捨てにする“コロナ解雇”をされないためにも、公的な支援制度や相談窓口の存在などに普段から気を配っておくしかない。
【生きづらさ抱える視覚障害者 新しい生活様式、感染防止の取り組み「壁」に】長崎新聞
6/5(金) 11:45配信
新型コロナウイルスの感染拡大で、マスク着用や人と人との距離の確保など「新しい生活様式」が求められている。日常生活のさまざまな場面でサポートを必要とする視覚障害者たちはどのような状況に置かれているのか。長崎県内の当事者たちの声を聞いた。
6/5(金) 11:45配信
新型コロナウイルスの感染拡大で、マスク着用や人と人との距離の確保など「新しい生活様式」が求められている。日常生活のさまざまな場面でサポートを必要とする視覚障害者たちはどのような状況に置かれているのか。長崎県内の当事者たちの声を聞いた。
県などによると、県内の視覚障害者数は約5400人。障害の程度に応じて、家事援助などの居宅介護サービスや、同行援護などの障害福祉サービスを受けている。ボランティア団体などが、役所の広報誌などを音読・録音したCDなども貴重な生活情報源だ。
「新しい生活様式は、障害者のことを全く考えてない」。佐世保市で鍼灸(しんきゅう)院を営む全盲の牟田口達也さんは口調を強めて言った。
新型コロナをきっかけに視覚障害者を取り巻く環境は変わった。
「3密」を避けるため、スーパーなどの床に間隔テープが貼られているが、それが見えない。トレーに置かれたおつりも取れない。飛沫防止シートも店員の声が聞こえづらい。
視覚障害者は、外出時に移動の手引きなどをしてもらう「同行援護」を利用することが多いが、「ソーシャルディスタンスを取るのは無理」と男性。感染防止で推奨される取り組みの多くが、障害者にとって「壁」になっている。
全国民に一律10万円を配る特別定額給付金の申請にも支障を来している。オンラインで申請する場合、振込先口座の確認書類を撮影してアップロードする必要があるが、撮影もアップロードもできない。郵送の場合も一人では記入が困難。西彼時津町の男性は「介助者などに頼めば口座番号などの情報を見られることになる。抵抗はあるが、そういう状況を諦めている人は多い」と実情を明かす。
こうした状況を受け、日本視覚障害者団体連合(東京)は4、5月、政府に要望書を提出。障害者への同行援護や、コロナ関連の経済支援策の申請に関する代筆・代読支援などの公的福祉サービスを確実に受けられるようにすることなどを求めた。政府は、同行援護者が買い物代行などもできる特例措置を決定したが、当事者間では「不十分だ」との声が上がる。
何人もの当事者に取材して意外だったのは、必要最低限の福祉サービスを受けていれば、コロナ禍でも「特に困っていることはない」と話す障害者が少なくなかったことだ。
ただ、よくよく話を聞いてみると「テークアウトの情報が入ってこないから利用できない」「手で触って人や物を判別するが、このご時世触りづらい」「外出が減った」など影響は確実に出ていた。
佐世保市黒髪町に住む弱視の後藤郁子さん(60)は「困り事があるのが私たちにとっての『普通』。だからコロナの影響にも疎いのよ」と声を落とす。
福祉問題に詳しい長崎国際大人間社会学部の木下一雄講師は、健常者を前提とした「新しい生活様式」の中で視覚障害者が取り残されていると危惧。「障害者の声をしっかり聞き取り、コロナ禍での政策に反映させる必要がある」と指摘している。
ある男性当事者の言葉が印象的だった。
「バリアフリー」とは人の手を借りず、障害者が一人で何でもできる状況を指すのではない。必要に応じて周囲が支援しながら、障害者が一人ででもできる環境を整えていくことだ-。
第2波、第3波への警戒感が強まる中、コロナとの共生はもちろんだが、障害者との共生、ノーマライゼーションの理念についてもいま一度考えることが求められている。
「新しい生活様式は、障害者のことを全く考えてない」。佐世保市で鍼灸(しんきゅう)院を営む全盲の牟田口達也さんは口調を強めて言った。
新型コロナをきっかけに視覚障害者を取り巻く環境は変わった。
「3密」を避けるため、スーパーなどの床に間隔テープが貼られているが、それが見えない。トレーに置かれたおつりも取れない。飛沫防止シートも店員の声が聞こえづらい。
視覚障害者は、外出時に移動の手引きなどをしてもらう「同行援護」を利用することが多いが、「ソーシャルディスタンスを取るのは無理」と男性。感染防止で推奨される取り組みの多くが、障害者にとって「壁」になっている。
全国民に一律10万円を配る特別定額給付金の申請にも支障を来している。オンラインで申請する場合、振込先口座の確認書類を撮影してアップロードする必要があるが、撮影もアップロードもできない。郵送の場合も一人では記入が困難。西彼時津町の男性は「介助者などに頼めば口座番号などの情報を見られることになる。抵抗はあるが、そういう状況を諦めている人は多い」と実情を明かす。
こうした状況を受け、日本視覚障害者団体連合(東京)は4、5月、政府に要望書を提出。障害者への同行援護や、コロナ関連の経済支援策の申請に関する代筆・代読支援などの公的福祉サービスを確実に受けられるようにすることなどを求めた。政府は、同行援護者が買い物代行などもできる特例措置を決定したが、当事者間では「不十分だ」との声が上がる。
何人もの当事者に取材して意外だったのは、必要最低限の福祉サービスを受けていれば、コロナ禍でも「特に困っていることはない」と話す障害者が少なくなかったことだ。
ただ、よくよく話を聞いてみると「テークアウトの情報が入ってこないから利用できない」「手で触って人や物を判別するが、このご時世触りづらい」「外出が減った」など影響は確実に出ていた。
佐世保市黒髪町に住む弱視の後藤郁子さん(60)は「困り事があるのが私たちにとっての『普通』。だからコロナの影響にも疎いのよ」と声を落とす。
福祉問題に詳しい長崎国際大人間社会学部の木下一雄講師は、健常者を前提とした「新しい生活様式」の中で視覚障害者が取り残されていると危惧。「障害者の声をしっかり聞き取り、コロナ禍での政策に反映させる必要がある」と指摘している。
ある男性当事者の言葉が印象的だった。
「バリアフリー」とは人の手を借りず、障害者が一人で何でもできる状況を指すのではない。必要に応じて周囲が支援しながら、障害者が一人ででもできる環境を整えていくことだ-。
第2波、第3波への警戒感が強まる中、コロナとの共生はもちろんだが、障害者との共生、ノーマライゼーションの理念についてもいま一度考えることが求められている。
【8050問題」に一括対応 改正社会福祉法が成立】共同通信6/5(金) 12:54配信
ひきこもりや介護、貧困といった複合的な課題を抱える家庭に対し、一括して相談に乗れるよう市区町村を財政面で支援する改正社会福祉法が、5日の参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。親が80代、子どもが50代になり、親子で生活に困窮する「8050問題」などに対応する狙い。2021年4月から施行する。
8050問題や、親の介護と育児を同時に担う「ダブルケア」では、分野ごとに相談窓口が分かれているため、たらい回しや、情報が共有されず支援が途絶えてしまうケースが多い。
改正法では、市区町村が包括的な支援体制を構築できるような仕組みを創設する。
【北海道最大のクラスターが起きた介護福祉施設 "復興計画"を発表…目標は7月上旬「入所者全員が陰性に」】北海道テレビニュース 6/5(金) 21:25配信
新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)が発生した札幌市北区の介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」が6月5日、復興計画を発表しました。
茨戸アカシアハイツには現在40人の入所者がいて、そのうち陽性者は15人です。
施設は今後1か月を4段階に分け、施設内のゾーニングと消毒し、清潔で安全な「グリーンゾーン」を広げていきます。
不足が指摘されていた職員は、復帰や採用により確保していきたいとしています。
感染した入所者すべてが陰性になり、施設として復興する時期を7月上旬を目指すということです。
茨戸アカシアハイツの入所者で亡くなった人は4日、新たに1人増え16人となり、そのうち11人が施設内で亡くなっています。
【「第2波」備え、障害者支援施設が感染予防策手探り 仮設の専用病室設置も 仙台】6/5(金) 10:46配信
新型コロナウイルスの感染には、障害者支援施設の関係者も神経をとがらせる。宮城県外では大規模なクラスター(感染者集団)が発生したことから、専用の病室を設けるなどの工夫をしつつ、「第2波」の到来にも備えている。【滝沢一誠】
「入居者には基礎疾患を持っている人が多く、一人でも感染したら大変なことになる」。「太白ありのまま舎」(仙台市太白区)の白江浩施設長は危機感をあらわにした。
施設には重度の障害や病気があり、日常的に介護が必要な49人が入居し、約60人の職員が勤務する。インフルエンザが流行する冬を中心に感染症対策には気を配っていたが、千葉県の障害者施設で3月下旬に職員や入居者の家族を含め計121人の感染が発覚したことで、さらに緊張が走った。「うちで同じようなことが起きて亡くなる方も出たらと思うと、ぞっとした」
県内で感染が急拡大した4月、施設は入居者と部外者との接触を最小限にとどめるため、面会を家族も含め全面的に禁止とした。荷物の受け渡しなども玄関の外で行うように。施設内の医療ケアを統括する菅野優子メディカルチーフは「自分から体調不良を訴えられる入居者は多くない。職員が先に気付かないといけない」と述べ、入居者の体調の変化にさらに気を配るようになったという。
入居者が感染した場合に備えて、建物の一画を隔離して仮設の「専用病室」を設置。ベッド1床を置いた部屋と職員が常駐する控室をそれぞれビニールカーテンで区切り、他の入居者らと動線が重ならないよう外部との出入り口を設けた。
専用の病室を独自に設けた背景には、多くの病院で感染者を受け入れる病床が不足してすぐに入院できなかった当時の状況があった。5月に入居者が39度の高熱を出した際には7カ所の医療機関から診察を断られた。結局新型コロナではなかったが、菅野チーフは「常に介助が必要な入居者がそのまま入院するのは難しいのではないか」と指摘する。
マスクや消毒液などの入手は依然困難。聞き慣れない業者からも消毒液販売のファクスが届くようになった。「頼みたくもなるが、粗悪品じゃないか、詐欺じゃないかと不安です」。ガーゼなどの衛生材料は医療機関への供給が最優先で、福祉施設にはなかなか行き渡らないという。
現在は感染拡大も落ち着いたことから、家族の面会を制限付きで再開した。しかし、東京などでは感染者が再び増えており、第2波が懸念される。施設の生活面を担当する鹿野和彦ケアチーフは「世間では気の緩みも出ているようだが、継続して感染対策に取り組みたい」と話した。
【難病女性が国に勝訴 障害年金受給認める 東京地裁】6/5(金) 19:42配信
難病の線維筋痛症にかかった東京都練馬区の女性(41)が障害厚生年金などの支給を認めない厚生労働省の処分を取り消すよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の鎌野真敬裁判長は5日、不支給を「違法」と判断、処分を取り消した。
線維筋痛症は、体の広範な部位に慢性痛やこわばりが生じ、疲労感や睡眠障害などを伴う病。根本的な治療法はなく、かかると生活の質が著しく低下するなどとされる。
判決によると、女性は2013年8月までに線維筋痛症にかかり、16年4月、厚労省に障害基礎年金や障害厚生年金の給付を請求したが、同年12月に不支給とされた。
鎌野裁判長は女性の障害について、「労働制限を必要とする程度だった」と判断。障害等級3級に該当し、不支給を「違法」と結論付けた。
【脳の神経細胞を壊していく老廃物「アミロイドβ」って何者?】現代ビジネス 5/30(土) 20:01配信
長い長い時間をかけてゆっくり進んでいくアルツハイマー病。脳を検査すると、たんぱく質「アミロイドβ」の蓄積が高確率で見られることから、発病との関連性が深いと考えられています。
では、その正体は解明されているのでしょうか? 病気との関連は? ため込まない方法ってあるの? 謎の多いアルツハイマー病を、深い関連性が疑われるアミロイドβの観点から見ていきたいと思います。
人間の脳には1000億個以上とも言われる膨大な数の神経細胞が集まっています。脳の働きは、この神経細胞どうしが信号を伝えあうことで、維持されています。アルツハイマー病では、この神経細胞が大量に減少・死滅するために、脳の働きが低下することから発症します。
ある程度進行したアルツハイマー病では、脳を構成する神経細胞の減少・死滅によって、脳に全般的な萎縮が生じます。
アルツハイマー病というと、脳の萎縮を思い起こす方も多いと思いますが、実は萎縮が起こるずっと前から、アルツハイマー病特有の変化が生じています。
いったいどのような経過をたどって、萎縮に至るのでしょうか?
長い長い時間をかけてゆっくり進んでいくアルツハイマー病。脳を検査すると、たんぱく質「アミロイドβ」の蓄積が高確率で見られることから、発病との関連性が深いと考えられています。
では、その正体は解明されているのでしょうか? 病気との関連は? ため込まない方法ってあるの? 謎の多いアルツハイマー病を、深い関連性が疑われるアミロイドβの観点から見ていきたいと思います。
人間の脳には1000億個以上とも言われる膨大な数の神経細胞が集まっています。脳の働きは、この神経細胞どうしが信号を伝えあうことで、維持されています。アルツハイマー病では、この神経細胞が大量に減少・死滅するために、脳の働きが低下することから発症します。
ある程度進行したアルツハイマー病では、脳を構成する神経細胞の減少・死滅によって、脳に全般的な萎縮が生じます。
アルツハイマー病というと、脳の萎縮を思い起こす方も多いと思いますが、実は萎縮が起こるずっと前から、アルツハイマー病特有の変化が生じています。
いったいどのような経過をたどって、萎縮に至るのでしょうか?
アミロイドβと沈着したシミ〈老人斑〉
アルツハイマー病は、アミロイドβというたんぱく質の神経細胞周囲への沈着が発端となります。アミロイドβは老廃物の1つで、神経細胞を死滅させる毒性を有しています。通常は睡眠時に洗い流されるので、脳内にたまったままにはなりません。
もともと炎症や毒物から神経細胞を守るためにつくられる物質という説もあります。その役割は完全にまだ解明されていませんが、悪玉とは言い切れない面もあるようです。
いずれにしろ、アルツハイマー病の初期段階でこのアミロイドβの沈着が見られることは確かです。この沈着が進むと、沈着したところがシミのように見え、これを〈老人斑〉とも言います。
こうして沈着したアミロイドβは、神経細胞の働きを低下させ、やがて機能不全に陥らせるのです。
神経細胞の死につながる現象〈神経原線維変化〉
アミロイドβの沈着が増えるにつれ、神経細胞内に〈タウたんぱく〉というたんぱく質の一種が蓄積されてきます。アミロイドβとタウたんぱく蓄積の関連についても、明確には分かっていないのですが、どちらもアルツハイマー病の脳で見られる特徴的な病変です。
そして、神経細胞内にある線維成分に〈神経原線維変化〉という現象が生じます。この神経原線維変化が進むと、神経細胞が死滅してしまうのです。
神経細胞の減少や死滅によって、認知機能の低下という症状が現れはじめます。こうした病変は、脳のどの部分からはじまるのでしょうか?
アルツハイマー病は、アミロイドβというたんぱく質の神経細胞周囲への沈着が発端となります。アミロイドβは老廃物の1つで、神経細胞を死滅させる毒性を有しています。通常は睡眠時に洗い流されるので、脳内にたまったままにはなりません。
もともと炎症や毒物から神経細胞を守るためにつくられる物質という説もあります。その役割は完全にまだ解明されていませんが、悪玉とは言い切れない面もあるようです。
いずれにしろ、アルツハイマー病の初期段階でこのアミロイドβの沈着が見られることは確かです。この沈着が進むと、沈着したところがシミのように見え、これを〈老人斑〉とも言います。
こうして沈着したアミロイドβは、神経細胞の働きを低下させ、やがて機能不全に陥らせるのです。
神経細胞の死につながる現象〈神経原線維変化〉
アミロイドβの沈着が増えるにつれ、神経細胞内に〈タウたんぱく〉というたんぱく質の一種が蓄積されてきます。アミロイドβとタウたんぱく蓄積の関連についても、明確には分かっていないのですが、どちらもアルツハイマー病の脳で見られる特徴的な病変です。
そして、神経細胞内にある線維成分に〈神経原線維変化〉という現象が生じます。この神経原線維変化が進むと、神経細胞が死滅してしまうのです。
神経細胞の減少や死滅によって、認知機能の低下という症状が現れはじめます。こうした病変は、脳のどの部分からはじまるのでしょうか?
脳での病変拡大が、症状に現れてくる
アミロイドβの沈着に端を発し神経細胞の減少・死滅が起こるアルツハイマー病の病変がはじめに現れるのは、認知機能のうち記憶に関わる働きを担う海馬という部位です。
そのため、アルツハイマー病になると、「物忘れが増える」などの症状が見られるようになるのです。
病変は、長い時間をかけて、海馬から表面の大脳皮質に広がっていきます。大脳皮質の各部は、固有の情報処理機能を担っており、部位によっては情報の統合も行っています。病変が大脳皮質のある部位におよぶと、その部位の機能に障害が生じ、それが症状となって現れてくるのです。
アミロイドβの沈着に端を発し神経細胞の減少・死滅が起こるアルツハイマー病の病変がはじめに現れるのは、認知機能のうち記憶に関わる働きを担う海馬という部位です。
そのため、アルツハイマー病になると、「物忘れが増える」などの症状が見られるようになるのです。
病変は、長い時間をかけて、海馬から表面の大脳皮質に広がっていきます。大脳皮質の各部は、固有の情報処理機能を担っており、部位によっては情報の統合も行っています。病変が大脳皮質のある部位におよぶと、その部位の機能に障害が生じ、それが症状となって現れてくるのです。
脳が萎縮する前に発見できる検査はある?
アルツハイマー病では、MRIやCTなどの画像検査から脳の萎縮で病気が見つかるのは、かなり進行してからです。
では、認知機能の低下はわずかに生じているけれど脳の明らかな萎縮が認めらない段階で、病気を見つけることはできないのでしょうか?
そうした場合には、放射性薬剤を投与したうえで脳を撮影し、血流量を確かめる「光単子放射断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography : SPECT)」という方法で検査することがあります。これは、アルツハイマー病の場合に脳内の一部で起こる、血流量の低下を調べるものです。
さらに早期の段階で診断が可能な検査もあります。脳内に蓄積するアミロイドβそのものを調べるのです。
1つは、脳や脊髄の検査方法である、腰椎穿刺による「脳脊髄液検査」です。脳や脊髄を浸している脳脊髄液(髄液)を採取して、そこに含まれるアミロイドβやタウたんぱくの成分を調べ、脳内の溜まり具合を推測します。
もう1つは、「アミロイドPET検査」です。放射性薬剤を用いて特殊なカメラで行う画像検査「陽電子放出断層撮影(Position Emission Tomography : PET」により、通常の画像検査では映らないアミロイドβの沈着の程度を確かめます。
放射性薬剤を注射して、脳に薬剤が行き渡る10~30分ほど経ったころに撮影を行います。画像は、アミロイドβに取り込まれた薬剤の発するエネルギーをとらえ、蓄積量が多いほど明るく映る画像から診断します。
検査の際の体の負担が少ないメリットがありますが、保険適用外で全額自己負担となり、実施施設も限られていることに注意が必要です。
なお、アミロイドβの蓄積は、レビー小体型認知症でも認められることがあります。また、アミロイドβの蓄積が見られるからといって、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症が発症するとは限りません。
アミロイドβを薬で溶かせたら、手っ取り早いけれど
「そもそもアルツハイマー病のもとになるアミロイドβの沈着を防いだり、沈着したアミロイドβを溶かす薬があれば、病気の改善に有効ではないか」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
実際に、以前よりそうした新薬の開発が進められているのですが、残念ながら有効性の不足や副作用の問題により、実用化は足踏み状態です。
なお、参考までにアルツハイマー病の薬物療法について申し上げますと、次の4種類の薬が用いられています。
アルツハイマー病では、MRIやCTなどの画像検査から脳の萎縮で病気が見つかるのは、かなり進行してからです。
では、認知機能の低下はわずかに生じているけれど脳の明らかな萎縮が認めらない段階で、病気を見つけることはできないのでしょうか?
そうした場合には、放射性薬剤を投与したうえで脳を撮影し、血流量を確かめる「光単子放射断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography : SPECT)」という方法で検査することがあります。これは、アルツハイマー病の場合に脳内の一部で起こる、血流量の低下を調べるものです。
さらに早期の段階で診断が可能な検査もあります。脳内に蓄積するアミロイドβそのものを調べるのです。
1つは、脳や脊髄の検査方法である、腰椎穿刺による「脳脊髄液検査」です。脳や脊髄を浸している脳脊髄液(髄液)を採取して、そこに含まれるアミロイドβやタウたんぱくの成分を調べ、脳内の溜まり具合を推測します。
もう1つは、「アミロイドPET検査」です。放射性薬剤を用いて特殊なカメラで行う画像検査「陽電子放出断層撮影(Position Emission Tomography : PET」により、通常の画像検査では映らないアミロイドβの沈着の程度を確かめます。
放射性薬剤を注射して、脳に薬剤が行き渡る10~30分ほど経ったころに撮影を行います。画像は、アミロイドβに取り込まれた薬剤の発するエネルギーをとらえ、蓄積量が多いほど明るく映る画像から診断します。
検査の際の体の負担が少ないメリットがありますが、保険適用外で全額自己負担となり、実施施設も限られていることに注意が必要です。
なお、アミロイドβの蓄積は、レビー小体型認知症でも認められることがあります。また、アミロイドβの蓄積が見られるからといって、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症が発症するとは限りません。
アミロイドβを薬で溶かせたら、手っ取り早いけれど
「そもそもアルツハイマー病のもとになるアミロイドβの沈着を防いだり、沈着したアミロイドβを溶かす薬があれば、病気の改善に有効ではないか」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
実際に、以前よりそうした新薬の開発が進められているのですが、残念ながら有効性の不足や副作用の問題により、実用化は足踏み状態です。
なお、参考までにアルツハイマー病の薬物療法について申し上げますと、次の4種類の薬が用いられています。
アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の治療薬
・コリンエステラーゼ治療薬
副作用は、内服薬では吐き気、嘔吐、下痢など。まれに不整脈、精神症状(興奮、不眠)など
・コリンエステラーゼ治療薬
副作用は、内服薬では吐き気、嘔吐、下痢など。まれに不整脈、精神症状(興奮、不眠)など
・●ドネペジル
適応:軽度~中等度~重度認知症
用法:軽度、中等度は5mg/日 1日1回、重度は10mg/日 1日1回
特徴:錠剤、散剤、ゼリー状剤など、剤型が豊富
適応:軽度~中等度~重度認知症
用法:軽度、中等度は5mg/日 1日1回、重度は10mg/日 1日1回
特徴:錠剤、散剤、ゼリー状剤など、剤型が豊富
・●ガランタミン
適応:軽度~中等度認知症
用法:24mg/日 1日2回
特徴:錠剤のほか、液剤もある
適応:軽度~中等度認知症
用法:24mg/日 1日2回
特徴:錠剤のほか、液剤もある
・●リバスチグミン
適応:軽度~中等度認知症
用法:18mg/日 1日1回
特徴:パッチ剤(飲み込み困難でも使用しやすい)。消化器系の副作用が出にくい
適応:軽度~中等度認知症
用法:18mg/日 1日1回
特徴:パッチ剤(飲み込み困難でも使用しやすい)。消化器系の副作用が出にくい
・NMDA受容体拮抗薬
・●メマンチン
適応:中等度~重度認知症
用法:20mg/日 1日1回
特徴:副作用は、めまいや頭痛、便秘、食欲不振など
このうちコリンエステラーゼ阻害薬は、神経伝達物質〈アセチルコリン〉を増やす働きのある薬です。NMDA受容体拮抗薬は、神経細胞の過剰な興奮を抑えるように働く薬です。
適応:中等度~重度認知症
用法:20mg/日 1日1回
特徴:副作用は、めまいや頭痛、便秘、食欲不振など
このうちコリンエステラーゼ阻害薬は、神経伝達物質〈アセチルコリン〉を増やす働きのある薬です。NMDA受容体拮抗薬は、神経細胞の過剰な興奮を抑えるように働く薬です。
ただし、薬物療法は認知症の段階になった場合に行われ、認知機能の低下がわずかな段階では行われません。
溜めない特効薬は"睡眠" 眠りの量と質の改善を
写真:現代ビジネス
しかし、アミロイドβをためないようにする、もっと簡単で、すぐにできる対策があるのです。
それは、睡眠。アミロイドβの沈着防止に、睡眠が大きなカギを握っていることがわかってきたのです。
脳内で生じたアミロイドβは、通常、眠っている間に分解が進み、洗い流されていきます。睡眠不足が続くと、アミロイドβの排泄が不十分になるおそれがあり、沈着して老人斑の形成を早めることにつながります。
溜めない特効薬は"睡眠" 眠りの量と質の改善を
写真:現代ビジネス
しかし、アミロイドβをためないようにする、もっと簡単で、すぐにできる対策があるのです。
それは、睡眠。アミロイドβの沈着防止に、睡眠が大きなカギを握っていることがわかってきたのです。
脳内で生じたアミロイドβは、通常、眠っている間に分解が進み、洗い流されていきます。睡眠不足が続くと、アミロイドβの排泄が不十分になるおそれがあり、沈着して老人斑の形成を早めることにつながります。
夜更かしをしないことはもちろんですが、年齢が高くになるにつれて生じてくる睡眠の問題にも注意しましょう。一般に加齢によって睡眠時間の減少という"睡眠の量"の問題が生じてきますが、眠りの深さ(ぐっすり眠れているか)など"睡眠の質"も低下しがちです。
アミロイドβの沈着は、20年以上の長い時間をかけて少しづつ進むと考えられています。「物忘れなんて、まだ心配ない」という方も今のうちから、睡眠の"量"、"質"ともに高めていけるような生活スタイルや睡眠環境などを見直してみてはいかがでしょうか。
また、睡眠だけがアルツハイマー病に関係しているわけではありません。睡眠以外にも、食事、運動や、タバコ・お酒などの嗜好品などを改めたり、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病がある人はその治療に専念するなど、今の生活を見直すこともあわせて行うことも大切です。
アミロイドβの沈着は、20年以上の長い時間をかけて少しづつ進むと考えられています。「物忘れなんて、まだ心配ない」という方も今のうちから、睡眠の"量"、"質"ともに高めていけるような生活スタイルや睡眠環境などを見直してみてはいかがでしょうか。
また、睡眠だけがアルツハイマー病に関係しているわけではありません。睡眠以外にも、食事、運動や、タバコ・お酒などの嗜好品などを改めたり、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病がある人はその治療に専念するなど、今の生活を見直すこともあわせて行うことも大切です。
アルツハイマー病をもたらすアミロイドβ。その詳しい実態の解明と、沈着を防ぐ新薬の開発を期待したいところです。しかし、それまで手をこまねいて待っているわけにはいきません。睡眠などの"生活の見直し"で、アルツハイマー病の予防、進行阻止に努めたいものです。
本記事は『アルツハイマー病のことがわかる本』から作成しました。体(脳)の構造や機能についてはブルーバックス『新しい人体の教科書』をあわせて参考にしています。
本記事は『アルツハイマー病のことがわかる本』から作成しました。体(脳)の構造や機能についてはブルーバックス『新しい人体の教科書』をあわせて参考にしています。
【検査広げたら陽性次々 北九州、113人の半数が無症状】朝日新聞 6/3(水) 0:03配信
新型コロナウイルスの感染確認が続く北九州市。濃厚接触者へのPCR検査を拡充したのが理由の一つとされるが、当初は感染経路不明者の割合も高かった。10日連続となった1日までの感染者113人のうち半数ほどが無症状。専門家は「収束には検査拡充が欠かせない」と指摘する。
「なぜ出たかはっきり分からない」。5月23日。24日ぶりに新たな感染者が確認されたことを発表した北九州市の担当者はそう述べた。福岡県への緊急事態宣言が解除されて10日ほど。「コロナはなくなっていないことを認識して、市民と気をつけていきたい」
しかし、この日の3人に続き、24日も3人、25日は6人。しかも、計12人のうち11人の感染経路が分からなかった。北橋健治市長は26日、「第2波の入り口」と危機感を募らせ、「相当数の無症状の人がいると思う。市中感染がそれなりに広がりを持っていると改めて感じている」と話した。
市はこの前日、感染の有無を調べるPCR検査の対象を広げることを決めた。それまでは国の指針通り、濃厚接触者の中でも発熱などの症状がある人にしぼって検査していたが、無症状の人を含め全員を検査する方針に変更。23日にさかのぼって検査をした。
福岡県と福岡市、久留米市ではそれまでも症状に関わらず、すべての濃厚接触者にPCR検査を実施。一方、北九州市は5月2日、ドライブスルー方式で検査を受けられる「北九州市PCR検査センター」を設置。多くの検査を受け入れる態勢が整ったことが、方針転換につながった。
6月1日までに陽性が判明した113人のうち少なくとも61人が無症状。その中で濃厚接触者として検査を受けたのは54人だった。
市保健衛生課の担当者は「これまでは見逃していたかもしれない無症状の感染者を発見できているのではないか」と話す。
新型コロナウイルスの感染確認が続く北九州市。濃厚接触者へのPCR検査を拡充したのが理由の一つとされるが、当初は感染経路不明者の割合も高かった。10日連続となった1日までの感染者113人のうち半数ほどが無症状。専門家は「収束には検査拡充が欠かせない」と指摘する。
「なぜ出たかはっきり分からない」。5月23日。24日ぶりに新たな感染者が確認されたことを発表した北九州市の担当者はそう述べた。福岡県への緊急事態宣言が解除されて10日ほど。「コロナはなくなっていないことを認識して、市民と気をつけていきたい」
しかし、この日の3人に続き、24日も3人、25日は6人。しかも、計12人のうち11人の感染経路が分からなかった。北橋健治市長は26日、「第2波の入り口」と危機感を募らせ、「相当数の無症状の人がいると思う。市中感染がそれなりに広がりを持っていると改めて感じている」と話した。
市はこの前日、感染の有無を調べるPCR検査の対象を広げることを決めた。それまでは国の指針通り、濃厚接触者の中でも発熱などの症状がある人にしぼって検査していたが、無症状の人を含め全員を検査する方針に変更。23日にさかのぼって検査をした。
福岡県と福岡市、久留米市ではそれまでも症状に関わらず、すべての濃厚接触者にPCR検査を実施。一方、北九州市は5月2日、ドライブスルー方式で検査を受けられる「北九州市PCR検査センター」を設置。多くの検査を受け入れる態勢が整ったことが、方針転換につながった。
6月1日までに陽性が判明した113人のうち少なくとも61人が無症状。その中で濃厚接触者として検査を受けたのは54人だった。
市保健衛生課の担当者は「これまでは見逃していたかもしれない無症状の感染者を発見できているのではないか」と話す。
【検査広げたら陽性次々 北九州、113人の半数が無症状】朝日新聞 6/3(水) 0:03配信
新型コロナウイルスの感染確認が続く北九州市。濃厚接触者へのPCR検査を拡充したのが理由の一つとされるが、当初は感染経路不明者の割合も高かった。10日連続となった1日までの感染者113人のうち半数ほどが無症状。専門家は「収束には検査拡充が欠かせない」と指摘する。
「なぜ出たかはっきり分からない」。5月23日。24日ぶりに新たな感染者が確認されたことを発表した北九州市の担当者はそう述べた。福岡県への緊急事態宣言が解除されて10日ほど。「コロナはなくなっていないことを認識して、市民と気をつけていきたい」
しかし、この日の3人に続き、24日も3人、25日は6人。しかも、計12人のうち11人の感染経路が分からなかった。北橋健治市長は26日、「第2波の入り口」と危機感を募らせ、「相当数の無症状の人がいると思う。市中感染がそれなりに広がりを持っていると改めて感じている」と話した。
市はこの前日、感染の有無を調べるPCR検査の対象を広げることを決めた。それまでは国の指針通り、濃厚接触者の中でも発熱などの症状がある人にしぼって検査していたが、無症状の人を含め全員を検査する方針に変更。23日にさかのぼって検査をした。
福岡県と福岡市、久留米市ではそれまでも症状に関わらず、すべての濃厚接触者にPCR検査を実施。一方、北九州市は5月2日、ドライブスルー方式で検査を受けられる「北九州市PCR検査センター」を設置。多くの検査を受け入れる態勢が整ったことが、方針転換につながった。
6月1日までに陽性が判明した113人のうち少なくとも61人が無症状。その中で濃厚接触者として検査を受けたのは54人だった。
市保健衛生課の担当者は「これまでは見逃していたかもしれない無症状の感染者を発見できているのではないか」と話す。
【なぜ?北九州で感染急増の謎 第2波へ警戒】西日本新聞 2020.5.29
新型コロナウイルスの感染拡大が全国的に落ち着いてきた中、北九州市だけ、なぜ再び増加傾向なのか謎が深まっている。救急搬送された人を医療機関が念入りに調べるなどし、症状がなくても検査する“掘り起こし”が進んでいることも一因にありそうだ。ただ、ほかの自治体でも同様に広く診療・検査する傾向はあり、同市の現状は説明しきれない。市は「市内でウイルスが広がっている可能性も否定できない」と第2波への警戒を強めている。
【関連】北九州市は「第2波の真っただ中」 北橋市長が危機感、対策強化へ
同市では28日まで6日連続で感染確認が続いている。同市の東田倫子保健衛生部長は増加の一因について「医療機関での診療、症例の把握態勢が充実してきたこともある」と指摘。北橋健治市長も同日の定例記者会見で「4日間発熱が続いた方をこれまでPCR検査をしていたが、対象が見直され、広く把握される傾向にある」と話す。
感染した若松区の50代女性は持病で通院中、無症状だったものの、肺炎の有無を調べるコンピューター断層撮影(CT)をきっかけにPCR検査に至った。門司区の60~80代の男女3人は同じ24日に救急搬送された後、CTで肺炎が疑われた。3人の搬送先は同じ。このように医療機関がきっかけとなったケースは、27日までの感染経路不明17人中8人が該当する。
今月上旬からは、軽症者の主な窓口となるPCR検査センターが同市でも稼働し、17人中3人(10~20代の男女)がセンター経由で確認された。また、濃厚接触者を全員PCR検査することとしたため、以前は判明していなかった無症状者も全体数を押し上げている。
ただ、それだけで北九州市だけ増えていることを説明できない。福岡県内の27日のPCR検査総数は173件、このうち北九州市66件、福岡市57件だった。「福岡県内は同じルールで疑い例の検査に至っていて、自治体間で大きな差はない」(県担当者)ためだ。
北九州市全7区のうち6区と広域で感染が確認されている一方、活発に動き回っているとは想定しづらい70歳以上が半数を占め、感染者間の行動履歴の共通点は不明。市は県を通し、厚生労働省にクラスター(感染者集団)対策班派遣を要請。28日から調査が始まった。
産業医科大の吉村健清名誉教授(疫学)は「近くの大都市である福岡市でも感染確認がないのは不可解だ。手洗いやマスクの着用など生活様式で差があり、北九州市の方がウイルス感染が特に顕在化しているのかもしれない」と話している。
【無症状で登校、手打てず…悩む学校 北九州でクラスター】西日本新聞6/1(月) 9:34配信
北九州市の小学校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、新たに小中学生6人の感染が判明した31日、関係者に衝撃が広がった。感染者が急増する同市では、学校が本格的に再開した5月25日以降に児童、生徒らの感染が相次いで確認され、小中学校など5校が休校に追い込まれている。市幹部は31日の会見で「全国的に児童の感染は見られていなかった。複数の児童が感染した状況を重く受け止める」と苦悩の表情を見せた。
児童、生徒の感染判明は25日以降で計10人。28日に守恒小(小倉南区)と企救(きく)中(同)、29日に思永中(小倉北区)、30日に葛原小(小倉南区)で各1人と連日続き、31日にはクラスターとなった守恒小で4人、企救中と思永中で各1人。小倉北特別支援学校(小倉北区)でも教員3人の感染が判明し、閉鎖が続いている。
体温や体調不良の有無を記した健康チェックシートを提出させるなど学校側は対策を取っていたが、熱がない子どもの感染が相次いで判明した格好だ。
市によると、守恒小で最初に感染が確認された10代の女子児童は5月12日以降、37度前後の発熱が続いていたが、登校再開日の25日には熱が下がり、同日から4日間登校。登校前に37度台の熱がある日もあったが、登校時の検温によるチェックでは36度台で引っかからなかった。感染が判明したのは、同じ時期に熱発し、症状が約2週間続いていた母親の感染が分かったからだった。
市教育委員会幹部は会見で「(守恒小の)入り口で防げなかったのが反省点だ」と厳しい表情。体調チェックなどの対策をしっかり取るよう市内の各学校に通知する考えを示したが、市内の小学校のある幹部は「感染が確認された児童は元気に登校していたと聞いている。そうなると、学校内で感染を防ぐのは非常に難しい」と肩を落とす。
葛原小の児童も無症状で25~28日に登校。家族の知人の感染が確認された後、検査を受けて感染が判明した。
児童、生徒の濃厚接触者は、28、29両日に感染確認された守恒小と企救中、思永中の3人だけでもクラスメート、教諭、家族など30日時点で50人を超える。市によると、複数日登校していることから、濃厚接触者がさらに増える可能性も否定できないという。
守恒小に5年男児が通う40代の父親は「学校からは保護者に何の情報も伝えられず、うちの子どもが感染していた児童と接触したかも分からない」と不安な様子。今後、感染した児童も含めて同小の児童や家族が周囲からいじめや差別などに遭わないか心配だとした上で、「これまでコロナは人ごとだったのに、急に身近になってしまった」と驚きを隠せなかった。 (東祐一郎)
【心の病 復職支援に力 松山の団体 事業所開設】愛媛新聞6/1(月) 9:22配信
心の健康づくりをサポートする認定NPO法人「こころ塾」(愛媛県松山市大街道3丁目)がこのほど、うつ病などの疾患で離職・休職した人々の復職を支援する就労移行支援事業所「リワークアシストセンターこころ塾」を開設した。同法人によると、リワーク(職場復帰のリハビリテーション)を障害福祉サービスとして実施する事業所は四国初で「悩んでいる人はぜひ見学や相談に訪れてほしい」と呼び掛けている。
リワークは、メンタルヘルスの不調で職場を離れた人の復職プログラムで、生活リズムや自信を取り戻すことで心身の状態を整え、ストレスへの対処法などを身につけて就労を目指す。同法人は2008年の活動開始以来、100人以上に独自の「職業リハビリテーション」を実施しており、利用料が1割負担となる障害福祉サービスに移行することで、より多くの人に活用してもらいたい考えだ。
プログラムは生活を振り返り、自身の病気への理解を深める学習会と、小集団での認知行動療法学習会の週2回を基本にスタート。面談や体力づくりなど個々に必要な時間を取り入れるほか、早すぎる復職を防ぐために客観的評価を行う「職業準備性チェック」や、模擬業務ツールを使ったトレーニングも用意した。
同法人は「公的福祉サービスになることで医療機関などと連携も取りやすくなる」と見通し「一人きりではなく、専門のスタッフや仲間と職場復帰を目指すことができる場所。体験も可能なので、まずは相談してほしい」としている。問い合わせは同法人=電話089(931)0702。
【困窮する母子に目を向けて 「こうのとりのゆりかご」開設13年】熊本日日新聞 5/11(月) 14:53配信
親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」が、10日で開設13年を迎えた。2018年度までに預けられた子どもは144人。運営する慈恵病院(熊本市西区)は、困窮する母子を救う新たな取り組みも始めている。蓮田健副院長は「今の社会のシステムでは救えない人々がいる。そこに目を向けねばならない」と訴え続ける。
18年度のゆりかごへの預け入れは7人。過去最少だった16年度の5人に次いで2番目に少なく、預け入れは減少傾向にある。県内からの預け入れは2年連続で確認されなかった。蓮田副院長は「県内は相談窓口の存在が周知され、ゆりかごの利用を思いとどまる親が増えたのでは」とみる。実際、19年度上半期に慈恵病院へ寄せられた妊娠・出産の悩みに関する相談件数は3396件と、過去2番目の高水準だった。
病院が危ぐするのが、医療関係者が立ち会わず、自宅などで1人で産む「孤立出産」。18年度は7人のうち4人、18年度までの累計の半数を孤立出産が占める。安静が必要な産後間もない時に、県外から長時間かけて預けに来る-。そんな危険な状況を回避しようと慈恵病院は19年12月、匿名を強く希望する妊婦を受け入れる事実上の「内密出産」運用に踏み切った。
「内密出産」をしたケースはまだないが、「誰にも知られず出産したい」と望む妊婦からの相談が数件あったという。蓮田副院長は「受け入れ体制を整えたことで匿名を希望する層をカバーできるようになった」と力を込める。ただ、「できる限り実名で産んでもらう」というスタンスは変わらず、相談者に説得を続ける。
相談者は「親から虐待を受けていて、出産が知られれば自分も子どもも危険にさらされる」など複雑な事情を抱えるケースが大半で、「一人一人に寄り添うために多大なマンパワーを要する」と言う。
費用面での課題もある。親に知られてしまうため健康保険を使えない、あるいは「無保険」のケースも出てくると考えられ、「その場合の出産費用は病院が負担するしかない」。ゆりかごの運営で毎年1500万円ほどの赤字が出ているが、「厳しいが使命感でやっている」と話す。
昨年3月には特別養子縁組のあっせん事業に参入、今年1月には困窮する妊婦の一時保護施設を院内に設置すると表明した。蓮田副院長は「一連の取り組みを通して、出産・育児に関して世間が当たり前と思っていることができない人たちがいることが分かった。『どうして妊娠したのか』『相談すれば良かったのに』と思うかもしれないが、正論だけでは救えない。社会や行政は、そんな人々を受け止める覚悟をするべきだ」と訴える。
取り組みの根底にあるのは「目の前の困窮する母子の命を守りたい」という一貫した強い思いだ。「相談窓口、内密出産、ゆりかごといった母子を包括的に支える仕組みが全都道府県にあることが理想。必要性を地道に訴えていくしかない」
【労災死傷1490人 4年ぶり減少 県内19年 死者3人増】 愛媛新聞 4/29(水) 11:23配信
愛媛労働局は28日、2019年の県内の労働災害の発生状況を発表した。休業4日以上の死傷者数は1490人で前年から35人減り、4年ぶりの減少。一方、死者数は16人で3人増えた。労働局は「製造や建設業、高齢者の労災が多く、撲滅に向け指導や周知に力を入れる」としている。
【新型コロナウイルス感染症の流行にともなう対策に関する要望書】
2020年4月27日
厚生労働大臣 加藤 勝信 様
認定NPO法人DPI日本会議
議長 平野みどり
日頃から障害福祉の推進にご尽力頂いていることに厚くお礼申し上げます。
私たちは、全国94の障害当事者団体から構成され、社会のあらゆる場面で障害の種別や程度に関わりなく障害のある人もない人も安心・安全に共に生きることができるインクルーシブ社会の実現に向けて活動しています。
さて、新型コロナウイルス感染症の国内外の流行拡大を受けて4月7日に7都府県を対象として出された緊急事態宣言は、その後、40道府県に拡大され5月6日を期限とした不要不急な外出等の自粛が全都道府県に要請されました。
しかし、介護・福祉関係の事業所には自粛要請ではなく通常通りのサービス提供を求めることでも明らかなように、こうした事業は、難病患者を含む障害児・者(以下、障害児・者)にとって必要不可欠な社会資源であり、中断・自粛は困難な業種です。
また、介助・介護等という業務内容から、密接や対面を避けることも不可能であり、一人の介助者が複数の利用者を担当し、毎日異なる利用者宅を訪問することや多くの利用者を日中活動等の場において受け入れている状況からクラスター(感染者集団)となることが全国各地の実態からも明らかです。
そして、国民に求められている3密を避けること、外出を減らすこと、出勤時間の調整、在宅勤務は極めて困難であり、利用者も介助者も感染のリスクは非常に高く、利用者や介助者がPCR検査で陽性で14日間の自宅待機となったとしてもこうしたサービスは必要不可欠なものであり介助・介護崩壊に陥ることも想定されることから一事業所だけで対処できるものではありません。
つきましては、このような状況を踏まえるとともに、緊急事態宣言の延長及び更なる深刻な状況をも想定し、新型コロナウイルス感染症の予防と検査及び発症時等の対策について以下のとおり要望するので、地方自治体及び関係機関等との連携を確保しつつ、特段のご配慮と対策を進めて頂けますようお願い申し上げます。
記
1.予防対策の推進について
感染リスクが高いと思われる障害児・者(特に医療的ケアを受けている人)及び障害児・者の生活を支えている障害福祉サービス事業所等の職員に対して予防対策を進めるために必要なマスク・消毒剤、清浄綿・酒精綿(アルコール綿)、使い捨てグローブなどを優先的に供給してください。
2.検査体制について
(1)障害児・者が新型コロナウイルスに感染した疑いがある場合は、重度化のリスクが高いと思われるため優先的に検査を受けられるよう検査体制を整備してください。併せて、感染した疑いのある者の濃厚接触者(介助者等)も同様としてください。
(2)現在、4月からの実施が検討されている抗体検査については、有効性が認められる場合は医療職と同様に介護・福祉関係事業所の職員も優先的に受けることができるようにしてください。
3.発症時の対策について
(1)介助者がいないと生活はもちろん生命の維持が困難になることから、速やかに治療と介護を受けられる環境を確保してください。なお、呼吸器系障害・既往症等がある場合は、速やかに入院できるようにしてください。
<考えられる対応>
① 民間ホテル等を確保する場合は、バリアフリールームの確保等、障害児・者の利用に対応できる施設を確保する。
② 介助者や支援者が本人の介助等ができる環境を確保する。
③ 医療機関、訪問看護事業所、介護事業所など医療と福祉が連携して対応できる仕組みを確保する。
④ 医福連携スタッフの宿泊施設を別に確保する。
⑤ 感染者及び医福連携スタッフの送迎体制を確保する。
⑥ 必要備品・消耗品の確保と供給を進める。
(2)在宅で介助サービスの継続を行うことになった場合は、介助者の感染防止対策は、感染者の対応にあたる医療者と同等の装備の確保と提供を速やかに進めてください。
(3)障害児・者と同居する家族等が発症した場合は、介助者不在となることから、個々の状況に応じて訪問系サービスの支給時間の拡大やショートステイの利用等により介助者を確保するための措置を速やかに講じるよう市町村へ指導してください。
(4)障害児・者を医療機関が受入れるために必要な環境整備を進めるとともに、とりわけ国公立病院が率先して受け入れるように体制の整備等を進めてください。
4.入院にあたっての対応について
(1)障害や疾患及び年齢等を理由として人工呼吸器治療等を行わないなどといった優生思想に基づく命の選別をしないでください。
(2)障害児・者が入院する場合は、障害支援区分6以外の障害者であっても重度訪問介護または居宅介護を利用できるようにしてください。
(3)障害者・児へ派遣される介助者及び支援者については、医療職と同様に防護服、マスク、使い捨てグローブ等の支給等により最大限の感染予防対策を講じるとともに当該介助者及び支援者の検査体制等を確保してださい。
5.障害福祉サービス事業所及び精神病院等における発生時の対応について
(1)障害福祉サービス事業所等は、難病患者を含む障害者・児にとって必要不可欠なサービスであることから、当該事業所等の職員、利用者及びその家族が発症した場合のサービス停止または休止が最小限となるための対策を講じてください。
(2)新型コロナウイルス感染症により生活介護等を実施している事業所がサービスの停止または休止した場合は、当該事業所の利用者は、在宅介護が必要となることから重度訪問介護等の支給時間を迅速に拡大するよう市町村へ指導してください。
(3)発症した障害児・者へ派遣される場合は、介護報酬を医療報酬と同様に増額してください。
(4)精神病院内で入院者が発症した場合は、速やかに他科への受診・転院ができるようにしてください。できない場合は緊急措置として専門医を含む医療スタッフを派遣するなど適切な措置を講じてください。
【看護師を再び使い捨てにするな 崩壊の危機に国がやるべきこと】47News (女性史研究者・江刺昭子)4/27(月) 10:32配信
連日の新型コロナウイルス報道に接しながら、改めて気づくことがある。リーダーの器量の大小である。
首相、大臣ら政府関係者、自治体の首長らが連日、テレビに登場する。マスクで顔を隠していても、表情や語り口から、熱意や決断力の有無、誰のために政治をしているのかが伝わってくる。
それにしても、出てくる人、出てくる人、都知事を除いて男性ばかりだ。官僚も、医療の専門家たちも。制度を作り、運用し、この国を動かしているのは男性なのだ。
対照的なのが、切迫した医療の最前線で働いている人たちだ。看護師の多くは女性だし、押し寄せる市民の相談に応じて、検査の可否を判断し、次のステップにつなげる仕事をしている保健師も、ウーマンパワーが支えている。
看護師や保健師はもともと女性の職業だったが、近年は男性の参入が増えた。といっても、厚労省の調査(2018年末)によると、男性比率は看護師7.1%、准看護師6.3%、保健師2.5%で、あいかわらず女性が中心だ。
ついでに言えば、働く女性たちを支えている保育園や学童保育、訪問介護の担い手も、ほとんどが女性である。それらの現場から悲鳴があがっている。
中でも、いま最も深刻なのが看護師不足である。コロナ感染症の重症患者を治療するとき、人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を装着すると、一般病床の患者に対するときに比べ、何倍もの人数の看護師が必要だという。
体力的にも精神的にも厳しい状況であるため、看護師たちの免疫力が落ちて感染する危険も高まる。院内感染が起これば、感染の可能性がある人は現場を離れざるを得ず、ますます人手が不足する。この負の循環は、各地の病院で既に始まっている。
市中感染や、自身から家族への感染を恐れて車中泊をしている人までいると聞くと、何とかならないかと胸が痛む。
人手不足解消のために、日本看護協会(福井トシ子会長)が離職中の看護師たちに復帰を呼びかけている。
看護師不足は、いまに始まったことではない。毎年、新卒者が就職している一方で、離職者が多いからだ。看護協会の「2019年 病院看護実態調査」によると、離職率は正規雇用看護職員全体で10.7%、新卒の場合で7.8%もある。再就職者に至っては17.7%にのぼり、6人に1人が採用された年のうちに離職しているという。
離職の大きな理由は「仕事がきつい」「賃金が安い」「休暇が取れない」といったブラックな労働環境にある。夜勤の繰り返しなど過重労働の結果、十分な看護ができていると感じられず、達成感がないというのも離職理由にあがる。患者によるセクハラ被害も多い。
解決するためには、ワークライフバランスを重視する方向に転換し、働き方の多様化・柔軟化を認める必要がある。それが離職を防ぎ、看護師らの復職につながると指摘されながら、なおざりにしてきたツケがまわってきたといえる。
国会会期中である。離職している看護師や保健師に戻ってほしいのなら、議員立法によってでも、待遇を改善する法律を早急に作り、危険な労働に応じた手当や、安心して働けるような感染対策を十分に講じてほしい。
新型コロナに対する緊急経済対策について安倍首相は「世界的に見ても最大級」と胸を張るが、規模を誇るより、こうした緊急に必要なところにお金をかけるべきではないか。
もう一つ気になるのは、感染症との闘いを戦争にたとえ、「国難」とか「非常時」という言葉が飛び交っていることだ。「こんなときだから国に尽くすべきだ」という声がどんどん大きくなり、離職看護師を追い詰めることにならないか心配だ。
かつて、日中戦争から太平洋戦争敗戦時まで、日赤看護婦(日本赤十字社看護婦養成所を卒業した者)を中心に、5万人以上が従軍看護婦として戦地に赴いた。「忠君愛国」をたたき込まれた女性たちが、「女の兵隊」である従軍看護婦を志願したのだ。
白衣の天使、崇高な女性ともてはやされ、「女ながらもあっぱれ」という賞賛の声が後押しした。だが、軍隊組織のなかでは最下層の傭人(ようにん)として扱われた。激戦地に送り込まれて命を落した看護婦も多いが、戦死者の総数すら、いまも詳らかでない。
戦後補償も遅れた。兵隊には軍人恩給(年金)が支給されたが、「女の兵隊」は対象から外された。ねばり強い要求に応じて慰労給付金の支給が始まったのは、戦後30年以上たってからで、金額も少なかった。労に報いられることもなく、使い捨てられたに等しい。
いま国難だからと、離職看護師たちの義侠心に訴えて、命の危険をともなう“戦場”に再び召集し、ゆめ使い捨てにすることがあってはならない。
【「一般の患者6%陽性」、高い市中感染率をデータが示唆 厚労省が抗体、抗原検査で流行状況把握へ】
サイエンスポータル:国立研究開発法人科学技術振興機構 4/24(金) 18:08配信
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以外の一般患者の約6パーセントが感染しており、市中感染を反映している可能性がある、と慶應義塾大学病院が発表した。サンプル数は少ないが、実際の市中感染率は都道府県別に公表される感染者数から割り出される感染率より高い可能性があることを示唆するデータだ。厚生労働省は正確な流行状況を把握するため、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査の実施を決めた。またこれとは別に感染の有無が早く分かる抗原検査も導入する方向で検討している。
日本国内の感染者数は23日現在、クルーズ船の乗員乗客を含めると約1万3000人を超え死者も約340人になった。このうち東京都の感染者は3600人近くを数え、10日連続で100人を超す感染者数が発表されている。しかし、PCR検査数が少ないことから正確な市中感染率が分からず、拡大防止対策のための基礎データにならない、との指摘が多く出されていた。
こうした中で慶大病院は21日に「4月13日から19日までの間に新型コロナウイルス感染症以外の病気で入院する予定の患者67人にPCR検査をしたところ5.97パーセントにあたる4人が陽性だった」とホームページで発表。「市中で感染したものと考えられ、地域での感染状況を反映している可能性がある」との見解を示した。4人はいずれも新型コロナ感染症の症状は全くなかったという。陽性となった調査対象が患者67人と少ないことなどから本格的な疫学調査とは呼べないが、「約6パーセント」という数字は毎日全都道府県別に公表される感染者を人口で割った数値より桁違いに高い。このため多くの医療関係者に衝撃を与えた。
厚労省は既にPCR検査を増やす方針を決めているが、国の緊急事態宣言による感染拡大防止効果を測るためにも、より正確な市中感染率を調べる必要に迫られていた。一つの参考データとはいえ、慶大病院による一般患者の感染率が出されたこともあり、同省は23日までに新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施する方針を決めた。
抗体は、人体内に侵入したウイルスから体を守るために作られるタンパク質。抗体検査は血液を採取して調べるが、抗体の有無で過去に感染したどうかが分かる。厚労省は新型コロナウイルスの抗体検査は数千人規模を目指し、東京都のほか東北など地域ごとに実施する方針だ。加藤勝信厚労相は21日に今月中に検査を始める意向を示し、菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で、献血血液を用いて複数の検査キットの性能試験を始めることを明らかにした。有用性を確認次第、本格的に抗体検査を行う予定だ。 同省関係者によると、性能試験は既に東京都で始まったという。
厚労省関係者によると、同省はこの抗体検査とは別に、新型コロナウイルスを患者の検体から短時間で簡単に検出する抗原検査の導入を検討している。新型コロナウイルス特有のタンパク質に特異的に付着する物質を使い、検体中のウイルスの有無を調べる仕組み。インフルエンザ検査のように鼻の奥の粘液を取ってその場で抗原の有無、つまり感染の有無を判定できるキットを使う。
横浜市立大学の研究グループ(同大学大学院医学研究科の梁明秀教授らで構成)は20日、患者の検体から新型コロナウイルスを15~30分の短時間で検出できるタンパク質(ヌクレオカプシドタンパク質に対するモノクローナル抗体、抗NP抗体)の作製に成功し、国産初の抗原簡易検査キットの開発を目指している、と発表している。
横浜市大のほか、民間企業も検査キットを開発済みか開発中でいずれも短時間で結果が分かるという。厚労省はなるべく早く、できれば5月ごろの薬事承認を目指しているという。
抗体と抗原はまぎらわしいが異なる。抗原は免疫細胞上の抗原受容体と結合し、免疫反応を起こす物質の総称。ウイルスや細菌のほか、ワクチン中のタンパク質も抗原になる。抗原から体を守るために作られる抗体は、体内で増えるまで時間がかかるため感染初期に検出できないが、抗原の有無は感染初期でも検出が可能だ。
米メディアなどによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は23日の記者会見で、新型コロナウイルス感染歴の有無を調べるため無作為抽出で行った抗体検査の結果、約14パーセントが陽性だったことを明らかにした。ニューヨーク市内では約21パーセントに上ったという。検査対象者は一般市民3000人。州の感染者は公式発表の10倍の推定約270万人に増える可能性があり、日本国内の検査結果が待たれる。
【人は自宅待機にどこまで適応できる? 心理学者が注目】Natinal Geographic
4/23(木) 17:45配信
新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、国によっては外出禁止令が出された。ほぼ一夜にして数億人もの人々が、孤独と闘いながら他者とつながる方法を模索しなければならなくなっている。長期にわたる自宅への「隔離」は、心にどのような影響を与えるのだろうか.
うつ病、麻薬乱用、家庭内暴力。一部の人々が受けている心理的影響の結果を、社会科学者たちは危機感をもって見守っている。米カイザーファミリー財団の世論調査では、45%の米国人がコロナウイルスの流行で精神的なダメージを受けたと回答した。タバコやアルコールの売上も上昇した。銃もよく売れているという。
私が暮らすワシントン州シアトルは、米国で最初の新型コロナウイルス感染者が報告された都市だ。そのシアトルで現在実施されている500人の追跡調査を見ると、少なくとも今のところは、この状況にうまく対応できている人が多いようだ。
心理状態を毎日報告
シアトルがあるキング郡は、米国でいち早く「社会的距離」政策を採用した。調査は、被験者が自分の携帯電話やノートパソコンから毎晩ログインしてオンラインアンケートに回答する形で実施されている。アンケートの質問内容は、今日は何時間人と交流したか、自分は誰かに気にかけてもらっていると感じるか、人とのつながりを感じるか、人とのつながりを積極的に求めたか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して考えないようにすることはどのくらい難しかったか、などだ。これまでの結果を見ると、今のところ、人々はうまく適応できているようだ。
この調査を率いるワシントン大学大学院生のアダム・クチンスキー氏は、調査開始から1カ月近くが経過し、「人々の回復力や適応力について少しずつ分かってきました」と語る。「当初は、意図しなくても頭に突然、不愉快なことを思い浮かべてしまう、いわゆる『侵入思考』によく悩まされるという回答が多かったのですが、最近は減少傾向にあります」
今も続く自宅待機で私たちが、どう変わるのかを判断するのはまだ早い。人間は生きるためにお互いの存在を必要とするので、極端な孤立は、免疫力を弱め、血圧を上げ、がん細胞を増殖させることすらある。長期的に、人との接触を断つということは、喫煙と同じくらい不健康なことと言えよう。
社会的つながりは、体に良いだけではない。米ノートルダム大学の人類学者アグスティン・フエンテス氏は、人間は一緒に問題を解決するように進化してきたと話す。私たちの祖先は、チームワークによって石器を作り、芸術を通してものの見方を共有するために、糊や染料を生み出した。私たちを人間たらしめるものの中心にあるのが「人と人とのつながり」である。「それが私たちを生かし続けているのです」と、フエンテス氏は言う。
「自分で自分がわからない」
そのつながりが今、かつて誰も経験したことのない形でかき消されようとしている。世界は過去に、COVID-19よりもはるかに壊滅的な感染症を何度か経験している。第一次世界大戦がようやく終わろうかという矢先の1918年、スペイン風邪で2000万~5000万人の死者が出た。犠牲者の多くは子どもたちだった。17世紀にロンドンを襲ったペストは、数十年ごとに第2波、第3波と流行を繰り返した。警官は感染者の出た家を外から施錠し、中にいた健康な人々までも一緒に閉じ込めた。
現在、私たちは孤立し、隔離されてはいるが、テレビ電話もゲームも、携帯電話もある。家にいながら動画で世界を旅し、ネコの動画に癒される。
私の家では、11歳の娘が大好きなサッカーの練習に行けず、裏庭で父親相手にボールを蹴っている。来シーズンのメンバー選抜テストが行われるはずだったサッカー場は現在、200床の病院になっている。最近になって、ついに娘から涙声で「あとどのくらい?」と聞かれてしまった。私は何と答えていいか分からなかった。
感情の糸はいつ切れるかわからない。普段何事にも動じない隣人のシャノン・キャンプさんは、突然自分の弱さに気付かされてショックを受けたという。親しい友人が夫婦で失業し、近所に住む2家族は濃厚接触の後、家で自主隔離している。キャンプさんの中学生の娘からは、友人に会いたいとせがまれる。だが、試練はまだ始まったばかりだ。エイプリルフールの日、こらえられなくなったキャンプさんは歩道で突然泣き出し、「自分で自分のことが分からなくなってしまったわ」と言った。
一方、いつもと変わらず落ち着いた生活を続ける人々もいる。私の家から約50キロ南のタコマ市に住むジェームズ・スミスさん(74歳)は、「不安は全く感じていません」と話す。彼の93歳の母親はひとりでロサンゼルスに暮らしている。スミスさんの息子は救急救命士として働いているが、スミスさんも妻も元々心配性な方ではない。ニュースを見て、郵便受けをアルコールで消毒し、庭でのんびり過ごしている。困難な人生には慣れていると、スミスさんは言う。「これまでと同じように、これもいずれ過ぎ去るのを待つだけです。私たちはふたりとも幸せな人間です」
こうした人たちがいるとしても、社会的距離政策で精神的ダメージを受けるのは、いたって正常な反応だ。「私たちの身体が、ほかの人々とつながりたいと信号を送っているのです」と、ブリガム・ヤング大学で人間同士のつながりの心理を研究するジュリアンナ・ホルト・ランスタッド氏は言う。「空腹が食事をとれというサインであり、喉の渇きが水を飲めというサインであるのと同じです。孤独感は、人とのつながりを促す生物的サインであると考えられています」
でも、それができなかったら、どうなるのだろうか。2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスに曝露し隔離された病院職員は、隔離されなかった職員よりも不眠やイライラ感、疲労、孤独を多く訴えたという。ほとんどの職員は数週間隔離されただけだったが、症状はその後何年も続いたという。
日々のストレスを見守る
クチンスキー氏はワシントン大学社会的つながり科学センターの心理学者ジョナサン・カンター氏と協力して、自宅待機中の人々の心の状態を把握するため、2020年3月14日に調査を開始した。この前日、ワシントン州のジェイ・インスリー知事はすべての学校の閉鎖を発表、翌15日にはバーやレストランも閉鎖された。被験者の記憶がまだ鮮明なうちにその日の様子を報告してもらうため、毎晩7時半に最低27の質問に回答してもらう。回答にかかる時間は約3分。これを少なくとも75日間続ける。
社会的交流と心の健康を専門とするカンター氏は、強い懸念を抱いていた。ひとり暮らしをしている人や、脅迫神経症などの精神疾患を抱えている人は、社会的距離政策のために、ひどい状況に追い込まれる恐れがある。既に、同僚からはそんな話が聞こえてきていた。「無事に隔離期間を終えられる人ばかりではありません。こうした事態に弱く、頼れるものもない人々もいるのです」
調査してすぐの頃の結果は意外なものだった。というのも、人々の多くは、うまく対応しているようなのだ。ウイルスのことが頭から離れなくても、人々は連帯意識を持ち、親しい人からの思いやりも感じているという。自分と同じように、周りの人も大変な状況にいるという事実が心の支えになっているのではないかと、カンター氏は考えている。
不安がある程度のレベルに達すると、それ以上は増えることなく、他人との摩擦も少なくなった。新型コロナウイルスのことを考える機会は日ごとに減り、運動量は増えた。「事態に慣れつつあるのかもしれません」と、クチンスキー氏は言う。ただ、ワシントン州知事が外出禁止令を20年5月上旬まで延長すると発表した日は、被験者たちのストレスの度合いは再び上昇に転じた。
おおむね好ましい傾向にはあるものの、深い不安と悲しみに苦しめられている人々も少なくない。「今感じている孤独感の大きさを0から10の数字で表してくださいと被験者にたずねると、4月上旬の平均値はまだ3でした。でも毎日のように、0と回答する人もいれば10と回答する人もいました」
カンター氏は、調査で明らかになった、こうした点を憂慮している。研究を始めた当初は、ただ単純に誰がうまく適応しているか、誰が大変な思いをしているか、それはなぜなのかを知りたいと、同氏は考えていた。
でも今カンター氏は、人々の苦しみを和らげる新たなプロジェクトに取り掛かっている。4週間かけて、全米で似たようなアンケートを実施し、2週目と3週目には被験者の半分に対して、心の健康に良いことが実証されているアドバイスを毎日テキストメッセージで送信する。
「通常の社会的交流やつながりが中断されて、実際に孤立し、社会的断絶を経験している人々がいます。そうでなくても、不安を感じている人が多いのが現状です。今できる基本的なことを実践して、人々を再びつなげることができればと願っています」。カンター氏はこう結んだ。
【看護師の子ら、園の預かり拒まれる 出勤できない人も 医療に打撃 那覇市立病院 琉球新報
4/21(火) 8:09配信
那覇市立病院の看護師2人に新型コロナウイルスの感染が確認された件で、保育園や学童が同病院職員の子どもの預かりを拒んでいたことが20日分かった。同病院によると、預かりを拒まれたのは看護師や事務職員5~6人。同病院の砂川敦事務局長は「子どもを受け入れてもらえないと、病院スタッフが休まざるを得なくなり、十分な医療を提供できなくなる恐れもある」として受け入れへの協力を呼び掛けた。
子どもの保育園や学童のほか、親のデイケアの受け入れを断られ、出勤できなかった人もいた。預かりを拒まれた同病院の女性看護師は「(感染した看護師に)接触していたかもしれないし、していないかもしれない。不安に思い預かりたくない気持ちは分かるが、感染防止の対策はしっかりしている」と理解を求めた。
同病院では18、19日に50代と40代の看護師の感染が判明した。そのうち50代女性は夫から感染したとみられる。40代男性は新型コロナ感染症患者の病棟を回り患者の対応に当たっていたが、完全防護で勤務していた。また、保健所の指導を受け、感染が判明した看護師2人と接触があった同僚や患者にPCR検査を実施、全て陰性で症状は出ていないという。
砂川事務局長は「院内で感染は広がっていない。マスクや防護服も基準通りに使い感染対策の手順をきちんと守っている」と強調し、人手不足で医療機能が縮小すれば「他の医療機関にも負担がかかる。今はさまざまな立場の人が力を合わせることが必要だ」と理解を求めた。
コロナ最新情報・家庭での対策は?
【ホームレス殺害の疑い、大学生ら少年5人を逮捕へ 岐阜】朝日新聞 4/23(木) 11:56配信
岐阜市の河渡(ごうど)橋付近で3月、住所不定無職の渡辺哲哉さん(当時81)が何者かに襲われ、その後死亡した事件で、岐阜県警は23日、県内に住む少年5人が関与した疑いが強まったとして、殺人などの疑いで逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、5人は3月25日未明、渡辺さんに投石などの暴行を加え、死亡させた疑いがある。5人は友人同士で、一部は県内の大学に通っているという。
渡辺さんは、JR岐阜駅から西へ約4キロの長良川と伊自良(いじら)川の合流地点付近の橋の下で、知人女性(68)と生活していたという。3月25日午前2時ごろ、テントが張ってある橋の下に女性といたところ、何者かに石を投げつけられその場から逃走。約1キロ北へ逃げたところで女性が後ろを振り向くと、渡辺さんが路上に倒れていたという。女性が「知人が数人の男に蹴られた」と110番通報した。
渡辺さんは同日、搬送先の病院で死亡が確認され、死因は脳挫傷と急性硬膜下血腫だった。捜査関係者によると、頭頂部には強い衝撃による陥没骨折がみられたという。県警が殺人事件として捜査していた。
渡辺さんは3月中旬ごろから、一緒に暮らす女性とともに、何者かに石を投げられるなどの被害を繰り返し受けており、県警は関連を調べる。2人はこれまで計4回、通報や近くの警察署へ相談をしていた。
【碓井真史】21分前
新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授(社会心理学)
<少年達の変化に応じた適切な対応を>
少年による犯罪は、減少傾向が続いている。特に殺人など凶悪犯罪は激減している。かつて毎年300〜400人の少年殺人犯が検挙されていたが、現在は100人前後である。
しかし、少年犯罪の質が変化したという意見はある。かつての少年犯罪者は、とても乱暴で、特に自分より上の者、強い者に向かって行った。
しかし近年は、攻撃が弱者に向かっているという指摘もある。このような傾向を「甘え攻撃型」と呼ぶこともある。
さらに、かつては乱暴な少年グループには強力な「リーダー」がいて、必要があれば、「そのへんにしておけ」とメンバーの暴力を止めることもできた。グループ内に鉄の掟があったりもした。
しかし今は、形だけのリーダーはいても、強力なリーダーシップは取れず、グループがある方向に動き始めると誰も止められないこともある。
今の少年たちに応じた対策が求められている。
【「病院辞めたい」「勤務中に泣き出す人も」 医療現場が悲鳴】琉球新報 2020年4月20日 10:07
「とにかく、家族にうつさないか不安。同僚には不安が高まって勤務中に泣き出す人もいる」「家族への感染が怖いので病院を辞めたい」「責任感だけで頑張っているが体はくたくた」。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県医療福祉労働組合連合会(県医労連)は7日から15日にかけ県内9カ所の医療機関、介護・福祉施設に聞き取り調査を実施した。衛生備品が不足し、多忙の中で緊張とストレス、感染への不安を抱える医療従事者らの切実な状況がうかがえる。
聞き取り調査では、マスクや消毒薬など衛生備品の不足、現場任せの対策や院内感染を想定した準備が不十分などの指摘があった。特に医療機関では多忙や家族への感染不安など、精神的な負担を挙げる人が多かった。
家族に対する感染不安では「コロナ患者の受け持ちになったら、家に帰らずホテルに宿泊したい。ホテル代などの負担をしてほしい」など宿泊施設の確保や食料支援を求める声があった。新型コロナウイルス感染症患者の対応にあたる人には「危険手当が必要だ」といった声もあった。
「会議など通常の患者対応以外の業務が増えている」「家で子どもの世話ができないくらい疲労」など、負担が増大している実態から一時的な増員を求める声もあった。
また、「家族に『コロナ関連の仕事をしている人はいるか』と問うアンケートがあった」との声もあり、「多忙な状況の中で差別的な対応をされるととても悲しく、辞めたくなる」と医療従事者が差別や偏見に苦しむ現状も浮き彫りとなった。
【保護者が感染、子どもの面倒は誰が?預け先見つからない…対応は】西日本新聞 4/22(水) 10:21配信
夫婦共に新型コロナウイルスに感染したフリーアナウンサーの赤江珠緒さん(45)が「(感染していない2歳の)子どもの面倒は誰が見たらいいの」と問題提起して、子育て世代の共感を集めている。親族が高齢だったり、近くにいなかったりすれば、預け先は簡単に見つけられない。保護者だけが感染した場合、どんな対応ができるのか。
厚生労働省によると、まずは保健所がケースに合わせて対応を判断する。厚労省は10日、親族などによる養育が難しい場合、迅速に子どもを保護するため、都道府県に対し、自治体や児童相談所(児相)で対応を検討するよう指示した。
福岡県では政令市を除き、必要と認められれば児相の一時保護所などで保護し費用は国と県が負担する。既に1件保護した例があり、県児童家庭課は「まずは保健所に相談を」と話す。
福岡市も児相で一時保護するよう調整している。北九州市は一時保護の他に、児童養護施設などで預かる子どもショートステイ事業の活用も検討する。子どもの年齢などによって利用料は異なるが、市民税非課税世帯で2歳以上なら、1日当たり千円。各区役所保健福祉課が相談に応じる。
ただ、県内のある保健所は「子どもの年齢や状況によっては児相での保護が難しく、自宅で感染した親と過ごしてもらったケースもある」と明かす。赤江さんも自宅で子どもと2人で過ごしているとされる。
北九州市の感染症専門医山口征啓さんは、保護者が軽症なら、マスク着用や換気などの予防策を徹底しながら自宅で一緒に過ごす選択肢もあると説明。「家庭内での感染リスクを避けるか、幼い子が2週間以上親と離れて暮らすデメリットを避けるか。それぞれが判断するしかないが、保護者は預け先を確保するなど準備しておいた方がいい」とする。
子育てを支援する認定NPO法人フローレンス(東京)の駒崎弘樹代表理事(40)は「児相や児童養護施設、乳児院は職員を増員し、施設整備を急ぐ必要がある。保護者が自宅療養できる場合も買い物代行などの細やかなサポートがあった方がいい」と話した。
【死亡後に陽性判明、15人 3月中旬以降 警察庁】時事通信4/23(木) 12:06配信
自宅や路上などで死亡し、警察が通報などを受けて対応した事案のうち、新型コロナウイルスの陽性反応が出た死亡者が3月中旬から今月22日までに15人に上ることが分かった。
警察庁の松本光弘長官が23日の記者会見で明らかにした。
同庁によると、15人は全員男性で、内訳は東京都が9人、埼玉県2人、兵庫県2人、神奈川県1人、三重県1人。
搬送時の状況やコンピューター断層撮影(CT)検査、親族の説明などから、医師らが感染を疑ってPCR検査を行い、陽性と判明した。死因が新型コロナウイルス以外の人もいるという。
捜査関係者によると、東京都足立区では今月9日未明、60代男性が路上で倒れているのを通行人が見つけ、警察署に連絡。男性は搬送先の病院で死亡した。
救急隊員が肺炎を疑って医師がPCR検査を実施したところ陽性が判明した。死因は新型コロナウイルスによる肺炎とされたという。
【月内にも抗体検査実施 数千人対象、保有率調査 新型コロナの感染実態把握・厚労省】時事通信4/22(水) 21:11配信
新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省が月内にも実施する方向で準備を進めていることが22日、分かった。
同ウイルスは感染者の約8割が無症状か軽症とされ、抗体保有率を調べることで感染者全体の推計や流行状況の把握につなげる。
同省などによると、検査は数千人を無作為に抽出して実施する見通し。今年度補正予算案に関連経費約2億円を盛り込んでいる。
抗体は、体内に侵入したウイルスから体を守るために作られるタンパク質で、採取した血液を検査して過去に感染したかどうかを調べる。
【「村八分」日本人が意外と知らない本当の意味】東洋経済 4/18(土) 16:01配信 吉川 美津子 :社会福祉士
これまで人類は、幾度となくこうした疫病と戦い乗り越えてきました。世の中が騒がしくなると、さまざまな信仰がうまれ、各地で祭祀が営まれていきました。疫病や死に対する恐怖から、各地でしきたりや迷信がうまれ、慣習として今日まで伝承されているものも数多くあります。
もちろん昔の慣習が現代にそのまま当てはまるわけではありませんが、「なぜそのように言われているのか」という考え方はどこか今に通じるものがあるような気がします。
■「死者に夜通し付き添った人」が謹慎する理由
通夜といえば、現代では親しい人とのお別れの場として儀式が行われるものですが、もともとは死者の側に近親者が夜通し付き添う行為のことで、夜伽(よとぎ)とも言われていました。
通夜において死者と共に過ごした人は、一定期間(7日~10日程度)の忌みがかかるとして、外に出ることは許されず、喪家で過ごすこととされていました。
それを「忌み籠り(いみごもり)」といいますが、死をもたらした原因が何かわからなかった時代では、死者の周囲から感染が広がっていくという事実に対し、「忌み籠り」という言葉を使って一定期間の謹慎を強いていたのかもしれません。
なお、夜通し故人の側にいる理由として、「寂しくないように」、「死者の魂に寄り添って生き返ることを願う」など諸説ありますが、中でも死臭を察して寄ってくる野獣から守るため、という説は現実味を帯びているのではないでしょうか。
また「線香やロウソクを絶やしてはいけない」ともいわれますが、これも「故人が成仏できるように」という願いだけではなく、野獣除け、虫除け、死臭を消すため、という目的もあったと言われています。
通夜や葬儀・告別式の後、「通夜ぶるまい」や「精進落とし」「精進上げ」と称される食事が振るまわれる地域が多いと思います。
こういった一連の葬送儀礼の中での食事については、喪家は口を出さず、隣近所にまかせるという方式をとっていた地域が多くあるのですが、これも得体の知れない疫病と無関係ではなさそうです。
家族は故人と生活を共にし、納棺・通夜などを通じて密接な関係にあります。その家のかまどを使い、今でいう「濃厚接触者」である家族が料理をすることは衛生的にNGだったのでしょう。
通常用いる火とは別の火を使用することを「別火(べっか)」といい、通夜ぶるまいや精進落とし等でふるまわれる料理は、他家で準備されるものでした。また喪家とは別のかまどで炊いた握り飯を持参するところもあったそうです。
■村八分から「火事」と「葬式」が漏れた理由
村八分とは、村社会の秩序を維持するために行われた処分のことで、共同決定事項に違反したり、共同労働を行わなかったり、あるいは犯罪行為をはたらいて秩序を乱した場合など、その家に対して交際を絶つなど人付き合いが制限されました。
八分とは冠・婚・建築・病気・水害・旅行・出産・年忌の8種のことで、これらは制裁が加えられる対象となるわけですが、残りの2種である火事と葬儀は別とされていました。
火事は、村全体へ火が回ってしまったら自分たちの生命や財産が危うくなるから、葬儀は村人への疫病の伝染を防ぐため、やむをえずであっても助け合わなければいけないというものです。
家族は、臨終から通夜等を通じて故人の側にいるため、感染症が原因であれば「濃厚接触者」である状態です。自分たちで葬儀の準備等を行い家の外に出ることによって、感染が拡大してしまうことも考えられるでしょう。死体の処理ができず放置されてしまったら、さらに事態は悪化してしまいます。
若い男性は墓穴を掘り、女性は台所でまかない仕事などを分担します。こうして死穢(しえ)を遠ざけようとしていたのでしょう。
一定期間の忌み籠りが終わることを「忌明け(いみあけ)」といいますが、かつてはこれをヒアケと呼ぶ地域がありました。ヒアケは「火明け」と書きますが、これをもって近隣の人と喪家が同じ火を使って調理することが可能となるそうです。それまでは死穢のある家の火を他人の家の火と混ぜると死穢が伝染し、拡散していくと考えられたのでしょう。
このように一定期間を過ぎると、死者を不浄視するような物理的条件が取り除かれていきます。戦国時代では、家族の死後数週間は主人の館に出仕できず、その期間が過ぎると衣服を着替えて参上したとか、漁村では四十九日を過ぎると漁が解禁になるというところもあったようです。
■なぜ塩が「穢れ」を払うのか?
『古事記』にはイザナギノミコトが海で禊祓い(みそぎはらい)をした神話から、塩は民間信仰のひとつとして「清め」のシーンで多く使用されていました。
塩そのものに殺菌性や防腐性はありませんが、塩を使うことによる作用により殺菌・防腐の効果が認められることもあります。そのため、昔の人は葬儀を終えた後、疫病を遠ざけたいという意味で塩を身体に振りかけたり、塩を踏んだりしてから家に入っていたのかもしれません。
他にも米、味噌、大豆、魚、餅、団子などを食べることで「清め」とする地域もあります。また小豆も赤飯や煮豆、粥といったものに形を変え、葬送儀礼のシーンでは広く食されていました。これらを食することで残された人がしっかり力を蓄え、免疫をつけておきたいという願いが込められていたことも伺えます。
土葬の場合、埋葬するためには穴を掘る作業が必要となりますが、穴掘り役は多大な労力を費やすだけではなく死体に接することから、身体を守るためにさまざまな工夫がなされ、そこからしきたりが生まれました。
穴を掘る人は、精力をつけるため握り飯や豆腐などを持参したり、届けられたりもしたそうです。酒を持っていくところもあるのですが、これは消毒の意味もあるのかもしれません。また、必ず火を焚きながら掘るというところもあります。
なお、持参したり届けられた握り飯や酒は、残さず食するか、そのまま置いて帰ります。穴掘りに使用した道具も持ち帰らずに、そのまま墓地に一週間程度置きっぱなしにするそうですが、これも感染症対策と無関係とは言い切れないような気がします。
ちなみに現在でも、火葬場に持っていったものや、火葬場で購入したものを持って帰ってはいけないと言われているところもありますが、こういったしきたりの名残ではないでしょうか。
【参考文献】
『民俗小事典 死と葬送』 編:新谷尚紀・関沢まゆみ(吉川弘文館)
『知れば恐ろしい日本人の風習』 著:千葉公慈(河出書房)
また、四十九日餅といって、四十九日にお供えされるお餅もあります。これは喪家でついた餅で、これを隣近所に分けたり、寺や墓に持っていくことで喪家にかかっていた穢れは解かれるというもの。霊的な恐怖というより、目に見えない疫病から一定期間遠ざけるための方法として、先人たちが生み出した知恵なのかもしれません。
【視覚障がい者に光を与えた父子の凄い就労支援】東洋経済 4/19(日) 11:10配信 坂本 光司 :経営学者、人を大切にする経営学会会長
経営学者である坂本光司氏の40年以上にわたる企業の現場研究から見つけ出した、中小・中堅、また地方の企業であっても数々の困難を越えてきた会社・団体は、必ずと言っていいほど「人を幸せにする経営」を行っています。今回は、NPO法人の六星・ウイズ(静岡県浜松市)を『日本でいちばん大切にしたい会社7』より紹介します。
全国には937万人の障がいのある方が暮らしているが、中でも特に苛酷な状態に置かれているのが、全国に32万人いる視覚障がい者である。
民間企業に就労している視覚障がい者は、1万9000人。視覚障がい者全体のわずか6%にすぎない。かつては、鍼治療やあんまやお灸で生計をたてる視覚障がい者も多かったが、この分野にも健常者が押し寄せ、働く場はどんどん狭くなっている。
こうした現状を見かねて立ち上がったのが、静岡県浜松市にある事業所、NPO法人の六星・ウイズである。六星・ウイズは、浜松市内に「ウイズ半田」と「ウイズ蜆塚」の2カ所の拠点をもち、現在では49名の視覚障がい者と、13名の職員が働いている、わが国では稀有な視覚障がい者の就労支援施設となっている。
■視覚障がい者のための折りたためる杖
現在の理事長である斯波千秋氏の父である穏(やすし)氏は、尋常高等小学校を卒業後15歳で日本でも有数の自動車修理工場「アート商会」に丁稚小僧として入った。そこで一緒になったのが、ホンダを創業した本田宗一郎氏だった。
戦後、本田宗一郎氏はアート商会から独立し、故郷の浜松に会社を立ち上げる。その創業メンバーとして呼ばれた穏氏がある時、本田宗一郎と仕事で泊まった旅館であんまさんを呼んだ。
宗一郎氏と穏氏が体をもまれながら話していると、あんまさんが、「私たちは竹の長い棒を杖代わりにして歩いているけれど、折りたためないので邪魔になる。もっと小さくできる杖はできないものだろうか」と言う。
2人は翌朝、竹の釣り竿を買ってきて、折りたためる杖をつくった。それを翌日あんまさんに渡すと、涙を流して感謝されたという。
その後、本田宗一郎氏は、国産の二輪車や四輪車を開発して世界に打って出る道をまっしぐらに進むが、あの時のあんまさんのうれし涙が忘れられなかった穏氏は1954年、「盲人福祉研究会」という会社を立ち上る。
スタート時の主な仕事は、折りたたみができる杖を商品化して販売することで、何度も試作をくり返し、改良した木製の折り畳み式の杖の商品化に成功する。
この商品は口コミでたちまち広がり、当時の厚生大臣から「愛の杖」という名称ももらうことができた。欧米では視覚障がい者が持つ杖は白く塗られているのが一般的だったため、日本でも白杖が主流となり、「愛の杖」という商標ブランドで、「盲人福祉研究会」の白杖が全国に普及していった。
しかし海外から大量生産で安価な杖が輸入されるようになり、会社の業績はじり貧になってくる。そんな折に穏氏が72歳で急死、白羽の矢が立ったのが、穏氏の四男である千秋氏だった。
斯波千秋氏は1972年、お父さんの穏氏のあとを継いで「盲人福祉研究会」に入社、目が見えない人たちが使う用具を開発しながら、市場を広げるため全国を営業して回った。その過程でたくさんの視覚障がい者たちと会った千秋氏にとっては、驚くことばかりだった。
とにかく、ほとんどの人が仕事に就いていない。やりたくても、やらせてもらえるところがない。中途失明した方たちは家から一歩も外に出ることができず、一生、座敷牢のようなところですごす人もいた。
当時、全国には大きな施設に入れない障がい者たちの小規模作業所が4000カ所以上あったが、視覚障がい者を対象とするものは皆無だったのだ。
■日本初の視覚障がい者のための施設
そこで1996年、斯波さんは浜松市の郊外、半田町という場所に民家を買い取り、全国で初めての視覚障がい者のための小規模授産所「ウイズ」をオープンさせる。最初の入所者は7人の視覚障がい者、そして斯波氏も入れた4人の職員でスタートした。
「ウイズ」の最初の仕事は、取材に来た記者たちの名刺に点字を印刷することだった。日本初の視覚障がい者のための施設ができたということで、新聞記者やテレビ局、雑誌社などがたくさん来る。
そこで斯波さんは記者やカメラマンの名刺を点字名刺にする、という営業をした。「1枚10円です。1人10枚の点字名刺をつくりますから、100円置いていってください』と言うと、6~7社の記者やカメラマンが名刺を置いていった。
その名刺を点字に直す練習を1週間かけて行い、いよいよ本物の点字名刺を手打ちして送ったという。1枚つくって10円。100枚つくって100円。そのお金を「あなたの稼ぎだよ」と言ってつくった人に渡すと、視覚障がい者たちは輝くようなうれしい表情になった。
たった100円――。しかし、光を失ってから初めて自分で稼いだお金。斯波さんが求めていたのは、まさに視覚障がいがある方の、この“うれしそうな顔”をつくることだった。
そのうちに、点字の電話帳や点字の広報誌など公的な仕事もくるようになった。こうして点字印刷は「ウイズ」を支える重要な事業の1つになったのである。
多くの人々の協力もあり、「ウイズ」は半田と蜆塚に2つの拠点をつくることができた。さらに2006年、無認可の授産所ウイズを法人化するために、NPO法人六星・ウイズを立ち上げ、視覚障がい者のための居場所と仕事づくり雇用の場の確保、そして仕事ができるようにリハビリをめざす新しい組織をつくったのである。
斯波さんが力を注いだ自家商品も、白杖、点字印刷のほかに、ラベンダー入りのポプリの小物やマグネットグッズ、布ぞうりなど20種類以上になっている。
「ウイズ半田」と「ウイズ蜆塚」の2拠点には、3人のペルー人、1人のブラジル人もいる。ペルーからやってきた出稼ぎの外国人は、夫婦で来日したもののご主人は病気で亡くなり、奥さんは来日してすぐに目の病気で失明し、手術をしても、視力は回復しなかったという。ご主人の入院費や自身の目の手術代で生活に困窮していたところを、六星・ウイズが手を差し伸べた。
■障がい者たちを生き返らせること
斯波さんはこう言っている。
「世の中の人と一緒に同じことができないのが障がいであり、できないと決めつけるのが障がいです。だとしたら、1人でできるようになるのは、障がいから生き返ることだと私は思います。周囲の人たちの手助けを借りてでもいい。私たちの使命は、障がい者たちを生き返らせること。一般の人と同じように仕事に就いて、お金を得て、社会の役に立つ喜びを感じさせてあげることなんです」
【コロナによる閉じこもり生活は、人の心を痛めつける】ダイヤモンド 4/19(日) 6:01配信
永田公彦
感染症対策として外出・移動・仕事などの活動制限を受け、自宅に閉じこもった生活が、精神的苦痛につながることは、多くの学術研究論文が指摘しています。
その中で、まず今回の新型コロナウィルスに関連した調査研究結果として、上海交通大学医学院の仇剣崟博士を中心とする研究グループが、先月6日に英国の医学誌BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)を通じ発表した論文を紹介します。
新型コロナウィルス発生源の湖北省武漢市を含む36地域(省・自治区・直轄都市)と香港、マカオ、台湾の5万2730人からオンラインで得たデータを元に、非常事態下での人々の心理的苦痛の状況を分析しています。データは、1月31日(中国での感染者数が約1万人に達し、世界保健機構が「感染状況に対し国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した日)から、2月10日(中国での感染者数が4万人超え)に集められています。
同論文によると、回答者の40%が(うち5%が強度の)心理的苦痛を抱えている、男女別では女性に多く、特に感染者数が多い地域、年齢では18~30歳と60歳以上に多い(逆に18歳以下が最も少ない)との結果が出ています。また、心理的苦痛の程度と外出移動制限の厳しさの関連性について筆者が仇剣崟博士に確認したところ、都市封鎖による外出と移動の制限が最も厳しかった湖北省を中心に、華中地域で値が高くなっていることから、関連性は十分にあり得るとのことです。
● 長くなるほど精神的苦痛は高まる
次に、ロンドン大学キングスカレッジの研究グループが、先月14日に医学誌ランセットを通じ発表した論文を紹介します。近年発生した感染症対応(SARS、エボラ出血熱、2009年の新型インフルエンザ等)における人々の隔離生活と心理的影響を示した24の先行論文をレビューしたものです。
同論文によると、隔離生活者の多くから精神的な苦痛や混乱の症状が認められたことを大多数の先行研究が示しているといいます(情緒障害、鬱、ストレス、気分の落ち込み、イライラ、不眠症、怒り、感情疲労、逃避行動等)。また、隔離生活を経験した親子と未経験の親子の心的外傷後ストレス障害の症状スコアでは、子どもで経験者は未経験者の4倍高い30%、親では5倍近く高い28%となっています(Sprang G, Silman M, 2013)。これに加え、複数の調査研究が、隔離生活が長くなるほど精神の悪化程度も大きくなることを示しています。
● 時間とともに人々の心が悪化
前回コラム「コロナで全土ロックダウン、フランス人は9割以上が歓迎した」で、その理由も含めお伝えしたとおり、フランスでは、軟禁生活当初、大多数の国民がこれを冷静に受け入れ、規律を守り粛々と軟禁生活をスタートしました。そして今5週間目に入っていますが、基本的に社会は平穏で大多数の国民は冷静沈着に過ごしているようです。
ところが、人々の心の内を覗くと、先月政令を受けて国民の8割以上が軟禁生活を開始した直後から、それほど平穏でないことが見て取れます(QAPA調査、先月17~20日、就業者約460万人を対象)。
同調査では、厳しく制限された生活に不安を覚える人は79%(男78%、女81%)、軟禁生活に向こう何週間持ちこたえられるかとの問いに、28%が2週間、23%が3週間、17%が必要であれば長期でもと回答。テレワークについては、48%が困難をきたし生産的ではない、43%が軟禁生活終了後に心理カウンセリングが必要(89%が勤務先にこうしたサポートの仕組みがない)と答えています。
それから2週間後の先月30日発表のYouGov調査(26~27日、18歳以上の国民約1000人対象)では、軟禁生活に入る前と比べ、40%(男33%、女46%)が気分が良くない、10%がかなり良くないと回答しています。このように2週間の軟禁生活で、半分近くの国民が、心に何らかの支障を感じています。
● 3割増のDVと児童虐待
世界各地で家庭内暴力の増加が懸念されていますが、フランスでは、その増加が数字で顕著に示されています。
まず、既に一部日本でも報道されている通り、DV(配偶者暴力)の通告件数は、軟禁生活が開始された当初1週間で、パリ都市圏で36%、地方で32%増加しています(政府「男女平等政策」担当秘書官発表)。
次に、児童虐待も増えています。NGO子どもの声協会への通告は、最初の2週間で30%増加、119番(政府・自治体運営の子供保護用緊急電話番号)への通告も3週間で20%(うち緊急性の高いものが60%)増加しています(タケ連帯・保険大臣付副大臣、9日発表)。
また悲惨な事件も起きています。先月29日パリ郊外で、6歳の息子が学校からある書類を持ち帰らなかったことで怒った45歳の父親が、彼を殴り転倒させ死亡させています。
今のところ、軟禁生活による精神的変化と事件との直接の因果関係はわかりませんが、先月16日から政令により学校が閉鎖され、親が子どもの勉強を手伝う必要が生じてから2週間後であることを踏まえると、何らかの関係性があると疑われます。ある児童虐待専門弁護士によると、学校閉鎖と外出制限の下では、親と子供が家に閉じ込もり状態にあり、虐待事実を伝えやすいとされる先生や友達との接点がないことが危惧されると言います。
筆者もこの事件を知った後、ご近所さんが児童虐待情報を通告する役割が高まると思い、近所の家から聞こえてくる子どもの泣き声や、散歩中に出くわす泣く子どもに、より注意を払うようになりました。
● 増える依存症と自殺者
対人暴力に加え、世界各地で憂慮されているのが、酒、タバコ、薬物、スイーツ等への依存症です。アメリカでは先月3週目の1週間で、酒類販売額が55%増加、特にアルコール度数の高いジン・テキーラ・カクテル系が75%増といいます(ニールセン調査)。これは都市封鎖前の買いだめ需要もあるとはいわれていますが、南アフリカでは先月26日からアルコールとタバコの販売が禁止されるなど、世界各地で刺激物依存に対し、警戒の動きが政府そして市民の間で高まっています。
また、ここフランスでは、長期化する監禁生活による孤独に屈し、自らの命を絶つ事例がでてきました。7日未明、HEC (フランス屈指のビジネス経営系エリート養成校)のキャンパス内学生寮で、インド人学生が飛び降り自殺しました。その前の週に心理カウンセラーに相談してしており、家族と遠く離れた異国での隔離生活や学問のプレッシャーによる鬱(うつ)が原因とされています。また先月31日には、地方で一人住まいの69歳の女性が、自宅近くで自殺。地元町長と息子さんによると、彼女は政治や社会活動に熱心な自由闊達なタイプで、1週間前から自宅軟禁生活にうんざりしていたといいます。さらに今月5日には、仏サッカー一部リーグ所属クラブのランスのチームドクターが、夫人も含め新型コロナウィルスに感染し自宅隔離中に自殺するなど、悲惨なニュースが次々と報道されています。
以上のように長引く閉じこもり生活により、人の心は悪化します。しかしその程度は、「政府の信頼度、政策、言動」「個人の特性と国民性」「自宅の物理的環境と家族の状態」「仕事と勤務先の状態」「地域の社会経済環境」の5つの要因に左右されます。これら要因に注意を払い、政府、事業経営者、国民一人ひとりが適切に対処することで、心の悪化はかなり抑えられます。
次回コラムではこれら要因の詳細、そして筆者も含め一般市民が対処できるポイントを扱いたいと思います。もし皆さんの中で「自分(達)はこんなことをしてるよ」という事例があれば、読者の方々とシェアできればと思うので、ぜひお寄せください。
【「路上生活するしかない」コロナで困窮シングルマザーたちの「悲痛な声」】現代ビジネス 4/18(土) 7:01配信
仕事の減少、解雇の不安
京都府
【今、一番困っていることは】
子どもの学校が早くから休校になり、在宅時間が増えたので食費も増えています。高校生なので、 私が仕事の時は留守番できるとはいえ、親不在の中子どもだけの留守番は気分も落ち着きませんでした。何より、コロナの影響で予定の仕事が延期になってしまい、時間給で勤務しているのでダイレクトに辛いです。もうすぐ春なので、学費の請求がやってきます。収入を増やしていきたい時期だったので不安です。
【今後、不安なことはなんですか】
確実に収入減で、新学期には学費の請求がくるので心配です。正社員ではないのでコロナの影響で予定の勤務時間が相当削られてしまい、不安しかありません。子どもの学業も、学校がないとどうしても締まりがなくなっています。
【政府にのぞむことはなんですか】
学費の減免(実際通えてない期間があるのも事実)があると助かります。非課税世帯の死別の子持ち世帯に対して、子どもの教育に必要なお金を特に助けて欲しいです。食費はやりくりして、たとえ自分がしばらく食べなくても過ごせても、学費からは逃れられません。お肉券やお魚券、商品券など、どんな形でもいただけるのはありがたいですが、現金支給が助かります。公共料金なども、緊急事態なので減免が少しでもあると非常に助かります。
東京都
【今、一番困っていることは】
勤め始めたばかりである為、コロナ禍による解雇をされないか不安。収入が減った事で、学費を納められなくなるのではないかという大きな不安。
【今後、不安なことはなんですか】
このまま日本経済が大きな不況に陥り、奨学金受給者が増えた場合、何処までの支援が受けられるのか。私がコロナウィルスに感染した時に、子どもたちの面倒を見てくれる身内がいない。不安に押し潰されそうな毎日です。
【政府にのぞむことはなんですか】
今は生活費・学費の支援です。コロナウィルスが落ち着きましたら、子どもたちの学業支援・バックアップをしっかりと考えて欲しいと、心から望みます。コロナウィルス禍の不況により、大学へ行けない子どもたちが増えないことを願います。
【今、一番困っていることは】
子どもの学校が早くから休校になり、在宅時間が増えたので食費も増えています。高校生なので、 私が仕事の時は留守番できるとはいえ、親不在の中子どもだけの留守番は気分も落ち着きませんでした。何より、コロナの影響で予定の仕事が延期になってしまい、時間給で勤務しているのでダイレクトに辛いです。もうすぐ春なので、学費の請求がやってきます。収入を増やしていきたい時期だったので不安です。
【今後、不安なことはなんですか】
確実に収入減で、新学期には学費の請求がくるので心配です。正社員ではないのでコロナの影響で予定の勤務時間が相当削られてしまい、不安しかありません。子どもの学業も、学校がないとどうしても締まりがなくなっています。
【政府にのぞむことはなんですか】
学費の減免(実際通えてない期間があるのも事実)があると助かります。非課税世帯の死別の子持ち世帯に対して、子どもの教育に必要なお金を特に助けて欲しいです。食費はやりくりして、たとえ自分がしばらく食べなくても過ごせても、学費からは逃れられません。お肉券やお魚券、商品券など、どんな形でもいただけるのはありがたいですが、現金支給が助かります。公共料金なども、緊急事態なので減免が少しでもあると非常に助かります。
東京都
【今、一番困っていることは】
勤め始めたばかりである為、コロナ禍による解雇をされないか不安。収入が減った事で、学費を納められなくなるのではないかという大きな不安。
【今後、不安なことはなんですか】
このまま日本経済が大きな不況に陥り、奨学金受給者が増えた場合、何処までの支援が受けられるのか。私がコロナウィルスに感染した時に、子どもたちの面倒を見てくれる身内がいない。不安に押し潰されそうな毎日です。
【政府にのぞむことはなんですか】
今は生活費・学費の支援です。コロナウィルスが落ち着きましたら、子どもたちの学業支援・バックアップをしっかりと考えて欲しいと、心から望みます。コロナウィルス禍の不況により、大学へ行けない子どもたちが増えないことを願います。
FRaU編集部
【ピーク試算は受診者1日42万人 “医師の死”が招く医療崩壊とその防衛策】〈AERA〉
4/16(木) 8:00配信
(佐藤初姫)
新型コロナウイルスが国内で感染流行のピークを迎えるとき、どれほどの感染者が出てくるのか。その一つの目安を、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が公表している。
それによると、全国で1日のうちに発症を疑って外来受診する患者数は42万6482人で、このうち重症者が7557人。東京都だけでも、外来受診者が4万5千人超にのぼり、約700人の重症者が出る──。
これは、厚労省クラスター対策班に参加する北海道大の西浦博教授が示した計算式をもとに計算された数字だ。
「ものすごい数字が出ているということは承知していますが、公衆衛生学的な予防措置をしなかった場合を前提としています。イメージしながら体制を整えてくださいということです」(厚労省担当者)
最悪に近い事態が現実のものとなるか否かは、我々一人一人の行動にもかかっている。だが、それ以外の懸念もある。医師で立命館大学生命科学部教授の下妻晃二郎氏が「特に心配だ」と考えるのが、地方の医療体制だ。
「地方の公立の病院を中心に、すでに何年も前から医療崩壊は始まっているのが現実です。医師の適正配置も行われず、診療科目にも偏りがあります。そこへ来て今回の新型コロナウイルスの問題です。そもそも感染症の専門医自体、国内でも少ないのですが、地方ではより手薄な状況であることは間違いありません。一気に患者が増えたときに、医療体制が突然、傾く可能性があります」
地方の医療体制をめぐっては、すでにこんな事態も起きている。3月に大分市の国立病院機構大分医療センターで院内感染が疑われるケースがあり、感染者の転院先の一つの佐賀関病院は救急の受け入れを止めた。
大分市の担当者は「元々患者が多くなかった」と影響は小さかったと説明するが、佐賀関病院がある大分市東部では、患者を受け入れられる救急病院が一時期、ゼロになった。
都内でも、永寿総合病院や慶応大学病院、東京慈恵会医科大学付属病院などの地域医療や高度医療を担う病院で院内感染が疑われる事案があり、各病院は機能停止に陥った。
当然、町の医療機関にも影響は出ている。都内の40代の男性開業医はこう話した。
「発熱がある患者さんについて、コロナの可能性があるからと診療所が拒否したり、また、救急車が30件断られたりするなど間接的な影響は大きくなっています。感染患者を直接診ていない医療関係者にもストレス度は高くなってきています」
医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も、医療崩壊は今後、各地で現実味を帯びると考える。
原因の一つは、コロナ禍で病院の患者が減り、経営を圧迫していることにあるという。
「小児科や整形外科などが大きく減らしています。経営難に陥る施設が出てくるでしょう」
もう一つは、今後、医師の死亡例が出てくることで医療崩壊を起こす可能性だという。
同研究所のインターンで、ハンガリーのブダペストにある国立センメルワイス大学医学部生の吉田いづみさんが4月3日時点の状況をまとめたグラフによると、例えばイタリアなら、感染者が100人いて、医師が治療にあたったとき、院内感染で0.06人近くの医師が死亡するという。イタリアに次いで中国が多く、同じく100人感染者がいたときに、0.04人ほどが亡くなる計算だ。死亡する医師は開業医が一番多く、眼科や歯科なども多いという。
「医師が死にだすと、一気に『防御医療』になっていきます。患者を診なくなるということです。先進国の中でこれほど多くの院内感染を出している日本でも、こうした医師の死亡を契機にして医療崩壊を起こしていく可能性があります」(上医師)
どうすればいいのか。
「診断と隔離が鉄則ですが、今回の新型コロナウイルスではそれがまったくできていません。クラスター対策に偏った日本の方針を、これから変えていかなければ日本の医療は崩壊する可能性があります」
東京などの7都府県では知事が緊急事態の措置をとる。東京都医師会の猪口正孝副会長は「それによって最も期待するのは、感染者自体が減ることだ」と話す。医療崩壊を食い止めるには、「診断と隔離」を重視する対策方針の転換に加え、「うつされない」「うつさない」を心がける国民の意識も問われている。
【うつ発症後も職場復帰 休職を防ぐ支援プログラム】NIKKEI Style 4/16(木) 7:47配信
[日本経済新聞夕刊2020年4月8日付]
一度うつなどを発症して休職した人が、職場に復帰しても症状を再発して休職を繰り返すケースが問題になっている。うつと診断される患者は増え続けており、休職者の約半数が復職後に精神疾患を再発している。こうした状況を踏まえ、さまざまな復帰支援プログラムが登場している。
「会社に行こうとすると涙が止まらなくなる」「頭痛や吐き気がして出勤できない」――。日本産業カウンセラー協会が運営する厚生労働省の委託事業「こころの耳相談窓口」には連日、こんな声が電話やメールで寄せられる。協会では悩みを抱える本人やその家族、事業者などからの相談に応じている。
厚労省によると2017年にうつなどの気分障害と診断された患者数は127万6千人。15年前の1.8倍に増えた。労働政策研究・研修機構が企業を対象に実施した調査では、精神疾患を理由に休職した社員が復職後に再発した割合は53%と、身体疾患の再発(20.6%)を上回る。休職者の退職率も42.3%とがんとほぼ並ぶ水準で、支援体制の整備が課題だ。
「完治するまでに5~6年はかかる。復職はスタートにすぎず、その後のフォローアップが重要だ」。精神科クリニックでうつ病患者の治療にあたってきた一般社団法人、東京リワーク研究所(東京・港)の五十嵐良雄所長はこう話す。
同研究所ではうつ症状が回復傾向に向かい始めてからのリハビリテーションを「リワークプログラム」として提供する。生活リズムを整えたり、集団生活を送ったりすることで社会復帰を支え、なぜ休職に至ったのかの自己分析などもサポートする。
受講者の多くは半年~1年程度で職場に復帰。3年後に7割程度の人が働き続けているという。
「投薬治療などで症状が消え、会社に通えると判断したら『復職可』の診断書を出す医師も多い。だがその程度の回復では、結果的に再休職してしまう」。五十嵐所長はこう強調する。
近年は人手不足などで会社側の余裕もなくなり、「職場復帰時に求められる回復レベルが高くなっている」という。自己分析による徹底した原因究明とプログラムを経て復帰し、その後も精神科医との面談やフォローを何年も続けてようやく完治できるという。
「もともとうつの傾向があった人が、就職してからうつや適応障害を発症するケースも多い」。復職支援施設「リワークセンター」を展開するロディーナ(広島市)の門出兼一郎育成・研修グループマネージャーは利用者の傾向をこう分析する。30歳代が約3割と最も多いが、最近は20歳代の利用も増えているという。
東京リワーク研究所のプログラムが医療機関が関わる「医療リワーク」なのに対し、ロディーナのプログラムは「福祉リワーク」の位置づけ。施設の利用期間が最長2年間と長く、会社への復職だけでなく転職や就職以外の社会復帰も選択肢に含めている。
目標や回復状況に応じた通所プログラムをつくる。週1回の面談で回復状況を確認しながら自分のペースで進める。eラーニングやスポーツジムなども自由に利用できる。料金は1日あたり約870円。所得状況等に応じて上限額を設定している。1施設あたりの受け入れ人数は20人。全国7カ所にある施設を増やしていく考えで、5月には東京・日本橋にも開設する。
リワークプログラムには企業が実施する「職場リワーク」や障害者職業センターによる「職リハリワーク」などもある。一人ひとりにあったプログラムで職場復帰につなげたい。
過労で精神障害 最多の労災申請
厚生労働省によると、過労や長時間労働など仕事が原因で精神疾患にかかり労災申請した件数は2018年度に1820件と、過去最多を更新した。業務による強い心理的負荷なども労災の認定要件に含まれる。
働き方改革関連法の施行により、残業時間の削減など企業の働き方の見直しが進んでいる。6月からは企業にパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける法律も施行され、パワハラに関する相談窓口を設けることなどが求められる。
規制強化で事業主側の意識を高めるのに加え、疲労や負荷が蓄積して精神疾患になる手前で周囲が気づいて食い止められるかも重要だ。セミナーなどを通じた社員側の意識改革も求められる。
【精神医療センターで薬物依存症治療プログラム提供 - 大阪府が再犯防止推進計画を公表】医療介護ニュース 4/14(火) 12:30配信
大阪府はこのほど、「大阪府再犯防止推進計画」(2020-23年度)を公表した。府の精神科の基幹病院となっている府立病院機構大阪精神医療センター(枚方市、473床)で、薬物依存症の治療プログラムを提供するとしている。
計画では、18年の大阪府警における覚せい剤取締法違反による検挙人員は1276人で、このうち成人が1263人となっていることを説明。成人の検挙人員のうち、同法違反の前科者が915人(72.4%)に上っていることに触れ、「再犯率が高いことが特徴」としている。
執行猶予判決を受けた薬物事犯者(主に初犯者)は、再犯者に比べ、薬物依存の程度が低く、回復の見込みが高い一方で、「薬物依存回復支援プログラム」の受講が義務付けられていないことを指摘。「本人が自発的にプログラムを受講しない場合には、薬物依存症の治療・支援等に確実につなげることが難しいのが現状」としている。
また、大阪保護観察所における保護観察の対象となった966人のうち、医療機関などによる治療・支援を受けたのは10人で、全体の1.0%にとどまっていることなども取り上げている。
こうした状況などを踏まえ、計画では、依存症の医療提供体制を強化する方向性を打ち出している。大阪精神医療センターで治療プログラムを提供することに加え、薬物依存症の専門医療機関と治療拠点機関を選定し、薬物依存症の治療を提供できる専門医療体制を強化するとともに、専門医療機関の周知を図る方針だ。
【米、WHO拠出金停止へ 新型コロナ「中国寄り」批判 トランプ氏】4/15(水) 7:37配信 時事通信
トランプ米大統領は14日、世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルスへの対応の過ちを検証する間、資金拠出を停止するよう指示したと発表した。
トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「WHOは(正確な情報の提供という)基本的義務を怠り、責任を問われなければならない」と述べた。
トランプ氏は、米政府が1月末に発表した中国からの入国禁止措置についてWHOが反対したことを「最も危険な判断」と非難。WHOが「中国寄り」という批判を強めている。
また、WHOが最初に感染が拡大した中国に専門家を派遣した上で客観的に情勢を分析し、中国政府の情報開示に関して透明性の欠如を指摘していれば、「感染拡大を抑え込むことができ、犠牲者も少なかった」と強調した。
【せきで夜も眠れず、返信途絶えると「容体急変したのか」 最前線で闘う看護師が話した、隔離病棟の今】神戸新聞 4/14(火) 12:25配信
新型コロナウイルスによる院内感染が各地で広がる中、近畿地方の感染症指定医療機関に勤務する女性看護師が14日までに、神戸新聞社の取材に応じた。看護師の話からは、昼夜を問わずせきで苦しむ患者や、面会禁止の中で不安を募らせる家族らの姿が浮かび上がる。
感染症指定医療機関は、一般病棟で対応するには危険が高いとして、感染症の患者を収容して治療する特別な医療施設。女性は現在、新型コロナウイルスの感染患者が隔離されている病棟に勤務している。
患者の数は日を追うごとに増え、医療品の不足も目立ってきた。「私たちは毎回マスクを替えますが、他の病棟の看護師は週に数枚配られるだけ。格差がひどくなっている」と打ち明ける。
病棟には防護服とマスク、ゴーグルを着用して入る。作業を終えると、部屋を出るたびに防護服を脱ぎ、消毒を徹底する。「防護服はエプロンみたいで割と動きやすい。熱中症などの危険もない」と語る。
新型コロナウイルスによる症状も間近で見ている。患者の中には、止まらないせきに苦しみ、夜も眠れずに看護師を呼ぶ人も少なくない。
「治療薬のない今は、解熱剤とせき止めを投与して様子を見るしかない。歯がゆいです」と生々しい状況を明かす。
心配する家族らの対応も彼女らの仕事だ。面会は禁止されているため、家族らの多くはスマートフォンの動画通信アプリを使って、連絡を取っている。
中には、患者からの通信アプリの返信が一時的に途絶えると、「容体が急変したのか」「人工呼吸器を入れたのか」などと問い合わせてくる家族もいる。
「寝ている場合がほとんどなのですが、心配な気持ちはよく分かるので丁寧に対応しています」
神戸市立医療センター中央市民病院など各地で発生し始めた院内感染にも胸を痛める。
「院内はもちろん、休みの日も感染しないように気を付けている」とし、「私も含め、電車で通勤せざるを得ない病院関係者は多い。本音では自宅待機したい気持ちもありますが、看護師としての使命を果たさなくてはいけない」と決意を語った。
【7都道県で計19人死亡、1日当たり過去最多…国内の新たな感染確認は485人】読売新聞 4/14(火) 21:18配信
新型コロナウイルスの感染拡大で、国内では14日、新たに485人の感染が確認された。また、東京や石川など9都道府県で、1日当たり過去最多となる計19人の死亡が判明した。
東京都によると、死亡が確認されたのは、いずれも感染が明らかになっていた60~80歳代の男性5人。うち4人は、大規模な集団感染が起きた永寿総合病院(台東区)の入院患者だったといい、同病院の死者は少なくとも24人に上った。
このほか、石川県では、60~70歳代の男性3人の死亡を確認。北海道、埼玉、群馬、福岡でも各2人の死亡が明らかになった。
また、都内ではこの日、新たに161人の感染が確認され、このうち6割超の105人は感染経路が不明だった。都が13日までに確保した病床は2000床だったのに対し、同日時点で入院が必要な患者は1959人に上る。感染者の増加に伴い病床は逼迫(ひっぱく)しており、比較的症状が軽い人は、入院まで2~3日の自宅待機を強いられているという。
大阪府の新たな感染者は59人、広島県は25人だった
【extracorporeal membrane oxygenation】
extracorporeal
: situated or occurring outside the body.
membrane
: a pliable sheetlike structure acting as a boundary, lining, or partition in an organism.
【ECMO治療受けた重篤患者、少なくとも75人…2週間でほぼ倍増】読売新聞 4/13(月) 23:32配信
新型コロナウイルス感染症で重篤な状態になり、体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))による治療を受けた患者がこれまでに少なくとも75人いることが、日本集中治療医学会などの集計で分かった。感染者の急増に伴い、過去2週間で2倍近くに増加した。
エクモは、肺に酸素がうまく取り込めなくなり、酸素吸入や人工呼吸器の使用でも救命が難しいときに使われる。体外に取り出した血液に、人工肺で酸素を加えてから、再び体内に戻す。
今月12日までの集計によると、患者数は3月30日時点の40人から75人に増加した。これまでの治療で25人が回復、11人が亡くなった。39人は治療を続けている。男性が85%を占める。
同学会などで作るネットワークの代表の竹田晋浩医師は「東京や大阪といった都市部で、治療ベッドの確保が難しくなってきている」と話す。習熟した医療チームによるエクモの治療が行える病床は全国で約400床だという。
【体外式膜型人工肺とは 肺炎重症者救う「最後のとりで」】時事通信 4/7(火) 7:30配信
新型コロナウイルスによる重い肺炎患者への治療で、体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)が注目されている。重症者の肺に代わる役割を果たして回復を目指す医療機器で、救命の「最後のとりで」との期待がかかる。
―体外式膜型人工肺とは。
肺の役割を一時的に担う医療機器で、重い肺炎患者などに使われる。太ももの静脈から管を入れて血液を抜き、血中の二酸化炭素を取り除くとともに、酸素を供給してポンプで体内に戻す。自力呼吸できない患者の体に酸素を届ける仕組みだ。
―どんなときに使うのか。
肺による呼吸を補助する人工呼吸器では回復が困難な重症者に使われる。エクモで肺を休め、免疫力の回復を待つ。日本集中治療医学会などの集計では、3月30日までに新型コロナの重症患者40人にエクモが使われ、19人が重篤な状態を脱したが、6人は死亡した。現時点で有効な治療法が確立されていない中、政府は救命の「最後のとりで」とされるエクモの整備を進めている。
―国内にエクモは十分あるのか。
日本臨床工学技士会などによると、2月時点で国内には約1400台ある。医療機器メーカーのテルモが7割のシェアを持ち、年間百数十台を製造しており、新型コロナ拡大に伴う需要増に備え、国内2工場で増産している。同社のエクモ販売責任者、山田真さんは「医療現場に不安が生じないよう安定供給を目指す」と話している。
―病院の態勢は。
エクモの運用には専門チームが必要だ。数人の医師による手術で装着し、一度着けると24時間態勢の管理が欠かせない。患者1人に対し医師、看護師、機器を操作する臨床工学技士の計7人以上が必要となり、医療従事者の負担が大きい。
―今後の課題は。
政府は緊急経済対策として、エクモの増産や医療機関への導入を支援する方針だ。西村康稔経済再生担当相は「専門家の育成も急務」と指摘しており、人材育成の態勢整備も急いでいる。
【妊娠中に新型コロナに感染するとどうなる?
― 最新のエビデンスと注意すべきポイント4/12(日) 18:02
感染症専門医 忽那賢志:感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。
妊娠中は特定の感染症にかかると重症化しやすくなったり、かかるとお腹の赤ちゃんに影響が出ることがあります。
新型コロナウイルス感染症は妊娠に悪影響を与えるのでしょうか。
最新のエビデンスと注意すべきポイントについてまとめました。
妊婦さんが新型コロナに感染してしまったら
2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症が日本国内で流行しています。
妊婦さんが新型コロナウイルス感染症に罹ってしまった場合、どのような経過をたどるのでしょうか。
これまでの妊婦さんの新型コロナウイルス感染症に関する報告として以下のようなものがあります。
・中国で新型コロナウイルス感染症に罹患した15人の妊婦:11人の患者が出産(10人は帝王切開、1人は経膣分娩)、4人は研究期間の終わりにまだ妊娠していた。新生児仮死、新生児死亡、死産、または流産はなかった。妊婦は全員回復した(AJR Am J Roentgenol. 2020;)。
・ニューヨークで新型コロナウイルス感染症と診断された43人の妊婦:14人(32.6%)が診断時に無症状であったが、このうち10人が出産して退院するまでに何らかの症状が出現した。症状のあった29人(67.4%)のうち、3人は新型コロナの症状のために出産前に入院し、1人は誘発分娩に成功した後6日間酸素投与を必要とした。新生児に行った生後初日の検査で新型コロナウイルスが検出された児はいなかった(Am J Obstet Gynecol MFM. 2020;)。
以上の研究から、妊婦さんが新型コロナウイルス感染症に罹ってしまった場合も、特に妊娠していない同年齢の人と比べて重症度は変わらず、特に妊娠の経過にも悪影響は及ぼさないだろうと考えられています。
ただし、前述の妊婦から生まれた新生児は新型コロナに感染していなかったようですが、稀に母子感染が起こる事例もあるようです。
・中国の29歳女性:1月下旬に新型コロナと診断され(診断時は妊娠34週2日)、2月22日帝王切開により陰圧隔離室で女児を出産した。母親は出産時にはN95マスクを着用し、乳児を抱きませんでした。女児の出生時体重は3120 gで、アプガースコアは1分で9点、5分で10点(問題なし)。新生児から新型コロナウイルスは検出されなかったものの、白血球やサイトカインの上昇と、抗体価が上昇していたことから子宮内感染が示唆された(JAMA. 2020 Mar 26. doi: 10.1001/jama.2020.4621.)。
・中国の新型コロナウイルス感染症と診断された妊婦から生まれた33人の新生児:3人(9.1%)の新生児が新型コロナウイルス感染症と診断され、そのうち1人は人工呼吸管理を必要としたが新型コロナによるものというよりは低出生体重児であり窒息、敗血症が原因であった(JAMA Pediatr. 2020 Mar 26. doi: 10.1001/jamapediatrics.2020.0878.)。
これまでの報告からは「胎児は母親から子宮内感染するかもしれない」くらいのことしか分かっていませんが、新型コロナウイルス感染症にかかった新生児が重症化しやすいということはなさそうです。
妊娠中の新型コロナウイルス感染症に関する注意点
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は新型コロナウイルス感染症に関して、妊婦さんに以下のことを推奨しています。
CDC. Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). Pregnancy and Breastfeeding
新型コロナウイルスからしっかりと予防しましょう
・病気の人や濃厚接触者との接触は避けましょう
・石鹸と水またはアルコールで手を消毒しましょう
・頻繁に触れる表面を毎日清掃して消毒しましょう
母子感染
・妊娠中の母から子へのコロナウイルスの感染の頻度は高くありませんが、出産後の新生児は人から人への感染の影響を受けやすくなっています。
・出生直後に新型コロナウイルスが検出された新生児が少数報告されています。ただし、これらの赤ちゃんが出生前に感染したのか出産後に感染したのかは不明です。
・新型コロナウイルスは、羊水、母乳、またはその他の母親の検体からは検出されていません。
新型コロナウイルス感染症と診断された場合の母乳育児
・母乳は多くの病気に対する抵抗力を生み、ほとんどの乳児にとって最良の栄養源です。
・家族や医療従事者と、母乳育児を行うのか、どのように続けるかを決めましょう。
・これまでの数少ない研究では、新型コロナウイルスは母乳からは検出されていません。ただし、新型コロナウイルスが母乳を介して感染するかははっきりとは分かっていません。
また日本産婦人科学会は4月7日に「妊婦の皆様へ」として以下の声明を発表しています。
日本産科婦人科学会 日本産婦人科医会 「妊娠中の皆さまへ」
・妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかる率は一般の方と同じです。
手洗いや人との距離をとる(3 密を防ぐ)などの注意も同じです。日本より多数の感染者を出している国々で、妊婦が特別にこのウイルスにかかりやすい、という報告はありません。
・幸い、妊娠中の重症化率も一般の方と同じかむしろ低い値が報告されています。
集中治療室入室率なども、人口当たりになおすとむしろ低めの報告がなされています。
・急な帰省分娩の検討はぜひ避けてください。
分娩は予約された数によってその体制が決まっています。特に地方の小規模施設は急に受け入れる余裕がないところがほとんどなので、移動するほうがリスクになりかねません。
・感染予防のために付加的な医療サービス(立会分娩、面会など)が制限されます。
その施設の方針に従ってください。
・妊婦健診は重要であなたとあなたの赤ちゃんのいのちと健康を守ることが証明されています。しかし、妊婦健診の間隔を延ばしたり、超音波検査の回数を減らす、パートナーの立会いをお断りすることがあります。不安な症状がその間にあれば、どうぞ電話などでご相談ください。
施設全体の感染防御策や担当医の指示に従ってください。
・感染予防のために現在新型コロナウイルスに感染中の方や強く疑われる方の分娩方法や授乳方法を変えざるを得ないことがあります。
施設ごとに医療資源や、感染防護に使うことができる機材が異なっています。帝王切開を積極的に行うこともやむを得ない施設が多くなっています。施設の方針をご確認ください。
今妊娠している方、出産を控えている方は新型コロナウイルス感染症の流行に不安になっている方が多いと思います。
妊娠中に気をつけるべきことをしっかりと把握し、主治医とよく相談しながら出産に向けた準備をするようにしましょう。
※産婦人科領域の医師の方々からご指摘をいただき一部文章を修正いたしました、
【松山市5人、愛南町2人が新たに感染 新型コロナ】愛媛新聞 4/13(月) 14:47配信
県は13日、新型コロナウイルスの感染者が松山市で5人、愛南町で2人新たに確認されたと発表した。確認された感染者は県内で計37人となった。県庁で会見した中村時広知事は、不要不急の外出自粛などの緊急事態宣言の回避行動を強く求めた。
県によると、松山市の感染者は7日に感染が確認された30代の男性会社員の濃厚接触者らで、内訳(かっこ内は症状)は、60代の男性会社員(発熱やせき)、40代の女性会社員(症状なし)、50代の男性会社員(同)、50代の女性会社員(発熱やせきあり)、60代の男性会社員(症状なし)。
愛南町の2人は9日に陽性と確認された人の濃厚接触者で、内訳は40代女性と10歳未満の女性。ともに症状はない。
県は松山市と連携し、感染症指定医療機関への入院を進めるとともに、積極的疫学調査や健康観察などを実施するとしている。
13日午後1時現在、県内では新型コロナのウイルス検査を631人実施し、うち37人が陽性と判明した。23人が入院(入院予定含む)し、軽症23人、重症0人、死亡2人、退院12人となった。
県は、こまめな手洗いや定期的な換気でウイルスに感染しないよう自己防衛することや、体調不良の際は自宅療養するなどして周囲の人にうつさないよう配慮すること、緊急事態宣言対象エリアなど県外への外出や不要不急の外出を自粛するよう求めている。
【職場で2次感染か 従業員50人全員検査へ(愛媛・松山市)】あいテレビ
4/12(日) 11:43配信
愛媛県松山市の信販会社で新型コロナウイルスの2次感染が起きたと見られることを受け、松山市は職場の従業員50人全員のPCR検査を実施する方針です。
愛媛県松山市の信販会社「えるく」では、30代の男性社員が大阪出張の後、発熱などを訴え、今月7日に新型コロナウイルスへの感染が確認されたほか、11日、同僚の30代女性の感染が明らかになりました。職場内で2次感染が起きた可能性が高いとみられることから、松山市は、職場の従業員50人全員のPCR検査を実施する方針です。このほか、松山市内では、10日30代男性の感染が確認されましたが、感染経路は不明だということです。そのため、愛媛県の中村知事は、市中感染が起きている恐れもあるとして、今後の状況によっては松山市とその周辺地域に愛南町と同様、外出の自粛要請や県立学校の臨時休校などの対応を取る考えを示しました。
【新型コロナ高松の保育所でクラスター発生 香川の感染19人に】山陽新聞 4/13(月) 22:52配信
香川県は12、13日、新たに計15人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち11人が高松市内の同じ保育所に勤めており、県は「この保育所でクラスターが発生した」と述べた。県内の感染者は19人となった。
判明したのは同市内在住で20~60代の同じ保育所の女性保育士11人と、同市の70~80代の男女3人、さぬき市の60代女性。同市の女性は、10日に感染が確認された高松市の料理店経営者の従業員で、同市の80代男性と70代女性は、その経営者が出席した法事の同席者。同市の80代女性は体調不良を訴え、PCR検査で陽性となった。
【コロナで1人死亡 新たに2人感染 愛媛で30人に】4/11(土) 18:00配信 テレビ愛媛
新型コロナウイルスにより10日、愛媛県で入院中の患者1人が死亡しました。
また、11日までに新たに松山市で2人の感染が確認され、これで愛媛県内の感染者は30人となりました。
愛媛県は市中感染の可能性もあるとして危機感を強めています。
愛媛県 中村知事「入院中で、重傷になったご高齢の方が、昨日10日午後に、お亡くなりなったことを報告させていただきます」
死亡したのは入院して治療を受けていた高齢の患者です。
この患者は7日から症状が重症化し10日午後に亡くなりました。
県内での死者は2人となりました。
また、県は11日、新たに松山市で2人の感染が確認されたと発表しました。
一人は30代の会社員の男性で今月2日に38度の発熱がありその後、医療機関を受診し一旦熱は下がっていましたが、9日に再び39度の発熱があり検査を行ったところ10日に「陽性」が確認されました。
男性は軽症で濃厚接触者となる同居の家族3人には自宅待機を要請しています。
また、もう一人は大阪に出張後7日に感染が確認された松山市のカード会社「えるく」の男性社員の同僚の30代の女性です。
この女性は濃厚接触者として自宅待機をしていましたが、今月9日から発熱があり検査の結果11日に陽性が確認されました。
その他の濃厚接触者7人には症状が見られませんが、愛媛県は職場での感染拡大のリスクを考えて濃厚接触者を含む社員およそ50人にも検査が必要として松山市に要請をしています。
愛媛県 中村知事「松山市内で、市中感染が拡大していることは、可能性として否定できない状況にあると判断します」
中村知事は松山市で市中感染が起きている可能性が否定できないとして今後、松山市や周辺地域にも外出自粛を要請することもありうる考えを示しました。
また再開している県立学校の臨時休校についても今後の検査結果を踏まえ緊張感をもって対応したいとしています。
【県内で新たに1人死亡、2人の感染確認 新型コロナ】愛媛新聞 4/11(土) 16:05配信
愛媛県は11日、新型コロナウイルスに感染し、県内の感染症指定医療機関に入院していた患者1人が10日午後に死亡したと発表した。県によると、7日から重症になっていた高齢者で、性別や年齢、居住地などは公表していない。新型コロナによる県内の死者は2人となった。
県は新たに松山市の30代の男性会社員と、8日に感染確認を発表した男性会社員の同僚の女性1人が新型コロナに感染したことも発表した。新たな感染者2人を加え、11日午後4時時点で県内の感染者は30人となった。
11日午後、県庁で会見した中村時広知事は、感染経路が確認できない事例や、2次感染が疑われる事例が続いたことから「松山市内での市中感染も否定できない。今後の経過次第では、松山市とその周辺地域に外出自粛を要請する可能性もある」と述べた。
【愛媛県愛南町で2人が新型コロナ感染】あいテレビ4/10(金) 12:52配信
愛媛県は10日、新たに愛南町に住む60代の男女2人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
愛媛県によりますと、新たに新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、愛南町に住む60代の男女2人です。県によりますとこのうち女性は今月6日以降発熱に加え、嗅覚の異常を訴え、その後、帰国者・接触者外来を受診し検査の結果、9日陽性が確認されました。女性は先月23日から31日までの間、高知県宿毛市の集客施設を複数回利用していたということです。
また、60代の男性は今月3日以降、発熱が続いていたということです。男性は発症前の2週間町外には出ておらず、県は市中感染の可能性も含め調査しています。
中村知事は「愛南町と宿毛市の一体的な生活圏において感染が拡大していると考えざるを得ない」と述べました。そして、愛南町の住民や町内で勤務する人に対し「日中を含めた不要不急の外出や、高知県宿毛市との往来を自粛するよう強く要請する」と呼びかけました。また、高知県に対しても考えを伝えたということです。愛南町内で新たな感染が確認されたことを受け、県教育委員会は県立南宇和高校を今月13日から24日まで臨時休校すると発表しました。
【愛南町で新たに感染者2人確認 新型コロナ(愛媛)】愛媛新聞 4/10(金) 11:05配信
県は10日、愛南町の60代の自営業の女性と同町の60代の男性が新型コロナウイルスに感染しているのを確認したと発表した。県内で確認された新型コロナ感染者は計28人となった。ともに10日、感染症指定医療機関に入院する予定。県は濃厚接触者の把握を含め、積極的疫学調査や健康観察などを実施するとしている。
県によると、女性は3月23~31日に高知県宿毛市の施設を数回利用。4月6日に38.4度の発熱、7日に嗅覚異常の症状があった。発熱などの症状が続くため8日に帰国者・接触者外来を受診し、検体を採取。9日に陽性と判明した。
男性は3日に37.2度の発熱があり、6日に医療機関を受診。発熱などの症状が続くため8日に同外来を受診し、検体を採取。9日に陽性が判明した。
愛南町で新型コロナウイルス感染者が相次いでいることなどを踏まえ、中村時広知事は10日午前、県庁で会見し、愛南町の住民や町内での勤務者に不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。
愛南町での感染拡大を受け、県教育委員会は10日、南宇和高校(愛南町御荘平城)を13~24日に臨時休校にすると発表した。
【熊本地震から4年、災害時に重要視される「心のケア」とは】ウェザーニューズ 4/14(火) 6:08配信
2016年に発生した熊本地震から、4月14日で丸4年が経ちます。近年、地震や水害など大規模な災害の後、被災者に対する「心のケア」が重要視されるようになりました。さらに新型コロナウイルスの流行では、感染者への精神的なケアの必要性も注目されているところです。精神科医である「熊本こころのケアセンター」の矢田部裕介センター長に、お話を伺いました。
災害直後の「身体と精神医療の連携」が重要
被災地域における精神科医療の提供と保健活動の支援のため、都道府県・政令指定都市には専門的な研修と訓練を重ねた災害派遣精神医療チーム「DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)」が組織されています。
「DPATの最初の活動は1991年の雲仙普賢岳の噴火でした。95年の阪神・淡路大震災で災害時の心のケアに対するコンセンサスが確立し、2004年の新潟県中越地震を経て、11年3月11日の東日本大震災では合わせて3000人以上に及ぶ、大規模な心のケアチームの活動が行われたのです」(矢田部氏)
発生4日後、最初に岡山県のDPATが現地に入り、熊本県も10日後に加わりました。当初は、被災者の心のケアが必要なのは、むしろ発生直後より1~2か月後ではないかとみられていたといいます。
「しかし、現地では精神科病院が孤立するうちに患者さんが亡くなったり、ようやく駆けつけた自衛隊員による搬送途中に力尽きたりといった例が多発しました。被災直後の『超急性期』と呼ばれる時点における、身体と精神医療との連携が大きな課題とされたのです。この課題を解決するべく、DPATが設立されました」(矢田部氏)
熊本地震の際には、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地のDPATが早い段階から現場での活動を開始しました。DPATは自然災害に限らず、列車事故、新型コロナウイルスの帰国者対応や集団感染が起きた客船「ダイヤモンドプリンセス」へも派遣されたそうです。
災害も感染症も「対応策は同じ」
矢田部氏によると、熊本地震に限らず、被災者の心の変化としてまず「茫然自失期」が現れ、そこに支援や連帯感が生まれると気分が高揚する「ハネムーン期」が訪れます。しかし、これは長続きせず、気分が落ち込む「幻滅期」がやってくるそうです。その長さは災害の規模や個人差によるといいます。
「熊本地震から4年が経ち、立ち直っていく方とさらに落ち込んでいく方との格差がはっきりしてきます。うまく生活再建が進められる場合は精神的な立ち直りも早いのですが、逆に自主再建が困難な場合は取り残された感覚から、さらに抑うつ傾向が進む方が多いです。
また、仮設住宅からの退去者が増えてきました。退去すると生活再建が果たせたとみなされて、行政の支援体制から外れてしまう。心のケアが必要な人たちは、自分から積極的に助けを求めることが少ない。居場所がわかって介入ができれば、いかようにも対応できるのですが、『見えなく』なってしまうのが問題なのです」(矢田部氏)
「被災者は自宅から仮設住宅へ、仮設住宅から新たな住居へと、環境の変化を二度経験しなければなりません。引っ越しのストレスというのはメンタルヘルスにとって、案外ハイリスクとなるのです」と矢田部氏はいいます。個人的な印象として、近ごろは独身の高齢男性による相談が増えていて、うつやアルコール依存、軽い認知症の症状が目立つそうです。
一方、災害救助法をバックボーンとして活動するDPATにとって、今回の新型コロナウイルス関連での出動は「異例なこと」だったそうです。
「感染の拡大によって日常が突然、非日常と化したことは、災害と同じです。集団感染は自然災害よりもむしろ、コミュニケーションを取ることが難しい。ケアには周囲とのコミュニケーションこそ必要なのですが、絆を深めるどころか、距離を置かれてしまう。それがストレス、トラウマになってしまうのです」(矢田部氏)
災害時や緊急時には様々なストレスや不安から、心が不健康になりがちですが、基本的に「対応策は同じ」だそうです。
「まず、正確な情報を入手すること。メディアとの付き合い方も考えましょう。SNSなどに蔓延(まんえん)する『人が人に対する怒りや不満』は、気づかぬうちに自分自身のストレスともなってしまいます。さらに、眠れなくなったり不安感を抱いてしまったりすることは当たり前、むしろ正常なことだと思うことです。その上で、ストレスを軽減する具体的な行動をとることがなにより大切です」(矢田部氏)
災害時は、生命や自宅などの財産に大きな被害をもたらしますが、同時に心にも大きな傷を残します。命とともに、心を守ることも忘れないようにしたいですね。
【医療崩壊を防ぐためには病院や役所の役割分担を柔軟に:集中治療室を守るために機器の整備と人材確保を】石蔵文信 4/12(日) 17:07
内科専門医・循環器専門医・性機能専門医・超音波指導医。大阪市内と都内で男性更年期外来担当。循環器病・夫婦問題や定年後男性の生き方などが専門。各地で料理教室を開催。主な著書として『夫源病』(大阪大学出版会)『男のええかげん料理』(講談社)『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』 (幻冬舎新書) 『妻の病気の9割は夫がつくる (医師が教える「夫源病」の治し方)』『親を殺したくなったら読む本 (親に疲れた症候群の治し方)』(マキノ出版)など多数。日本原始力発電所協会代表(http://eco-powerplant.com)
東京都には高度な医療設備を持った病院がかなりありますが、人口比率の病床数では関東は関西に比べてかなり少ないです。例えば人口10万人当たりの病床数は福岡1683、大阪1211に比べて、東京942、埼玉852、神奈川809です。
マスコミや一部の医療関係者は医療崩壊をかなり心配しています。確かに集中治療室が医療崩壊するのが1番恐ろしい状態です。現場では新型コロナウィルス患者の治療にあたる医療関係者は疲弊し、その他の医療関係者は暇になっていると言う奇妙な現象が起きております。このような状況を改善するのは組織のトップや行政の力です。
現在は特別な治療法はなく、治療と言えば酸素投与や点滴、それでも状態が悪くなれば人工呼吸器を装着します。このような処置なら一般の内科や外科医でも可能です。
人工肺を装着した時は集中治療室で慣れた医療関係者が管理することが必要ですが、専門病院には人工呼吸器の管理ができる内科や外科医がたくさんいると思います。適切に配置転換をして、疲れている医師を休ますことは可能ではないでしょうか?
我々が医師になったころから、内科や外科は臓器別に細分化され、専門性が高くはなっていますが、総合的な診療ができる医師が不足していることも問題でしょう。
集中治療室での看護は専門知識が必要ですが、院内では定期的に看護師さんの配置転換が行われます。一般病棟にも集中治療室勤務を経験した看護師が少なからずいるはずです。そのような経験のある看護師をうまく配置転換すれば、今頑張っている看護師も少しは休憩できるのではないでしょうか?
新型コロナウィルス感染者とわかって引き受ける専門病院はまだしも、一般病院の救急に新型コロナウィルス感染者が紛れて搬送されることがあります。十分な感染防御を行わずに治療すると医療関係者が感染し、病院がクラスター化する可能性があります。
そのためには一般病院の救急担当の医療関係者にも感染防御の資材を十分に供給する必要があるでしょう。もし感染しても、2週間で復帰できるような医療関係者なら戦力になるでしょう。
内科専門医・循環器専門医・性機能専門医・超音波指導医。大阪市内と都内で男性更年期外来担当。循環器病・夫婦問題や定年後男性の生き方などが専門。各地で料理教室を開催。主な著書として『夫源病』(大阪大学出版会)『男のええかげん料理』(講談社)『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』 (幻冬舎新書) 『妻の病気の9割は夫がつくる (医師が教える「夫源病」の治し方)』『親を殺したくなったら読む本 (親に疲れた症候群の治し方)』(マキノ出版)など多数。日本原始力発電所協会代表(http://eco-powerplant.com)
東京都には高度な医療設備を持った病院がかなりありますが、人口比率の病床数では関東は関西に比べてかなり少ないです。例えば人口10万人当たりの病床数は福岡1683、大阪1211に比べて、東京942、埼玉852、神奈川809です。
マスコミや一部の医療関係者は医療崩壊をかなり心配しています。確かに集中治療室が医療崩壊するのが1番恐ろしい状態です。現場では新型コロナウィルス患者の治療にあたる医療関係者は疲弊し、その他の医療関係者は暇になっていると言う奇妙な現象が起きております。このような状況を改善するのは組織のトップや行政の力です。
現在は特別な治療法はなく、治療と言えば酸素投与や点滴、それでも状態が悪くなれば人工呼吸器を装着します。このような処置なら一般の内科や外科医でも可能です。
人工肺を装着した時は集中治療室で慣れた医療関係者が管理することが必要ですが、専門病院には人工呼吸器の管理ができる内科や外科医がたくさんいると思います。適切に配置転換をして、疲れている医師を休ますことは可能ではないでしょうか?
我々が医師になったころから、内科や外科は臓器別に細分化され、専門性が高くはなっていますが、総合的な診療ができる医師が不足していることも問題でしょう。
集中治療室での看護は専門知識が必要ですが、院内では定期的に看護師さんの配置転換が行われます。一般病棟にも集中治療室勤務を経験した看護師が少なからずいるはずです。そのような経験のある看護師をうまく配置転換すれば、今頑張っている看護師も少しは休憩できるのではないでしょうか?
新型コロナウィルス感染者とわかって引き受ける専門病院はまだしも、一般病院の救急に新型コロナウィルス感染者が紛れて搬送されることがあります。十分な感染防御を行わずに治療すると医療関係者が感染し、病院がクラスター化する可能性があります。
そのためには一般病院の救急担当の医療関係者にも感染防御の資材を十分に供給する必要があるでしょう。もし感染しても、2週間で復帰できるような医療関係者なら戦力になるでしょう。
【立ちすくむシングルマザー 新型コロナ感染拡大で収入減】 中国新聞社
4/11(土) 7:30配信
新型コロナウイルスの感染拡大で経済が停滞し、収入が減ったシングルマザーたちが悲鳴を上げている。厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均年間就労収入は200万円。多くがぎりぎりの生活を送る中、減収に加えて休校に伴う昼食代や学習費など支出が増え、あすをどうするか立ちすくむ。
▽子どもの優しさ 心に痛み
買い物に行ったスーパーで、小学生の長男はお菓子を欲しがりながら、「ごめんね」とつぶやいた。広島市の40代女性は、どう返事していいか分からなかった。不自由な思いをさせているのが申し訳なくて、「こっちこそ、ごめんね」と心の中で謝る。
この女性は小学生の長男と、高校に進学したばかりの長女と3人暮らし。夫は5年ほど前に亡くなった。生活費や学費は、イベント関連の会社で働く女性の給料で賄う。
月給は10万円余りの基本給と平均8万円の歩合給で計20万円ほど。ただ、3月からはイベントの中止が相次いだ。4月はかろうじてあった基本給も、5月からはなくなるかもしれない。
一方で支出は増えた。一斉休校で子どもの昼食代や昼間の光熱費がかさみ、3月は2、3万円プラスに。政府が臨時で支給する子ども1人1万円の児童手当は「焼け石に水のような額です」と途方に暮れる。切り崩してきた預金も200万円ほどになった。近くに頼れる親戚はいない。「私が倒れたら終わり。八方ふさがりです」と声を落とす。
岡山県の30代女性はキャバクラで働きながら、小学生から未就学児までの子ども4人を育てる。2月ごろまでは週6日勤めて、月30万円ほど稼いでいた。
ただ感染が広がり、客が激減。4月から勤務は週2日となり、給与は月10万円に下がる。同居の母が稼ぐ月10万円のパート収入と合わせても、計6人が生活するのには厳しい。
転職も考えるが、求職活動や昼間の仕事を始めるとなると、未就学児を預けないといけない。その費用を考えると、そう簡単には踏み切れない。
子どもにはシングルマザーを理由に不自由な思いをさせまいと努めてきたが、小学生の長女は現状を察しているようだ。肉、野菜とバランスを考えた料理を出すと「毎日、ご飯頑張らんでいいよ」と言ってくれる。「節約していいよ」のメッセージ。その優しさがうれしい半面、親としての情けなさもこみ上げる。夜、子どもたちの寝顔を見ながら不安になる。「これから、どうしよう…」(小林可奈)
■経済対策、金額・手続きに懸念 長期的支援求める声
苦境に立つシングルマザーには、何が必要なのだろう。母子世帯を支える活動をしてきたNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京)の赤石千衣子理事長(65)は、政府の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策について「これでは生活が厳しい家庭には届かない」と懸念する。
子ども1人1万円の臨時の児童手当は「たった1回しかなく、金額が少なすぎる」とため息をつく。収入が減った世帯を対象にした「30万円の現金給付」については、受給対象者への案内がなく自己申告での手続きが必要で「生活が苦しい家庭でも、申請できず漏れる人が出てくる恐れがある」と指摘する。
国の「生活福祉資金特例貸付」も使いにくいという。社会福祉協議会を通じて、10万~20万円の生活費を緊急で借りられるが、今回の一斉休校で生じた昼食費や学習費などの支出増は原則、考慮されない。「生活がぎりぎりの家庭は少しの負担増でも子どもに食べさせるものに困る」と訴える。
ほかにも支援の現場からは「もっと長期的なバックアップが必要」と声が上がる。生活保護の基準緩和や児童手当の継続的な増額、再就職の手助け…。「しわ寄せがいきやすい世帯にもっと手厚い策が必要なのに」との嘆きが相次ぐ。
中国新聞社
【障がいを持つ人の新たな「居場所」に・・・日々の介護支援 静岡市】4/9(木) 21:15配信
テレビ静岡
4月1日、静岡市駿河区に障害を持つ人のための生活介護事業所がオープンしました。
特別支援学校を卒業した後の居場所として期待が寄せられています。
4月開所したのは「生活介護ぴぃーす」で、重い障害を持つ人たちの日常生活をサポートする通所型の事業所です。
調理室では、1人1人の障害の程度や体調に合わせてきざみ食やミキサー食などを提供するほか、医療的ケアにも対応できるよう吸引器具やベッドも完備しています。
また、利用者がストレッチャーに横たわったまま入浴ができる浴槽も導入しました。
市によりますと、こうした重い障害を持つ人たちをサポートする生活介護事業所は10ヵ所ありますが、人工呼吸器の取り扱いが出来る事業所は5ヵ所しかありませんでした。
障害を持つ子の母でもある西澤理事は・・・
NPO法人ぴゅあ・西澤浩子 理事「医療的ケアがある方にとっては行き場所が狭き門となっていましたので、そういう意味ではみなさんにも喜んで頂けるのかなと思っています」
ぴぃーすでは放課後等デイサービスや訪問看護なども行い、重い障害を持った人にとってこの場所が「居場所」となることが今の目標だということです。
【日本でも「60歳以上のコロナ患者」は人工呼吸器を諦めるべきか】プレジデント
4/9(木) 17:15配信 抜粋
しかし、こうした「命の選別」は、日本だけのことではない。コロナ禍に見舞われている国では、それが堂々とまかり通っている。
■「70歳以上の患者にはモルヒネで安らかに逝っていただく」
イタリアのコロナウイルス“爆心地”ロンバルディア州のベルガモの病院の医師は、「わが国では、70歳以上で新型肺炎が重症化した場合、2人にひとりが亡くなっている状況です。彼らに人工呼吸器を着けさせなかったらどうなるか。(中略)ただ、どうすることもできない。人工呼吸器の数が足りない以上、若く、助かる見込みの高い患者を優先して治療しなければなりません」(週刊現代4/4号)といっている。
ミラノ在住のヴィズマーラ恵子も、「地元の新聞では、一部の病院で、『70歳以上の患者さんに対しては、大量のモルヒネを投与して安らかに逝っていただく』措置を取っているという内容が報じられています」(同)と話している。
ニューヨークでも同じことが起きていると朝日新聞(3月30日付)が報じている。
「これまで高齢の患者が肺炎で呼吸困難に陥ったら、『挿管してほしくない』と意思表示があるケース以外はしていました。何歳であろうが、患者の意思を尊重し、生きるチャンスに懸けてみる。当たり前のことです。
週刊新潮(4/2号)で作家の楡周平が珍しくこの問題について書いている。
新型インフルの発生に備え、国は「プレパンデミックワクチン」を備蓄している。だが、その量は1000万人分しかない。
そこで「新型インフルエンザ等対策特別措置法」で、「住民接種」を行う順位を、「妊婦を含む医学的ハイリスク者」「小児」「成人・若年者」、その次に「高齢者」として、この国の将来を守ることに重点を置き、高齢者を最後にするとしてあるという。
週刊現代(4/11・18号)でも、高齢者が適度な運動もせず、家に閉じこもりきりになると、免疫力が低下していくと指摘している。
人工呼吸器は日本全国で3万台近くあるといわれ、政府も増産を指示しているから、今後増えることが予想されるが、肺機能が低下した重症患者の血液に酸素を送る装置であるECMO(エクモ=体外式模型人工肺)は1400台ほどしかないそうだ。
亡くなった志村けんもこれを使ったようだが、ECMOを用いる治療には専門の医師と看護婦、臨床工学技士が必要だが、人材が極めて払底しているといわれる。
イタリアでは、人工呼吸器さえも60歳以上にはつけないという「シンプルな基準を設けた」(坂本知浩済生会熊本病院循環器内科部長=週刊現代4/11・18号)そうだ。
【新型コロナ重症化の男女格差 ホルモンや生活習慣が関係か】ニューポストセブン―女性セブン2020年4月23日号 抜粋 4/10(金) 7:05配信
厚労省の発表では日本人の死者は、男性が45人、女性は10人となっている(不明、非公表25人、4月6日現在)。
「男女格差の理由はホルモンが影響している可能性があります。女性ホルモンであるエストロゲンには、免疫細胞がウイルスを攻撃する反応を活性化させる性質があります。
また、免疫系を調節する遺伝子はX染色体上にコード化されていて、男性は1つのところ女性は2つある。免疫反応に関与する遺伝子が、女性の方が活性化している可能性があります」(医療ジャーナリスト)
また、女性は喫煙率が低く、手洗いなどの予防意識が男性より高いからという分析もある。男性よりも頻繁に歓楽街に行かないことが感染リスクを下げているともされる。
重症化する年齢については、従来の説が揺らいでいる。
日本感染症学会と日本環境感染学会の発表によると(2月26日時点)、中国人患者の死亡率は40代までは1%を切るが、50代になると1.3%、60代になると3.6%まで伸びる。さらに70代になると8%まで急増し、80代では14.8%に達した。
それらの結果からこれまで「高齢者ほど危ない」「子供は重症化しにくい」とされたが、状況は変わりつつある。
福岡市では3月30日に20代の母親と0才女児の新型コロナ感染がわかった。山梨県では0才女児が3月31日に一時心肺停止状態となり、搬送先で感染が確認された。医療ジャーナリストの鳥集徹(とりだまり・とおる)さんが説明する。
「これまで子供は“重症化しにくい”とされてきましたが、“重症化しない”わけではありません。インフルエンザと同じく、乳幼児や小児にも一定の重症化リスクがあることを忘れてはいけません」
気になるのは、低年齢の小児ほど重症例の割合が多いと報告されることだ。
上海の大学の研究チームが中国全土で感染確認と感染疑いのある小児2143例を分析。その結果、低酸素血症や臓器不全などを併発して重症化したケースの割合は、1才未満で10.6%、1~5才で7.3%、6~10才で4.2%、11~15才で4.1%、16才以上で3.0%だった。
幼児は充分な時間をかけて、さまざまな病原菌やウイルスに対する反応を発達させていないからだという。日本小児科学会も公式サイトで《子どもの感染者数は成人と比べると少ないですが、感染しやすさは成人と変わらないこともわかってきました》と説明している。
【元入所者の男性、再び不起訴 渋谷の養護施設長刺殺疑い】共同
4/7(火) 19:15配信
東京都渋谷区の児童養護施設「若草寮」で昨年2月、施設長の大森信也さん=当時(46)=が刺殺された事件で、東京地検は7日、殺人容疑で検察審査会の「不起訴不当」の議決を受けた元入所者の男性(24)を再び不起訴処分とした。処分理由を明らかにしていない。
男性は昨年2月、大森さんを刺殺しようとしたとして、殺人未遂容疑で逮捕され、殺人容疑で送検された。地検は鑑定留置で男性の当時の精神状態を調べた結果、刑事責任を問えないと判断、昨年5月に不起訴処分とした。
だが、東京第6検察審査会は昨年10月、心神喪失中の犯行だとした地検の判断は「検討が不十分」と指摘していた。
【【休校長期化、見えづらいSOS 子どもの心のケア急務 コロナ疲れ深刻化の恐れも】】毎日新聞
4/7(火) 18:52配信
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休校がさらに続く地域もあれば、再開する自治体もあり、対応が分かれているが、急務となっているのが子どもの心のケアだ。
「東日本大震災の後、被災地で不登校の子が増えた。その状況と同じだと思う」。不登校の専門紙「不登校新聞」編集長、石井志昂さん(38)は今、こんな危機感を抱いている。
都市部を中心に感染拡大の収束が見えない。「大人も抱いている先行きへの不安が子どもに伝わるだけでなく、大人自身も子どものSOSが見えづらくなっている」と石井さんは言う。SNS(ネット交流サービス)では、子どもに登校日と同じタイムスケジュールで過ごさせようと“奮闘”する親の姿もみられるが、「子どもが不登校になった場合にもありがちだが、お互い疲れてしまってうまくいかない。休校がさらに長期化すれば『コロナ疲れ』は一層深刻化する」と懸念を口にする。
学校を再開する地域でも注意が必要だ。長期休み明けは子どもの自殺が増える傾向にある。政府がまとめた自殺対策白書によると、18歳以下の自殺者数は夏休み明けの9月1日が最も多く、春休みや大型連休(ゴールデンウイーク)など長期休業明け直後に増える。
長野県小諸市を拠点に活動する「小諸登校拒否・不登校・ひきこもりに学ぶ親の会『はじめのいっぽ』」世話人を務める元小学校教員の小山優子さん(66)は「年度替わりは進学やクラス替えなどで重圧がかかりやすい上、一斉休校でストレスなどを抱えている子もいるはず。そこに大きな負荷を課せば、心身が疲れ切ってしまう。少しずつ学校生活に慣らしていく工夫が必要だ」と気を配るよう訴える。
筑波大の太刀川弘和教授(災害・地域精神医学)は「子どもたちにとって先が見えない非常事態。感染リスクから再開に不安を感じる子どもも多いだろう。学校関係者や保護者はできる限り規則正しい生活が送れるように工夫し、『いつか収束する。一緒に頑張ろう』と伝え続けて不安を取り除く必要がある」と指摘する
【【図解】免疫の仕組み、体を守る構造と過程の複雑なネットワーク】4/5(日) 6:35配信
AFP=時事
免疫の仕組みについて図解でまとめた。免疫系は体を守る構造と過程の複雑なネットワークになっている。
【図解】再利用できるマスクの作り方:新型コロナウイルス対策
■役割
・有害物質の排除
・ウイルスや細菌、寄生虫などの脅威の特定
・脅威の破壊、無力化、排出
■自然免疫
・防衛の最前線に当たる体の防御壁<例:皮膚、肺や胃腸の粘膜>
・防御機能を果たすもの<例:粘液、皮脂、涙液、せき反射>
・全身免疫反応<例:炎症、細胞反応>
■適応免疫
・特異な物質の脅威に対処
・脅威を排除するため抗体を産生
・脅威を見分けて記憶し、再び同じ脅威に遭遇した時は同様に対応
□免疫系の構成要素
<リンパ系>
組織内の余分な水分を排出するとともに、免疫システムの構成要素をつなぐ
<胸腺>
T細胞が成熟する器官
<脾臓(ひぞう)>
血液のろ過を助ける。古い赤血球の再利用、白血球の産生・貯蔵
<マクロファージ>
体内を巡って病原菌を貪食する遊走性食細胞
<リンパ節>
血液から微生物や有害物質をろ過する際、中心的な役割を果たす
<骨髄>
赤血球や白血球となる幹細胞をつくる
<白血球>
病原菌を特定し、排除
・好塩基球
異物の侵入を知らせる
・好酸球
寄生虫やがん細胞を攻撃、殺傷
・好中球
急性炎症部位に最初に集まる白血球
・リンパ球
B細胞:特定の脅威に対抗するため抗体を産生
T細胞:感染細胞を破壊
【新型コロナとBCGの相関関係について免疫学の宮坂先生にお伺いしました】より
ー【4月3日、日本ワクチン学会は「新型コロナウイルス感染症に対するBCG ワクチンの効果に関する見解」】を示しています。
(1)「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCGワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。
(2)BCGワクチン接種の効能・効果は「結核予防」であり、新型コロナウイルス感染症の発症および重症化の予防を目的とはしていない。また、主たる対象は乳幼児であり、高齢者への接種に関わる知見は十分とは言えない。
(3)本来の適応と対象に合致しない接種が増大する結果、定期接種としての乳児へのBCGワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない。
【新型コロナ院内感染、そのとき何が起こったか】東洋経済 4/4(土) 5:31配信
前略
■検査の対象者をどうやって決めるのか
濃厚接触者の定義はあっても、それを調べる方法がない。「保健所に聞いても検査対象者を決める具体的な方法はわからなかった。どのような手順で濃厚接触者を割り出し、どこまで検査を受けされるかは病院で決める必要があった」(高橋副院長)と言う。
医療機関で集団感染が発生した場合、検査の対象範囲などを一律に定めた基準はない。保健所の調査や助言のもと、医療機関が院内感染対策を実施する。感染者が接触した範囲を特定した後、濃厚接触者の範囲を具体化し、それに基づき、どこまで、誰を検査するべきかを決める。
同病院では感染者の発覚後、病院長をトップとする対策本部をすぐに立ち上げた。まず取りかかったのは、感染患者の行動をすべてたどることだった。外来を担当した医師や検査技師など、接触者の名簿を作成した。
もともと佼成病院には感染管理室があり、院内感染対策チームが活動していた。これに加えて杏林大学の教育関連施設として協力関係にあり、同大学出身者の感染管理認定看護師資格をもつ看護師が在籍していた。さらに、別の大学で感染制御部の責任者をしている医師が非常勤で勤務していた。
そこで、医師と看護師の意見、さらにアメリカの疾病対策センター(CDC)の基準をもとに、接触者の感染リスクの高さを測る評価マニュアルを作成した。
評価マニュアルでは「患者や患者の分泌物と直接接触したり、患者の部屋に入室した」という問いに始まり、さまざまな問いにイエス/ノーで答えていくと、感染リスクを「高」「中」「低」の3段階に分けられる。そのうち、高と中を濃厚接触者とみなして検査を行った。
検査対象となったのは合計48人。そのうち陽性が出たのは、看護師1人のみだった。考えられる感染経路は2つあった。
1つは80代の男性患者の入院時に尿の掃除や、抱きかかえてベッドに寝かせるなどの介助をしていたこと。もう1つは、マスクをしていたが70代の女性患者と長時間話していたことだ。看護師は男性患者が入院してから12日後、発熱などの症状が出ていた。
■退院患者の感染という「不意打ち」
病院内の感染者は1人のみだったが、「不意打ちを食らったのは、すでに退院した患者の感染だった」と高橋副院長は振り返る。
その男性患者は、初めに感染がわかった患者と同じ部屋に入院していた。期間は2日間だけだ。退院後は保健所の指導により自宅で過ごしていたが、同院で心臓カテーテル手術を受けていたことから、術後の経過確認のため2月26日に病院に来ていた。「息苦しい」という患者の訴えから、心電図や肺の検査をしたところ、肺炎が見つかった。すぐにPCR検査が行われ、結果は陽性。都内の指定感染症病院へ搬送された。
病院は再び、その男性患者の診察や検査をした接触者の中から濃厚接触者を検査しなければならなかった。しかし、防御体制が強化されていたため濃厚接触者は少なく、新たな陽性者はいなかった。
3月7日、感染が発覚した看護師を含む4人の濃厚接触者となる家族や入院患者、病院職員全員の陰性が確認された。
外来診療をやめている間も、一部の患者の診療は続けていた。がんや人工透析、糖尿病は治療を中断できない。例えば、抗がん剤を注射しているがん患者には治療を続けなければならない。薬を希望する患者の診察は、1階のフロアだけで行った。玄関近くに間隔を空けて椅子を並べ、その場で患者から話を聞いて薬を出していた。
病院は3月9日から外来診療を再開したものの、二度とウイルスを持ち込ませないように厳重態勢が続いている。
外来患者は感染リスクがないかどうか、フローチャートに沿ってトリアージ(振り分け)を行う。病院入り口に置かれたサーモグラフィーを通り、発熱がなければ外来へ進める。発熱者は別室で症状を聞き取り、通常のインフルエンザの対応でよいと判断されれば2階の内科を受診する。それ以外の患者は、ウイルスが外に出るのを防ぐために特設された陰圧室へ進む。
■病院倒産が増える恐れも
4月以降は救急受け入れも再開し、ほぼ通常通りの体制に戻ったが、3週間の病院閉鎖は痛手となった。通常時は1日約700人いる外来患者が、病院閉鎖期間中は100人まで減少。外来再開後は500人ほどまで戻っているが、元通りとはいかない。2月と3月の2カ月間の収入は通常の6割程度になった。
経営が盤石な病院ならば感染者が発生しても持ちこたえられるが、一般の民間病院に感染が拡大すれば、感染者が1人出ただけで大打撃となる病院も出てくるだろう。民間病院でつくる日本医療法人協会の加納繁照会長は「民間病院は公立と違い、赤字が補填されず、病院倒産が増える可能性がある。緊急融資などの補助が必要だ」と危惧する。
一方、全国の開業医が加盟する全国保険医団体連合会は、国に対して感染拡大や院内感染防止のための財政支援や休診時の休業補償を要請している。同連合会が3月中旬に行った調査では、約8割の医療機関でマスクや消毒液の在庫不足や購入の見通しが立たないという。同連合会のある理事は「病院やクリニックではマスク不足が深刻だ。このままでは院内感染の拡大を防げない」と言う。
感染の爆発的流行前に病床確保が急がれるが、院内感染防止のための財政、物資の支援が急務となっている。
【当事者1000人超調査にみる ひきこもりにまつわる8つのウソ】4/3(金) 18:27
※『ひきこもり・生きづらさについての実態調査2019』は、2019年10月~11月にかけて一般社団法人ひきこもりUX会議によって実施され、社会学者の新雅史氏が分析し、3月末に公表された。調査はひきこもり経験者を含めたすべて、現在ひきこもり状態にある人、男女別に集計されており、この記事では性別統計以外はすべて現在ひきこもり状態にある人の集計をもとにした。また小数点以下は四捨五入を行った。
飯島裕子
:東京都生まれ。大学卒業後、専門紙記者として5年間勤務。雑誌編集を経てフリーランスに。人物インタビュー、ルポルタージュを中心に『ビッグイシュー』等で取材、執筆を行っているほか、大学講師を務めている。著書に『ルポ貧困女子』(岩波新書)、『ルポ若者ホームレス』(ちくま新書)、インタビュー集に『99人の小さな転機のつくり方』(大和書房)がある。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
:東京都生まれ。大学卒業後、専門紙記者として5年間勤務。雑誌編集を経てフリーランスに。人物インタビュー、ルポルタージュを中心に『ビッグイシュー』等で取材、執筆を行っているほか、大学講師を務めている。著書に『ルポ貧困女子』(岩波新書)、『ルポ若者ホームレス』(ちくま新書)、インタビュー集に『99人の小さな転機のつくり方』(大和書房)がある。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
ひきこもり当事者団体が実施した大規模なアンケート調査の結果がこのほど発表された。
1,689名の有効回答のうち、現在ひきこもり状態にある人940人、ひきこもり経験がある人508人となっており、ひきこもり当事者に関する調査としては、過去最大のものとなっている。
アンケートをみていくと、一般的に考えられがちなひきこもりの人々に対する印象や知見とは異なる結果も出ている。そのいくつかをQ&A形式で紹介したい。
Q1ひきこもりは女性より男性のほうが多い?
一般的にひきこもりは男性のほうが多いとされてきたが、今回の調査では、女性997人(61%)、男性550人(34%)となっており、従来とは逆の結果になった。調査を主催した団体が「ひきこもり女子会」などを行っているひきこもりUX会議だった影響も多少あるが、1000人近い女性たちが回答していることからも、ひきこもり女性たちが確実に存在するということができるだろう。
また性別として「その他」を選んだ人も76人(5%)いた。ひきこもりになった原因をたずねた項目では「性自認や性的指向」と答えた人が5%ほどいることから、LGBTとして生きていくことの難しさがひきこもりのきっかけになり得ることもわかった。
Q2ひきこもりの人は親と同居しており、いざとなったら助けを受けられる?
現在ひきこもっている人のうち、5人に1人が一人暮らしという結果になった。
親に経済的に頼っている人が9割に達するものの、2人に1人が「生活に困窮している」と答えている。この数値から、同居する親ともども生活に困窮している、いわゆる8050問題が存在することが見て取れる。
また「急な病気の時に頼れる人がいるか?」という問いには29%が「いない」と回答。家族と同居していてもその関係性ゆえか、頼ることができないと感じている人も少なくない。「精神的な支えがない」と回答した人が57%に達するなど、孤立している様子もうかがえる。
Q3ひきこもりの人は今の状態を”心地良い”と感じている?
ひきこもりの人は、自室や自分の家から出られない状態を良しとしていると思われがちだ。しかしアンケートでは、現在の状態を「とてもつらい/つらい」と答えた人が6割を占めた。
また「生きづらさを感じるか?」という問いには92%が「感じる」と答え、「自分のことを嫌いだと感じる時はあるか?」には89%が「常に感じる/時々感じる」と答えている。「生きづらさ理由(複数回答)」として最も多かったのは、「こころの不調・病気・障害」(78%)、続いて「経済的不安」(76%)、「自己否定感」(76%)だった。
ひきこもりは、自分の殻に閉じこもって甘えている、怠けていると思われがちだが、現状を変えられない自分自身に対し強いストレスを感じ、つらい毎日を送っていることが垣間見られる結果だ。
Q4ひきこもりの人は就労経験がない?
現在ひきこもりの人のうち、働いた経験がある人が8割を超えている。さらに正社員経験がある人が30%、契約、派遣、バイトなど非正規で働いた経験がある人が53%であった。また累計の就労期間をみると41%が「5年以上」である一方、25%が「1年未満」であった。
働いていない理由(複数回答)については、「就労する自信がない」が74%が最多。「こころの不調・病気・障害」(65%)がそれに続く。「今後働きたいと思うか」という問いに対しては、「とても思う/思う」と答えた人は6割となっている。理想の雇用形態として「正社員」を選んだのは22%にとどまっている。就労経験があるものの、うまくいかなかったことから自信を奪われ、働くことに前向きになれない状況にあることがうかがえる。
Q5不登校や学校中退をきっかけにひきこもりになる人が多いため、学歴が低い?
全体の4割が中退経験者と中退率は非常に高い一方、55%が「大卒以上」であり、大卒の国内平均、52%と比べても高学歴であることがわかった。
ひきこもりの原因(複数回答)としては、「不登校」(37%)「いじめ」(27%)と学校時代の経験を上げた人がいる一方、「職場での人間関係」(34%)、「ハラスメント・暴力」(18%)、「退職」(32%)と'仕事にまつわる経験を上げた人も多くいたことから、必ずしも「不登校」「中退」ばかりがきっかけではないことがわかる。
Q6ひきこもりは若者の問題である
これについては、最近中高年のひきこもりについて報道される機会が増えたため、若者だけの問題ではないと感じている人が多いかもしれない。
今回のアンケートでもひきこもりは全世代にわたる問題であることが明らかになった。現在ひきこもっている人のうち、最年少は14歳、最高齢は71歳。40代以上が37%で平均年齢は36.4歳だった。高齢になるほど長期化する傾向が顕著で、現在、ひきこもっている人のうち、その期間は平均8.8年。40歳以上になると14.2年に及んでいる。長期化するほど抜け出すことは困難であり、若者と高齢ではゴールや支援方法が異なってくることが考えられるだろう。
Q7ひきこもりの人は支援機関に助けを求めることはない?
ひきこもりの人は外の世界と繋がる機会がない、そもそも繋がろうとしないと考えられがちだ。しかし、アンケートでは現在ひきこもり状態にある人の大半が何らかの支援機関を利用した経験があると答えている。具体的には「病院・診療所による医療サービス」が72%、「ハローワークやサポステなどの就労支援」が56%であった。
しかし支援機関の門を叩いた経験があるものの、うまくいかなかったケースが非常に多いことも浮き彫りになってきた。就労支援や行政機関からの支援を受けた人のうち、実に9割が「サービスに課題を感じる」と回答。さらに自由記述欄には、意を決して支援に繋がろうとしたもののうまくいかず、失望した経験など、支援機関の問題点が数多く指摘されている。再び助けを求めて窓口に行くまでには長い時間がかかり、その結果、さらに孤立を深めてしまう場合も少なくない。
ではどのような介入が可能なのか? 最近増えている「当事者の会やフリースペースなどに参加したい」と答えた人が57%に上っており、「似た経験をした人と交流したい」(70%)、「今より人と交流したい」(66%)という声も多かった。こうした結果からも支援者と受益者という関係ではない、新しいつながりに基づいた居場所づくりの可能性'が浮き彫りになってきた。
Q8就労自立こそがひきこもり脱出のゴールである
ひきこもりを脱するためには、働いて自立することが欠かせないと考えられ、ひきこもり支援団体の多くもそこを最終目標に設定している。しかし実際の就労支援が当事者に届いていないことはQ7でも明らかになったとおりだ。
アンケートでは「生きづらさから脱するきっかけ」についてもたずねている(複数回答)。就労に関する出来事が多いと思われたが、「就職したとき」は13%にとどまっており、最も多かったのは、「安心できる居場所が見つかったとき」42%、次いで「こころの不調や病気が改善したとき」41%だった。
最後に
アンケート結果を簡略に紹介するため、Q&A方式をとり、数字の大小で傾向を示すような書き方をした。しかし逆説的な言い方になるかもしれないが、アンケートを読みながら感じたのは、ひきこもりの多様性であり、誰もがひきこもりになり得るという事実だった。
調査を主催したひきこもりUX会議代表理事の林恭子さんは「ひきこもりは百人百様」と語っている。ステレオタイプを押しつけるのではなく、一人ひとりの物語にきちんと耳を傾け、寄り添う姿勢が大切であり、それこそが行政はじめ支援機関に求められていることであると感じている。
ひきこもりUX会議では、結果をもとに、ひきこもりの人に対するよりよい居場所づくりを目指して支援者向けの講習を行うなど、活動を続けていく予定だ。詳しくは、一般社団法人ひきこもりUX会議まで。
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