新聞2017延命治療諾否」

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  • 【「延命治療諾否」冊子が物議 京都市配布に抗議】
    (京都新聞 2017年04月24日 09時00分)
    【救急搬送患者の延命中止36%「終末期」で医師提案】(京都新聞2016年11月15日 08時45分)
    【救急現場の蘇生中止ルール明確化書面で患者意思、学会が指針公表】(京都新聞 2017年04月07日 17時30分)
    【日医、終末期の尊厳目指し提言へ認知症の対応も議論】
    (京都新聞2016年09月03日 17時20分 )
    【安易な救命中止、慎重判断求める集中治療医学会が勧告】
    (京都新聞2017年03月02日 17時15分)
    【在宅看取り、浸透せず 京都、届け出医療機関で実施ゼロも】
    (京都新聞2016年11月10日 11時50分)

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    【本文】
    【「延命治療諾否」冊子が物議 京都市配布に抗議】(京都新聞 2017年04月24日 09時00分)
     京都市は、人生の終末期の医療に備えて自らの希望をあらかじめ書きとめておく「事前指示書」を市民が作れるよう、関連リーフレットと併せ、各区役所などで4月から配布を始めた。人工呼吸器をはじめ、胃ろうなど人工栄養法や看取(みと)りの場所といった希望を事前に医師や家族らと共有する目的だが、終末期医療に詳しい医師や法律家から「人工呼吸器を使って生きる選択を難しくする」と撤回を求める声が上がっている。
     市の事前指示書はA4判1枚で、リーフレット「終活」とともに3万部を配布している。意識のない状態や重度認知機能低下の場合、「家族に延命治療の判断が求められる」とし、胃ろうや「延命のための人工呼吸器」、点滴による水分補給、最期を迎えたい場所など計10項目について希望する・しないなどを選択式で記す。「法的な拘束力はなく、内容はいつでも修正・撤回できる」と注釈を付ける。
     「尊厳死法いらない連絡会」の冠木克彦弁護士は「市の配布に大変ショックを受けている。事前指示書の押しつけは、差別や弱者の切り捨てにつながる。尊厳死や安楽死思想と同じ流れだ。胃ろうや人工呼吸器を使って長く生きる人はおり、生きている生命にこそ価値がある」とし、市に近く抗議文を出す構えだ。
     終末期医療を巡っては、治療の不開始(尊厳死)を書面で意思表示した場合、医師が殺人罪や自殺ほう助罪などに問われることを免責する法律はない。終末期の定義もあいまいだ。尊厳死の法制化を求める動きもあるが、日弁連は「終末期における医療・介護・福祉体制が十分に整備されていることが必須」で時期尚早とし、日本医師会も慎重意見を表明し、国レベルで決着が付いていない。
    病状説明なしあり得ぬ
    厚生労働省の「終末期医療に関する調査等検討会」委員だった川島孝一郎医師の話 意思決定には十分な情報提供が大事。病状と介護支援の説明もない「事前の指示」はあり得ず、京都市のパンフレットは厚労省の終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインと矛盾している。胃ろうで暮らす人への生活支援情報もない一方、「延命治療」など使うべきでない言葉もある。国で決定されたもののように誤解を与える。
    行政が旗振りに違和感

    難病や終末期医療に詳しい国立病院機構新潟病院の中島孝院長の話 事前指示書に関し、行政が旗振りするのは違和感がある。「患者のため」「命の尊厳のため」という言い方をするが、実際には医療費削減や家族の負担軽減のため、治らない患者の治療をしない、社会全体で延命させない流れを加速させかねない。患者から医師に一方通行の事前指示書を用いる前に、患者と医師がまず十分に話し合う事が必要で、対話で作りあげる事前ケア計画の導入の方がましだ。
    【救急搬送患者の延命中止36%「終末期」で医師提案】
    【画像:救急搬送された終末期患者に関する医療チームの提案】
    死期が迫った状態で救急搬送された患者について、日本救急医学会が過去5年半の間に医師から報告された159件を調べたところ、医師側が患者の家族に延命治療の中止を提案したケースが36%に当たる57件に上ることが15日、分かった。
     いずれも複数の医師らによる医療チームが、回復の見込みがない「終末期」に該当する患者かどうか判断した上で延命中止を提案しており、57件のうち48件(84%)でチームの中止方針と家族の意向が一致した。残り9件では家族の意向は中止ではなかったが、積極的な回復治療は求めなかった。最終的な処置は57件の大半で医師側の提案通りになったという。
    【救急現場の蘇生中止ルール明確化書面で患者意思、学会が指針公表】
    ( 京都新聞2017年04月07日 17時30分)
    各地の消防本部や救急隊員、医師らでつくる「日本臨床救急医学会」は7日、終末期で心肺が停止した患者に対し、救急隊が蘇生措置を実施するかどうか判断する際の指針を公表した。本人が蘇生を望まない意思を事前に書面で残し、かかりつけ医らの指示が確認できた場合は、救急隊に蘇生中止を認める内容。救急現場の対応ルールを初めて指針で明確化した。
     背景には、終末期の高齢者らが蘇生を望まない意思表示をしていても、動転した家族や老人ホームの職員らが119番通報する例が相次いでいることがある。患者の希望を尊重するとともに、救命任務との間で葛藤する救急隊の悩みを和らげるのが狙い。
    【日医、終末期の尊厳目指し提言へ認知症の対応も議論】
    (京都新聞)
    日本医師会(日医)は医療や法律、宗教などが専門の有識者でつくる「生命倫理懇談会」を10月にも設置し、高齢者の尊厳ある終末期医療について検討を始めることを決めた。横倉義武会長が3日までに共同通信のインタビューに応じ、明らかにした。来年夏をめどに提言をまとめる方針。
     回復の見込みのない患者への過度な延命治療の是非や、判断能力が不十分な認知症高齢者の意思決定支援などを議論する見通しだ。患者の尊厳や生活の質をより重視した対応が終末期医療で考慮されるよう、事前に書面で意思表示する「リビングウイル」の普及・啓発も進めたい考え。

    【安易な救命中止、慎重判断求める集中治療医学会が勧告】
    (京都新聞2017年03月02日 17時15分)
    日本集中治療医学会は2日までに、医療現場の現状を調査した結果、救命の見込みがあるにもかかわらず終末期の患者と判断し、必要な治療が行われていない懸念があるとして、医師や看護師らに対し治療方針を慎重に決めるよう求める勧告を出した。
     患者本人や家族の要望に基づき、心肺が停止しても患者の尊厳のため心肺蘇生をしないこと(DNAR)を事前に取り決めた場合について、医師の一部でDNARが拡大解釈されていると勧告は指摘。心肺停止状態でないのに、本来継続すべき投薬や輸血などの医療行為も安易に中止されている恐れがあるとした。
    【在宅看取り、浸透せず 京都、届け出医療機関で実施ゼロも】
    (京都新聞2016年11月10日 11時50分)
    24時間体制で終末期患者らを診るため、在宅療養支援の診療所や病院として厚生労働省に届け出ている京都府内の医療機関のうち35%が過去1年間、自宅での看取(みと)りを一度も行っていなかったことが8日までに分かった。支援医療機関が担当する患者の6割近くは、病院など自宅以外で亡くなっていた。超高齢社会で、国は自宅で最期を迎える「在宅看取り」を増やす考えだが、医師や患者の負担が大きく、十分に浸透していない。
     京都新聞が厚労省近畿厚生局に情報公開請求し、開示資料で判明した。府内の支援医療機関345施設のうち35・0%(121施設)が、6月末までの1年間、自宅での看取り件数がゼロだった。担当患者で死亡した3238人のうち、在宅死は44・5%(1442人)にとどまった。
     容体急変などに伴う緊急往診は支援医療機関の大きな役割の一つだが、21・4%(74施設)が一度も行っていなかった。通常の往診と訪問診療、訪問看護のいずれもしていなかった施設は11カ所あった。
     厚労省によると、全国の全死亡者のうち、支援医療機関が自宅で看取ることができたのは12・8%(2014年)にとどまり、多くの人が病院で亡くなっている。国は医療費削減の狙いもあって病院のベッド削減とともに在宅医療の拡充を掲げているが、現場の態勢や意識は整っていない。
     全国在宅療養支援診療所連絡会(東京都)は「全国でも、自宅での看取りを支援する本来の役割を果たせている支援診療所は3割程度しかないのではないか。行政が現状を調査し、チェックできる仕組みを早急につくるべきだ」としている。

    【「尊厳死法いらない連絡会」の冠木克彦弁護士】
    【国立病院機構新潟病院の中島孝院長】
    【生命倫理懇談会】
    【日本集中治療医学会】

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