精神科オピニオン2

への被影響体験、(5)考想伝播、6作為体験、7.妄想知覚を挙げている。 ICD *-10 では、これらの陽性症状*を「統合失調症状」として取り上げ、 シュナイダーの一級症状を重視している。
このように、シュナイダーの一級症状は統合失調症の診断ツールの一 つとなっているのだが、これらは実は統合失調症よりもむしろ解離性同 一性障害*により高頻度に認められるという報告がある。また、むし ろ解離性同一性障害の診断にこそ有用だとする研究者もいる。さらに、 ブロイラー*が統合失調症とした症例のいくつかは、実は解離性同一性 障害だったと指摘する研究者もいる7)。
解離性障害が統合失調症と間違われやすいのは、こうしたことが関連 しているのだと思われる。
C さんには、動作が遅くなる、眼球上転、奇異な硬直姿勢など一過性 のカタトニアと思われる症状が認められた。発達障害とカタトニアの関 係について日本では議論になることが少ないが、臨床上は発達障害者に カタトニアがみられることがしばしばある。

ウィング*8は、発達障害でみられるカタトニアの特徴として、1動 作や言葉が緩慢になる、2行動の開始や終了に困難を伴う、3他者によ る身体的あるいは言語的な促しに依存する、4受動的になり自発性が明 白に乏しくなる、5昼夜逆転、6パーキンソン症*(振戦*、眼球上転、 ジストニア*、奇異な硬直姿勢、すくみ姿勢など)、7.興奮や焦燥感、 8.反復的儀式的行動の増加、を挙げている。軽度のカタトニアも含める と発達障害の 17%に認められたと報告しており、頻度は高い。カタト ニアは、恐怖反応の一つとしてみられるものから、特に誘因なく生じ るものまで様々ある。
以上のことから、「緊張型統合失調症*」と診断されている人のなかに、 PDD でみられるカタトニアが誤って含まれてしまっている場合もある と思われる。

全身あるいは身体の 生じる震え。律動的 意であることが特徴。
トニア:抗精神病薬 用としてみられる錐 症状の一分類。異常 張により奇妙な姿勢 。四肢、体幹、頸部、 ロ、舌が突っ張った じれたりする。特徴 -球上転をはじめ、身 直して一側に屈曲す こを書くときに手が震 不随意運動、斜頸(頸 )などが主な症状。
長型統合失調症:統合 定の一タイプで、妄想 米が全面に出てくる。 主状はほとんどみられ 会性症状である社会的 こもりが徐々に進行す
同一性障害:解離 一種。肉体的・精 ックから逃れよう。 果、解離によって の独立した人格を のような状態にな この同一性が損なわ
ラー:スイスの精 (1857 ~ 1939)。 に基づき、早発性 わりに「精神分裂 一称を提唱した。
・グ:イギリスの精 (1928~)。オース ●小児科医アスペル
るアスペルガー症 岩見を広く紹介した。
キンソン症:パーキ ズム。パーキンソン でみられる運動症候 筋強剛など)をいう。 パーキソニズムで カシジアなどの不随 を伴いやすい。
広汎性発達障害にみられるカタトニア

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