抗精神病薬向精神薬リスト清書

抗精神病薬向精神薬リスト清書
【【目次】


【01-01抗精神病薬Antipsychotics】
【01-02向精神薬Psychoactive drug, Psychotropic

【02-01ベンゾジアゼピン(benzodiazepine)】
【02-02クロルプロマジン】
【02-03セロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA:Serotonin-Dopamine Antagonist)とか5-HT2/D2拮抗薬】
【02-04セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬SNRI(英語: Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors; [1])
【03-01耐性drug tolerance、あるいは寛容とも) 】
【03-02身体的依存(Physical dependence)】

【04-01べゲタミン-B配合錠 :(Vegetamin)】
【04-02セロクエル :Quetiapine)】
【脳内物質ー神経作用】
【monoamine neurotransmitter)】
【Extrapyramidal symptomsー錐体外路症状
【【本文】
【Extrapyramidal symptomsー錐体外路症状
Wikipedia
錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう、英語: extrapyramidal symptom)は、大脳基底核が主として関与する神経学的症状である。錐体外路症候群とも呼ばれる。頭文字をとってEPSと略す場合がある。 錐体外路症状は一般に、筋緊張亢進‐運動減退症候群(英語:hypertonic-hypokinetic syndrome)、筋緊張低下‐運動亢進症候群(英語:hypotonic-hyperkinetic syndrome)の2つに大別される。
看護用語辞典
錐体外路は、錐体路以外の全ての中枢神経系の経路のことで姿勢・運動に対する基本的かつ無意識的な運動をコントロールし、運動が円滑に行うことができるように筋緊張などを調節している。
脳科学辞典
錐体外路症状とは、錐体外路の障害により出現する症状である。 広義には錐体外路は、錐体路以外のすべての中枢神経系の経路を指すが、錐体外路症状という場合には、大脳基底核を中心とする大脳皮質との神経回路(大脳皮質―大脳基底核ループ)のことを錐体外路と考えてよい。
Common side effects of antipsychotics include sedation, anticholinergic effects, orthostatic hypotension, extrapyramidal symptoms and tardive dyskinesia.
sedation
 :the administering of a sedative drug to produce a state of calm or sleep.
anticholinergic
: relating to or denoting nerve cells in which acetylcholine acts as a neurotransmitter.
orthostatic
:relating to or caused by an upright posture.
hypotension
:abnormally low blood pressure.
tardive
:Tardive dyskinesia(abnormality or impairment of voluntary movement.)
:The central nervous system disorders that can be treated with the compound include psychotic disorders, substance dependence, drug abuse, dyskinetic disorders
【錐体外路症状】


抗精神病薬の一般的な副作用には、鎮静、抗コリン作用、起立性低血圧、錐体外路症状、遅発性ジスキネジアなどがあります。
鎮静
  :鎮静剤を投与して、穏やかな状態または睡眠状態にする。
抗コリン作用
:アセチルコリンが神経伝達物質として作用する神経細胞に関連する、またはそれを示す。
起立
:直立姿勢に関連する、または直立姿勢によって引き起こされる。
低血圧
:異常に低い血圧。
遅刻
:遅発性ジスキネジア(随意運動の異常または障害)
:化合物で治療できる中枢神経系障害には、精神病性障害、薬物依存症、薬物乱用、運動障害
【monoamine neurotransmitter)】はアミノ基を一個だけ含む神経伝達物質または神経修飾物質の総称である。セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンなどが含まれる。このうちノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンはカテコール基をもつためカテコールアミンと呼ばれる。
monoamine neurotransmitter
a compound having a single amine group in its molecule, especially one that is a neurotransmitter (e.g., serotonin, norepinephrine).
a chemical substance that is released at the end of a nerve fiber by the arrival of a nerve impulse and, by diffusing across the synapse or junction, causes the transfer of the impulse to another nerve fiber, a muscle fiber, or some other structure.

screening
the evaluation or investigation of something as part of a methodical survey, to assess suitability for a particular role or purpose.



【脳内物質ー神経作用】
serotonin
標的細胞のシナプス間隙に一定のセロトニンを分泌させ、覚醒状態を維持することにある。痛みやストレスなどの内外環境からの覚醒・ストレス刺激には影響されない。徐波睡眠に移行するとその活動が減弱、レム睡眠になると、完全に消失する。
脳内のパターン形成機構によるリズム性運動(歩行運動、咀嚼運動、呼吸運動、グルーミングなど)で興奮し、覚醒状態における種々な活動に適度な緊張(抗重力筋の緊張や交感神経の緊張など)を与える役割がある。
dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。
前駆体とは、precursor) とも呼ばれる。 ある化学物質について、その物質が生成する前の段階の物質のことを指す。
adrenaline
交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンと呼ばれる。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといった状態に相当するストレス応答を、全身の器官に引き起こす。
noradrenaline
シナプス伝達の間にノルアドレナリン作動性ニューロンから放出される神経伝達物質や、副腎から血液に放出されるホルモンとして機能する。また、ストレス・ホルモンのうちの1つであり、注意と衝動性 (impulsivity) が制御されている生物の脳の部分に影響する。アドレナリンと共に、この化合物は闘争あるいは逃避反応を生じさせて、心拍数を直接増加させるように交感神経系を動かし、脂肪からエネルギーを放出し、筋肉の素早さを増加させる。
glutamic acid, glutamate
glutamic acid, glutamate
acid
containing acid or having the properties of an acid; in particular, having a pH of less than 7.
グルタミン酸は、神経系では、興奮性神経伝達物質の一つであり、記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。他方、グルタミン酸は、神経系では、内因性興奮毒としての性質を持ち、細胞死、パーキンソン病、抑うつなどの神経症に関わっている[6]。大脳皮質でグルタミン酸は脳虚血などの病的状態においては神経毒として作用し、神経細胞の壊死を起こすことが知られている[7]。

【01-01抗精神病薬Antipsychotics】Wikkipedia
 広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている精神科の薬である。過去には、神経遮断薬(Neuroleptics)[3]、あるいはメジャートランキライザー(Major tranquilizers)とも呼ばれ、1950年代には単にトランキライザーと呼ばれた。薬事法における※1劇薬に指定されるものが多い。抗精神病薬は、それ以外にも幅広い精神障害に使用される。
 抗精神病薬は大きく2分類することができ、古い定型抗精神病薬と、新世代型の非定型抗精神病薬がある。非定型抗精神病薬は、双極性障害のうつ状態やうつ病にも適応がある薬がある。非定型抗精神病薬は、従来の定型抗精神病薬と比較してドーパミンD2受容体拮抗作用に加えてセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有したり、「緩い」ドーパミンD2受容体拮抗作用を有するなどの特徴をもった薬剤である。
※1
劇薬は医薬品の一種である。定義及び取扱いは同法44条以下が定めている。
劇性が強いものを薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が劇薬として法令で指定する。劇薬は白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。また、その保管に際しては、他の物と区別して貯蔵および陳列しなければならない。
具体的には、致死量が、経口投与で体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のものを言う。
 定型抗精神病薬は、錐体外路症状、口が渇く、便秘といった副作用が少なく、統合失調症の陰性症状にも効果が認められる場合があるとされる。しかし#定型対非定型節に見られるように、大規模な試験による分析によれば、非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬よりも優れているという根拠は乏しい。
 厚生労働省自殺・うつ病等対策プロジェクトチームが「統合失調症に対する抗精神病薬多剤処方の是正に関するガイドライン」の策定を計画しており[7]、2013年10月にSCAP法という減薬ガイドラインが公開された[8]。抗精神病薬の大量処方からの減量は、過感受性精神病という離脱症状による精神症状の悪化を引き起こす可能性があり注意が必要である[9]。
 抗精神病薬の使用は脳の容積を減少させるかについてはさらなる研究を要する[10]。抗精神病薬の使用は若年認知症発症の危険因子である[11)。
医療用途
統合失調症に用いるのが典型的な用途である[1]。抗精神病薬は、ドーパミン拮抗薬(ドーパミン・アンタゴニスト)で、主な作用は脳内の神経伝達物質であるドーパミンの遮断である。主に、中脳辺縁系のドーパミン作動性ニューロンのドーパミンD2受容体を遮断する。そのことによって、妄想や幻覚といった精神症状を軽減させる。PET(ポジトロン断層法)での研究から、高プロラクチン血症や錐体外路などの副作用が生じるよりも少ない量で有効な反応がみられることが明らかになっている[12]。
単に適応が認められていないばかりでなく、小児や高齢者では死亡リスクを高めることが実証されているために、適応外使用の違法なマーケティングに対し、非定型抗精神病薬のエビリファイ(アリピプラゾール)、ジプレキサ(オランザピン)、セロクエル(クエチアピン)、リスパダール(リスペリドン)と罰金の史上最高額を塗り替えている[13]。
いずれにせよ、各々の薬剤の特徴を考え、標的症状の性質と照らし合わせながらエビデンスに基づいた薬剤使用が望まれる。また、いたずらな多剤併用は避け、可能な限り単剤投与を心がけるべきであり、WHOガイドラインでも「一度に1種類の抗精神病薬を処方する」という立場である[1]。


【01-02向精神薬Psychoactive drug, Psychotropic
とは、中枢神経系に作用し、生物の精神活動に何らかの影響を与える薬物の総称である。主として精神医学や精神薬理学の分野で、脳に対する作用の研究が行われている薬物であり、また精神科で用いられる精神科の薬[2]、また薬物乱用と使用による害に懸念のあるタバコやアルコール、また法律上の定義である麻薬のような娯楽的な薬物(英語版)が含まれる[3]。
個々では異なる特徴を有する。典型的な精神刺激薬は、興奮を生じさせるが、MDMAでは共感性を呼び起こす作用が強い。オピオイドやアルコールのように致死量と作用量が狭く過剰摂取によって死亡しやすい薬物や、大麻や幻覚剤のように広いためそうしたことが起こりにくいものがある。ニコチンやアルコールは共に依存性が強いとみなされているが、アルコールの離脱症状による振戦せん妄は致命的となりえるが、ニコチンではそうしたことは起こらない。アルコールの作用には暴力を起こす傾向があり、大麻のように攻撃的な感情を減少させる薬物がある。

狭義の「日本の法律上の向精神薬」は、麻薬及び向精神薬取締法で個別に指定された薬物を指す。薬物乱用の懸念があるメチルフェニデートのようなや精神刺激薬、ベンゾジアゼピン系やバルビツール酸系の抗不安薬・睡眠薬・麻酔薬・抗てんかん薬の一部が、日本の同法における第一種向精神薬から第三種向精神薬に指定されている。これは国際条約である向精神薬に関する条約の付表IIからIVに相当する。
抗精神病薬 (Antipsychotic)主に統合失調症の症状の対症療法での治療薬を指し完治させるものではない。統合失調症に有効な抗精神病薬は、全てがドーパミンD2受容体ファミリーに親和性を示し、ドーパミンのはたらきを抑制、あるいはコントロールする。このうち非定型抗精神病薬は双極性障害、うつ病の治療にも用いられる。
気分安定薬 (Mood stabilizer)双極性障害における躁病とうつ病の波を安定化させるとされる治療薬である。
精神刺激薬 (Stimulant)メチルフェニデートやアンフェタミンのように、突然強い眠気を催すナルコレプシーや注意欠陥・多動性障害 (ADHD) の治療薬として処方される。メチルフェニデートやアンフェタミンは、ドーパミンの受容体に結合する

抗うつ薬 (Antidepressant)主にうつ病の治療薬として処方されるほか、抗不安薬の問題提起がされてからは不安障害の治療薬としても用いられるようになった。このうち環系抗うつ薬並びに四環系抗うつ薬は重い副作用が出る危険性があるものの重症例には有効とされ現在も処方されている。現在は比較的副作用が少ないとされるSSRIやSNRIを第一選択としている。しかしこれらの抗うつ薬の安全性についてもSSRI離脱症候群などの議論がある。
抗不安薬 (Anxiolytic)不安や緊張を鎮める作用があるベンゾジアゼピン系が多い。不安障害の治療薬としてのベンゾジアゼピンはベンゾジアゼピン離脱症候群が問題視されてから抗うつ薬に置き換えられ、短期的な使用に限られるようになった。

睡眠薬 (Hypnotic)不眠症に対し、睡眠を誘導する治療薬として用いられる。バルビツール酸系など、強い催眠作用のある薬物で、従来、睡眠薬として用いられた。ベンゾジアゼピンへと、バルビツール酸系よりも危険性が低いとして置き換えられた。非ベンゾジアゼピン系へと、ベンゾジアゼピンよりも危険性が低いとして置き換えられた。しかし、非ベンゾジアゼピン系の安全性についても議論がある。抗ヒスタミン薬は、薬局で購入できる医薬品として認可されている。しかしまた、安全性について議論がある。オレキシン受容体拮抗薬は、睡眠を促すのではなく、覚醒状態を抑制するため、GABAに影響を及ぼし習慣性と依存性があり短期的な使用が推奨されるベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系とは異なった副作用により、長期的に使用できるとされている[40]。
議論
1996年、アメリカ国立精神衛生研究所(英語版)のスティーブン・ハイマン(英語版)所長とイェール大学のエリック・ネスラー(英語版)博士は「向精神薬の長期投与は、ほとんど全ての自然刺激の耐久力や回復力の限界を確実に越えるようで、神経伝達物質の機能に混乱を引き起こします[注 1]」と述べている[41]。
1998年、ミシガン大学のエリオット・ヴァレンスタイン博士は「生きている人間の脳の化学的な状態を評価するための検査法は、存在しないのが現実だ[注 2]」と述べている。精神科医などは、向精神薬は「脳内化学物質の不均衡」を正すと説明するが、科学的な根拠があるわけではない。また、専門家の間では、「脳内化学物質の不均衡」説は辻褄が合わないことが古くから知られており、向精神薬の処方には合理的な理由がないのが実情である[42]。
2005年、メディアに追及されたアメリカ精神医学会のスティーブン・シャーフスタイン会長は、『People』誌で、「脳内化学物質の不均衡」の証明について、「明確な検査法は存在しません[注 6]」と認めている[51]。脳スキャン技術による診断の目処も立っていない[52]。
有害な精神科治療を調査したボストン・グローブ紙の連載で、1998年、ピューリッツァー賞の最終候補に残ったこともある医療ジャーナリストのロバート・ウィタカー(英語版)によれば、研究文献を調べると、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、ADHD治療に使われる「リタリン」のような精神刺激薬の全てに共通のパターンが見られる。短期間、たとえば、6週間であれば、対象症状について、偽薬よりわずかに上回る効果を得られる可能性があるが、長期間になると、全ての対象症状で偽薬を投与された患者より悪化し、慢性化、重症化している。また、かなり著しい割合で、新たな精神症状やより重い精神症状が薬物自体によって引き起こされている [53]。
2006年、DSM-IVの作成に関与した精神医学の専門家の56%(170人中95人)に、向精神薬を販売する製薬会社と金銭的なつながりがあったことが判明した。感情障害と精神病性障害(psychotic disorders)の作業グループでは100%であった。マサチューセッツ大学の臨床心理学者であるリサ・コスグローヴ[54]博士は「精神医学の分野における金銭的なつながりがどれ程ひどいのか、私は大衆が気づいているとは思いません[注 7]」と述べている[55][56]。
アラスカ州最高裁判所は抗精神病薬に関する訴訟の判決文で、「向精神薬は患者の心身に重大で永続的な悪影響を及ぼすことがある[注 8]」「数々の破壊的な副作用を引き起こす可能性があることが知られている[注 9]」と説明している[57]。
2008年、ニューヨーク州立大学のトーマス・サズ博士は「自然科学事業の健全性は、私たちが『科学的』と呼ぶ活動に従事する各人が、真実を探求して真実を語る、また、誤った説明と虚偽の『事実』を暴いて排除するという科学的共同体の約束で成り立っています。対照的に、宗教の安定性、精神医学の偽装信仰、いわゆる行動科学は、議論の余地のない教義としきたりに対する担い手の忠誠、それに基づいた集団の繁栄に害を及ぼすような真実を語ることへの拒絶から成り立っています[注 10]」「プロフェッショナルの信頼性を保つために、精神医学の歴史家、精神科医のような者は、癌が実在するのと同じ感覚で、心の病は実在すると信じるか、信じているふりをしなければなりません。その結果、彼らは鼻の先にある現実を見る危険を冒すことができません[注 11]」と述べている[61][62]。

2010年、抗うつ薬の効果について、医師側から二つの反論がある。一つは、アメリカ食品医薬品局は偽薬より効果があると示す2件の臨床試験を要求しており、効果のない薬を承認するはずがない、という反論である。しかし、2件であり、他の大多数の臨床試験が効果がないと示していても良い。また、要求は統計的有意差であり、臨床的有意差(医薬品と偽薬の効果の差)の大きさは考慮されていない。もう一つは、医師は臨床現場で効果を確認している、という反論である。しかし、医師は偽薬を使うことがほとんどないため、偽薬に1錠4ドルする薬と同程度の効果があるとは考えない。また、専門家は抗うつ薬に効果がないとは言っていない。何も処方しないより偽薬を処方したほうが効果があり、抗うつ薬には偽薬程度の効果がある。問題としているのは抗うつ薬の効果が偽薬効果か否かである。「ゾロフト」を製造するファイザー社のスポークスパーソンは、抗うつ薬が「一般に偽薬と区別できないこと[注 12]」は「アメリカ食品医薬品局、学界、製薬業界でよく知られている事実です[注 13]」と述べている[64][65]。

2012年、DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長は「精神医学における生物学的検査というのは未だにありません」「誤解を招きやすい考えの一つが、精神科の問題はすべて化学的アンバランスによるもので、服薬で病気が治るという考え方です。この考えによって、製薬会社は過去30年にわたって薬を売ることができたわけです」と述べている。精神科の軽度〜中程度の症状には、心理療法が少なくとも薬物療法と同じくらい効果がある。心理療法のほうが持続効果は長く、副作用も少ないが、非常に多くの人が必要のない薬物療法を受けている[66]。
2013年、国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦室長は「精神科では依存性のある薬を使わざるを得ない場面もあるが、漠然とした投薬や診察なしの投薬は避けるべきだ」と指摘している。睡眠薬や精神安定剤として、多くの診療科で処方されるベンゾジアゼピン系薬剤は依存性の高さが指摘されている。薬物依存症について、精神科医からは「内科などの不適切な処方が問題」との意見が出ていたが、同センターなどの調査によれば、依存症の専門外来を受診した患者の84%は精神科治療によって引き起こされている[67][68]。

【02-01ベンゾジアゼピン(benzodiazepine)】

 縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ、向精神薬である。多くのベンゾジアゼピン系薬は日本の麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)における第三種向精神薬に指定され、また個別には麻薬取締法と重複して日本の薬事法において習慣性医薬品に指定されているものがある。 その後に、催眠用途の医薬品として、非ベンゾジアゼピン系が登場している。不安障害においても第一選択はSSRI系抗うつ薬であり、ベンゾジアゼピン系薬の位置づけは低下。
ベンゾジアゼピンは、GABAA受容体における神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を強め、鎮静、催眠 (睡眠導入(英語版))、抗不安、陶酔、抗けいれん、筋弛緩の特性がある。 また、多くの短時間型ベンゾジアゼピンの高用量における応用薬理として、健忘-解離作用がある[2]。
一般に短期間の使用であれば安全で有効であるが、時に認知障害と攻撃性や行動脱抑制のような奇異反応が生じる[5]。少数では、通常予想されるのとは反対の反応を示す。例えば、パニックの状態が、ベンゾジアゼピンを服用することでかなり悪化する場合がある[5]。 長期間の使用は、有害な精神的、身体的影響に関する懸念のため議論がある。ベンゾジアゼピン系には耐性、身体依存、また長期間の使用の後に断薬した場合に離脱症状を生じさせる傾向があるために、有効性に対する疑問が増加している。
【02-02クロルプロマジン】
 重要な副作用は、パーキンソン症候群である。初期は手がふるえ、綺麗な文字が筆記できなくなり(くずしたような文字になる)、けいれん(振戦)が生じ、横隔膜のけいれん(しゃっくり)なども生ずることが報告されている。美容上では色素沈着などが生じ、その結果そばかす状の汚点などが生じる。眼科では網膜に色素沈着が生ずることも知られている。おおむね、活力が減退し、「意志」の力が減退する。また、外的なストレスに弱くなり、内部に「ストレス」が蓄積される。[

【02-03セロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA:Serotonin-Dopamine Antagonist)とか5-HT2/D2拮抗薬】

【02-04セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬SNRI(英語: Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors; [1])

  成分(一般名) : デュロキセチン塩酸塩 製品例 : サインバルタカプセル20mg~30mg 区分:抗うつ剤(SNRI)/セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
 【02-04-01】デュロキセチン塩酸塩の効く仕組み】
ここでは、「うつ病・うつ状態」と「痛み」の2つに分けて、デュロキセチン塩酸塩の効く仕組みを説明します。
1. うつ病・うつ状態
 私たちの思考や行動には多数の神経が関わっています。神経が次の神経に様々な神経伝達物質を渡すことで、思考や行動に関する情報(シグナル)が伝えられていきます。神経の端には、神経伝達物質を出す穴と受け取る口(受容体(レセプター))があり、そこでキャッチボールのようなやり取りが行われます。神経伝達物質のうち、不安や無気力の発生に関わっているのが脳内の「セロトニン」と「ノルアドレナリン」です。セロトニンの増加は不安を和らげ気分を楽にし、ノルアドレナリンの増加は意欲を高めます。うつ病・うつ状態は、このセロトニンとノルアドレナリンの受け渡しが不足することにより情報伝達がうまく行えず、不安や無気力になる状態と考えられています。これらの症状は、セロトニンとノルアドレナリンを薬で補うことにより改善することができます。
1.うつ病・うつ状態
神経から放出されたセロトニンとノルアドレナリンはすべてが次の神経に渡されるわけではなく、神経伝達物質を渡す神経と受け取る神経の間に漂い、再び元の神経(神経伝達物質を渡す神経)に戻ることがあります。デュロキセチン塩酸塩は、セロトニンとノルアドレナリンが次の神経に渡されず再び元の神経に戻るのを抑える働きがあります。この働きを「再取り込み阻害」と呼びます。デュロキセチン塩酸塩は、セロトニンとノルアドレナリンを再取り込みする部位だけをターゲットにして結合し、再取り込みを阻害することで、神経伝達物質を渡す神経と受け取る神経の間のセロトニンとノルアドレナリンの濃度を高めます。これにより、セロトニンとノルアドレナリンが次の神経に取り込まれる量が増加するので、うつ病・うつ状態を改善することができます。
 2. 痛み
「痛み」は、侵害性(けがなど)、神経障害性、心因性に分類されますが、痛みが発生すると、痛みの情報(シグナル)が神経を通じて脊髄から脳へと伝えられ、痛みの部位やその強さを認識します。つまり、痛みは脳で感じるのです。
 痛みを伝える神経がある一方で、脊髄から脳への痛みの伝達を抑制する「下行性疼痛抑制系神経」と呼ばれる痛みを抑える神経があります。この下行性疼痛抑制系神経の働きは、セロトニンとノルアドレナリンによって活性化されることがわかっています。そして、慢性的な痛みの原因のひとつとして、セロトニンとノルアドレナリンの機能低下やバランス異常が考えられています。つまり、セロトニンとノルアドレナリンで下行性疼痛抑制系神経を活性化することができれば、痛みを感じにくくなり鎮痛効果を得ることができます。
 【03-01耐性drug tolerance、あるいは寛容とも) 】

 疾病の治療に用いられる医薬品などを反復して投与するうちに、投与されたヒトや動物が抵抗性を獲得して効力が低下していく現象のこと。薬物耐性とも呼ばれるが、向精神薬に対する耐性のことを特に薬物耐性と呼ぶことも多い。耐性は、薬物依存症の診断基準の1つである[8]。
また感作( sensitization)は、薬物の効力が増加していくことであり、逆耐性(reverse tolerance)とも呼ばれる。
薬剤耐性と呼ぶこともあるが、こちらの語は感染症などの治療に用いる薬剤に対して病原体が 抵抗性を獲得する現象である薬剤耐性(drug resistance)に用いられる場合が多い。
医薬品の一部では、治療などの目的で投与を繰り返しているうちに、その薬効が減弱し、最終的にはほとんど効かなくなる場合がある。医学(特に薬理学)では、この現象を耐性と呼ぶ。また、特に短時間のうちに耐性が形成される現象はタキフィラキシー(速成耐性、速成寛容)と呼ばれる。また、逆耐性とも呼ばれる感作は、精神刺激薬を間をあけて反復的に使用した場合に生じやすく、薬効が増強されていくことである。
耐性は薬剤の反復投与によって、投与されたヒトや動物に何らかの変化が生じて、薬剤に対する抵抗性が獲得されたことによる。この機構には、主に二つのものが知られており、それぞれ組織耐性(あるいは機能耐性)、代謝耐性と呼ばれる。組織耐性は薬剤の反復投与に伴って、その薬剤が作用する受容体の数が減少するなど、薬剤の作用点に組織レベルの変化が生じた結果、薬剤が効きにくくなることである。代謝耐性は、肝臓などでその薬剤を分解する酵素の産生が誘導された結果、体内の薬剤濃度が投与後速やかに減少してしまい、効力を発揮できなくなることである。
耐性が生じるかどうかは、その薬剤の種類によってほとんど決まっており、その耐性獲得の機構も薬剤ごとに異なる。また同じ薬剤であっても、標的となる作用によって耐性が生じるかどうかに違いが現れることもある。例えば、カフェインの中枢神経に対する作用(中枢神経興奮作用など)には耐性が現れない(組織耐性、代謝耐性ともに生じない)が、末梢組織に対する作用の一部(血圧亢進作用、利尿作用)には組織耐性が現れることがある。
耐性が生じると、それまで有効であった治療薬の効果が減弱するため、医療上の問題になる。耐性を生じやすい代表的な薬剤としては、糖尿病に用いられるインスリン、狭心症の治療に用いられるニトログリセリン、パーキンソン病の治療薬であるL-ドーパなどが知られる。その他の耐性の例としては、睡眠薬に対する耐性、メサラジン製剤のペンタサ、リアルダ、アサコールに対する耐性などが確認されている[9]。
現に摂取したものではない、同様の機序を持つほかの薬物に耐性を形成する現象は、交叉耐性と呼ばれる。
また依存性薬物に対して耐性が生じると、投与量を増やさなければ効かなくなるため、薬物への依存や精神毒性が強くなる。耐性の獲得は、薬物依存症の診断基準の1つである[8]。
しかし、LSDのような幻覚剤には耐性は生じるが、離脱症状はない[10]。幻覚剤には依存は形成されない[11]。薬物依存症の治療薬としての研究がおこなわれているということもある[12][13]。有機溶剤に対して生じる耐性を推定するのは困難である[10]。したがって、耐性の有無は依存性や毒性とかならずしも関連するわけではない。
【03-02身体的依存(Physical dependence)】

耐性を形成する薬物の慢性的な使用と、急な断薬や減量のために、離脱による否定的な身体症状を生じさせる状態である[8][9]。生理的依存(Physiological dependence)とも呼ばれる。耐性、離脱症状、薬物の使用の抑制が困難といった特徴が、薬物依存症の診断基準である[10]。
身体的依存は、ベンゾジアゼピン系やオピオイド、抗てんかん薬や抗うつ薬のような医薬品の低用量の医療用量でも、アルコールやオピオイド、ベンゾジアゼピンなどの娯楽薬の乱用でも形成される。高用量あるいは長期間の使用、あるいは低年齢での服用開始は、身体的依存が深刻となる予測因子であり、ゆえにより重篤な離脱症状を生じさせる。急性離脱症状は数日、数週間、また数か月続き、後-急性離脱症状(PAWS)として知られる遷延性離脱症候群(protracted withdrawal syndrome)―低い度合いで急性離脱症状と同じものが継続し、一般的に再燃-寛解の繰り返しで、しばしば激しい依存の再燃となり、長期的に能力水準を下げ、雇用を難しくしている―は、数か月から数年続くことが一般的で、きわめてまれに個人的要因により永続する。遷延性離脱症候群は、ベンゾジアゼピン系、アルコールやオピオイドの依存の大半でも示され、特に長期間、高用量、若年での開始、慢性的な再燃素質(すなわち、まったく同一の物質への依存からの離脱後の2度目、3度目の依存症)が要因である。離脱反応は、用量、薬物の種類、使用期間、患者の年齢、最初に使用した年齢、各個人間で異なる。

【04-01べゲタミン-B配合錠 :(Vegetamin)】
抗精神病薬の成分クロルプロマジンと、バルビツール酸系のフェノバルビタール、抗ヒスタミン作用のあるプロメタジンを含む合剤である[1]。塩野義製薬から1957年から2016年12月31日まで販売された。ベゲタミンは同社の登録商標(第5234290号)である。処方箋医薬品であり、世界でも日本でのみ流通していた[1]。劇薬、習慣性医薬品、麻薬及び向精神薬取締法における第三種向精神薬の指定があった。
ベゲタミンの薬効分類名は精神神経用剤で、適応は各種の精神障害の鎮静催眠に用いられる。フェノバルビタールは、過量投薬のリスクが高く、治療薬物モニタリングが必要である[2]。バルビツール酸系は薬物の離脱時の痙攣大発作に注意が必要である[3]。
2005年から2010年までの5年間でも、不審死からのベゲタミンの成分3種の検出が増加しており[4]、オーバードース時に致死性の高い薬の2位の薬だと同定されていた[5]。ベゲタミンは外来患者には用いるべきではない[6]、極力処方を回避すべき[7]、いかなる場合にも処方すべきではない医薬品[8]、飲む拘束衣[1]と言われていた。
【04-02セロクエル :Quetiapine)】






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